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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.32 一人暮らし始めましたの話(前編)(1/3)
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真島志摩、一人暮らし始めました

何度目の発言か分からないが、この物語の主人公は俺。
上からでも下からでも『ましましま』と読める俺。
でもメインの主役はクロスカルテットの4人。
そのおかげも出番も引きずり降ろされたり、作者からヒドイ仕打ちをされまくっているが主人公は俺!めげずに主人公頑張ってます!
そんな俺も兄の徹夜が勤めている芸能事務所、チェリーストーンに就職してから1ヶ月が過ぎ去った今日。
5月が終わる頃、ついに身の回りの環境も変わる時がやってきた。

「ふう・・・。」

っと言うよりも。家に帰宅する時間が夜遅かったり真夜中だったり帰れなかったりして、この1ヶ月強であまりにも疎らすぎた結果。これ以上、チェリーストーンのブラック事情に親を巻き込みたくなかったから決意した選択肢。

「ここが俺の新居地か・・・。」

こうして俺、真島 志摩(23)は、一人暮らしを始めました。



志摩の新居地

俺が住むアパートは、3階建てのごくごく普通の木造アパート。
1Kだけどそこそこ広くて、家具家電付きでネット環境も完備されていて、バス・トイレはもちろん別。浴室換気乾燥機に宅配ボックス、温水洗浄便座にエアコン、防犯ガラスに駐車場もあるという神アパート。
家賃も会社からいくらか補助があるおかげもあり、俺の給料で俺1人分ならひもじい生活にはならないだろう。

「よし!ちゃちゃっと荷物運んじゃおう!」

そして新居として選んだ場所は、エーチとエヴァが暮らしてる地域。
事務所から距離もそう遠くはなく、隣町にはアズがいて、キィちゃんとは離れたままの位置だけど、それでも実家の時よりは近くなれた距離。
兄貴の補助としてじゃなくても、なるべくクロスカルテットの4人の近くにいたかった俺。

『え!?真島さん、そちらにしたんですか?』

『ダメでした?』

『いえ。ダメって言うわけではないですけど・・・。』

『まーまー、いいじゃない。志摩くんだって何かあった時のためを思って、そこにしたわけだし。頑張ってねお引っ越し。僕は手伝わないから。』

『おい。身内がはっきり手伝わない言うな。』

兄貴は兄貴で相変わらずだったとして・・・。
それを真昼さんに伝えたら微妙な反応されたが、何だったんだろう?



助っ人登場

それはそれで気になるが、今は置いておこう。
いくら家具家電付きで既に色々セットされてるとはいえ、軽く持ってきた私物の荷物をさっさと片付けないと日なんて簡単に暮れてしまう。

(確かそろそろだよな?)

手で運べない荷物は引っ越し業者ではなく、時間指定で宅急便に任せていた俺。
時間も時間でソワソワしてきて落ち着かず、何度も携帯で現在時刻を確認していた。
そんな時、ピンポーンと鳴った呼び鈴。

「!」

その途端、俺はハッとした顔で狭い部屋の中、ダッシュで玄関に向かいドアを開けた。
するとそこには、

「へへへ。来ちゃった志摩ちゃん。」

「エーチ!?」

自分の荷物を届けに来た宅配業者じゃなく、エーチの姿があった。



まさかの幸運

「てっちゃんから聞いて手伝いに来たんだ。」

エーチも今日が俺の引っ越しデーだと、兄貴から聞いていたようだ。

「びっくりしたよ。志摩ちゃんのアパート、オレんちの近所なんだもん。この町に引っ越して来てくれただけでも凄く驚きだったのに。」

「え!?そうなの!?」

俺も俺でエーチの家と近所だと知り、お互い揃ってダブルでびっくり。

「それじゃあこれからは近所の一員としてよろしく、だね。」

「うんうん。何か困ったことあったらいつでも呼んでいいからね志摩ちゃん。」

「そうだな。じゃあ何かあったら遠慮なくエーチに頼るから、よろしく頼むよ。」

「へへへ。」

エーチと近所付き合いが出来るようになるなんて、全然予想もしてなかったから想像が追いつかない。
それでも十分すぎるほどの幸運だった。



エーチと一緒にお片づけ

「じゃあエヴァの家もここから近かったりする?」

「ううん。オレんちからだと、ちょっと遠いよ。」

「そうなんだ。」

そういうわけで手伝いに来てくれたエーチの手を借りて、引っ越しの片付けを進めていく。
宅急便として送った自分の荷物も、エーチが来てから10分後に無事到着。
あっという間に荷物整理も終わり、この部屋の中に俺色のモノが加わった。

「志摩ちゃん。このダンボールの中身、片付けなくていいの?」

「あ、ああ。うん。それはちょっと後で片付けるからそのままでいいよ」

片付けもある程度終わると、これから始まる俺だけの生活に実感がより強く湧いてくる。
この気持ちをなんて言っていいのか分からないが、期待と不安の天秤に揺らされているような、とてもとても不思議な感覚だった。

(俺、本当に引っ越して来ちゃったんだな。)



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