memo simple is the best! ::教師と生徒 (別ver.) ※下あり 「終わってんな」が、彼女の口癖。 これは、彼女が他人に使う侮蔑の言葉であった。 人生終わってんな、の略。例えば、電車の中で傍目も気にせず大きな欠伸を吐く白髪交じりの中背中肉親父だったり、例えば、身なりに頓着しない如何にも出不精なフケだらけ髪ボサボサ女だったり、例えば、些細な不始末で子供に手を上げる女を行きずり見かけた時だったり。 彼女の視界に入り込んだ拒絶対象に向けられる。 冷えきった目で、鼻で笑って、見下すのだ。 俺は○○のその目が好きだった。 誰にでも優しい彼女の唯一のはっきりとした線引き。 汚物を見る目で負け組どもを一瞥したあと、○○はこちらを見てなんでもなかったようにへにゃりと笑う。 「正己、話の続き聞かせてよ。」 光の無い眼でまっすぐに此方を見つめながら。 ○○と俺は、生徒と教師という関係性の傘下にいる。 眉目秀麗でその上勉強も出来る、才色兼備を兼ね備えた女生徒と、その副担。 ○○は、顔立ちの良さが同級との確執を生むかと思えば、人当たりの良さでカバーし、教師からも生徒からももてはやされて、職員室でもよく名前が上がる。 そんな学校のアイドルと言っても過言でないような○○の裏の顔を知っているのは、唯一俺だけ。 女子トイレでオナニーしているところを○○に見つかった俺だけなのだ。 back ×
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