異能学園デゼスポワール


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『人影』



昇降口へと向かう途中、
何か人影が通って行った。

ヒロはそれに気付き辺りを見渡す、人影らしきものは校舎の裏の方へと消えて行った。

「…悪い、ちょっと待っててくれ」

ヒロは皆にそう言って校舎裏の方へと向かった。校舎裏の方には確か、地下へと通じる階段らしきものがあった。

だがその地下は立ち入り禁止、鍵だって厳重にかけられていた。
立ち入り禁止でなければ念のため、地下室も〜と調査することになっていただろう。

校舎裏に着いた。
と、見つかったらまずい。
ヒロは校舎の陰に隠れて覗く。

校舎裏にあるのは雑草でかなり茂った地面。
更に地下室へと通じる道がある。
時間が時間のせいか、暗くなってより不気味に見える。

そんな中、辺りをキョロキョロと見渡す人物がいた。一瞬、暗くてよく見えなかったが目を凝らしてみる。

「…何してんだあの人」

その人物は生徒会長である六堂灯佳であった。
生徒会長であろう者が一体ここで何をしているのだろう。まさか、夜な夜な学校で見回り…なんてこと、あの生徒会長がするのだろうか。

そんな事を考えつつも六堂灯佳の様子を見る。
キョロキョロと辺りを見渡しているが、ヒロには気づかなかったようだ。

周りに誰もいないと安心したのか六堂灯佳はある場所へと向かう。
そこはまさかの立ち入り禁止の地下室であった。

見回りにそこまでするものか?なんて思いつつも六堂灯佳が下へ降りると同時にそろりと跡を着ける。まだ気づかれてはいない。

地下室の扉の前に着いたのかガチャガチャと何か金属音が鳴る。

すると突如、ドアの開く音が聞こえた。
そして次には閉まる音。
これはもしや、と思い、ヒロは地下室の扉の前まで着た。

そこには六堂灯佳の姿はなかった。
あるのは地下室へと通じる扉だけ。
試しに開けてみようとドアノブに手を伸ばすが止めた。今ドアノブの音なんて鳴らしたら気付かれるということもある。

…一旦戻ろう。
この事を皆に聞いてみよう、ヒロはそう思い、皆のとこまで戻って行った。


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