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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.31 アズとエヴァの映画館デート(3/3)
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やらかしてしまった

そうして長くて短かった130分の上映時間も、エンドロールが流れ切ったら、これにておしまい。
真っ暗だった館内に、ゆっくりゆっくり照明が戻り明るくなっていく。
すると、

「ん・・・、ん?」

やっとここで目を覚ましたアズ。
周りにいた人たちがガヤガヤとここから出ていく状況を見て、自分は寝てしまったことに気がつく。

「あ・・・。あれ???」

今回は。今回こそは寝ないようにと気を付けていたのに、結局寝てしまったのだ。
やらかしたことに関して、今さら後悔しても遅い。
けれど自分も行きたいっと言って誘ってもらったのに、こんなオチではショックが隠せない。

「起きた?」

「うん・・・。」

「大丈夫?涼しすぎてたりしてない?」

「うん・・・平気。えばが学ランかけててくれてたから。」

なのにエヴァは至って平常通り。
機嫌を損ねてないどころか、自分が寝ていた間にも色んなフォローをされていて、彼の優しさを改めて知る。

「よかった。あ、俺のお茶だから喉乾いてたら飲んでいいよ。コーヒー、氷で薄まっちゃってると思うし。」



親しい仲でもなんちゃら

2人も他のお客さんと一緒に劇場から出て、再びロビーに戻ってきた。
このままでは申し訳ない気持ちが強くて、アズは居た堪れない。

「ごめんね、えば。せっかくの映画、寝ちゃって・・・。」

「いいよいいよ。俺の方こそ起こしてあげれなくてごめん。あまりにも気持ちよさそうに寝てたから、起こしたらかえって悪い気がして。」

「ううん。えばが謝ることなんて何もないよ。気持ちよく寝ちゃってたのも、きっとえばが色々しててくれてたおかげだもん。えば、いつもありがとう。優しくしてくれて。」

なのでごめんなさい。
そしてありがとうを伝える。

「ところでえば。映画どうだった?」

「面白かったよ。あ、パンプレット買ってきてもいい?」

「うん!ボクも一緒に行くよ。どんな映画だったか聞かせて聞かせて。ネタバレになっちゃっても全然OKだから。」

いくら親しい仲でも甘えすぎはダメだから。



確認されないとこうなる2人

そうして映画館を出た2人は、近くにあった喫茶店にて休憩がてらの寄り道を。
アズが寝て見れなかった映画の話で、最後まで鑑賞したエヴァが内容の感想を述べていた。

「あーん。そんなに面白かったんだ。」

「うん。DVD出たら借りて、もう一回観たいな。」

その最中、注文した飲み物が店員さんに提供されたのだが。

「お待たせ致しました。アイスコーヒーと。」

エヴァの前にはアイスコーヒーが。

「アイスミルクティーでございます。ごゆっくりどうぞ。」

アズの前にはアイスミルクティーが。

「「・・・・・・・・・。」」

店員さんも悪気は全くないし、きっとこれで間違ってないと思ったのだろう。
けど注文した物が、それぞれ逆。相手の前に置かれてしまう。
でもこれは予測できた慣れた結果。

「こういうところ来るとボクとえばの注文、いっつも間違えられちゃうね。」

「ごめんね。毎回本当に・・・。」

『やっぱり』と言って苦笑した2人は、目の前に出された飲み物を互いのにチェンジ。
アズはアイスコーヒー、エヴァはアイスミルクティーを飲みながらお喋りを続けた。



エヴァからアズへの相談

「あ・・・。この曲、リライトだ。」

「ホントだ。有線でも流れるんだ。」

「ね。なんか不思議な気持ちになるね。」

店内に流れるBGMがリライトの新曲に切り替わる。
それと共に2人の話題も映画からリライトの新曲に関わる話へと変わっていった。

「じゃあその時は、いたんだ・・・。」

「うん。普通にいたよ。」

「・・・・・・・・・。」

「えば?どうかしたの?」

もちろん話題が変わったのだから、この空気だって変わる。
だけどエヴァとしては、この話をどうしてもしたかったのか。
そのせいで息が苦しくなりそうな雰囲気が2人を包み込む。



エヴァからアズへの相談 2

「俺の気のせいならそれでいいんだ。だけどあまりにも避けられてる気がして。」

「そんなことないよ。いつものように忙しかったから来られなかっただけで、ボクらの時はたまたま。」

「・・・・・・・・・。」

「えば・・・。」

アズに話したエヴァの相談事。
そんな空気で、こんな話をされて、あんな思いつめた表情をしたエヴァを見たら、アズだって彼を放っておけない。

「大丈夫だよ、えば。しまちゃんにボクからもお願いしてみる。」

「え!?志摩さんに?」

「うん。だってえば、てっちゃんと話たいことあるんでしょ?」

だからこそアズは立ち上がり、彼のためにこの手を差し伸べる。



エヴァからアズへの相談 3

「しまちゃんからもそれを伝えてもらおうよ。今度こそちゃんと2人でお話出来るように。」

今度は自分の力も交えて、志摩の協力も得ようとする。

「ねっ。」

「ありがとう、アズ・・・。」

エヴァの望みがどんな方向を指しているのか分からないまま、知らないまま・・・。
ただただ彼のためを思って。

「ごめんね。変な話にしちゃって。」

「ううん。相談してくれてむしろ嬉しいよ。ボクも何かあったらえばに相談するから、その時はよろしくね。」



『CRO×QUAR』第31話を
読んでいただきありがとうございます!

アズとエヴァ・・・じゃなかった
エヴァとアズの映画回お待たせいたしました
リアルタイムではマジのガチで10月up
本編内で告知してから約半年?経ちました
なんていうか経てばあっという間だね〜


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