「ちょっと前に仕事が終わったばかりでね。いやぁ、まいったまいった。」
待ち合わせてた時間から30分も遅れでやって来たクソ兄貴。
「そんなに忙しかったのなら事前に一本連絡してくれればよかっただろうに。余計な心配かけんなよ。」
「いや、忙しくはなかったよ?ただ仕事のことで頭いっぱいだったからさ。ついうっかり志摩くんとの約束忘れて、危うくすっぽかすとこだったんだ。」
「ヲイ。」
「帰り道の途中で思い出したから、本当に危なかったよ。」
「人を呼び出しておいて忘れるな!!」
言い訳の理由に嘘も偽りもなく、素直でストレート。 人を脅してまで来させておいて、ケロッとした顔で言ってくる。 久しぶりに会うのに兄への印象は今も昔も変わらず『最低な兄』のままだった。
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