そうして長くて短かった130分の上映時間も、エンドロールが流れ切ったら、これにておしまい。 真っ暗だった館内に、ゆっくりゆっくり照明が戻り明るくなっていく。 すると、
「ん・・・、ん?」
やっとここで目を覚ましたアズ。 周りにいた人たちがガヤガヤとここから出ていく状況を見て、自分は寝てしまったことに気がつく。
「あ・・・。あれ???」
今回は。今回こそは寝ないようにと気を付けていたのに、結局寝てしまったのだ。 やらかしたことに関して、今さら後悔しても遅い。 けれど自分も行きたいっと言って誘ってもらったのに、こんなオチではショックが隠せない。
「起きた?」
「うん・・・。」
「大丈夫?涼しすぎてたりしてない?」
「うん・・・平気。えばが学ランかけててくれてたから。」
なのにエヴァは至って平常通り。 機嫌を損ねてないどころか、自分が寝ていた間にも色んなフォローをされていて、彼の優しさを改めて知る。
「よかった。あ、俺のお茶だから喉乾いてたら飲んでいいよ。コーヒー、氷で薄まっちゃってると思うし。」
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