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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.31 アズとエヴァの映画館デート(2/3)
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制服が異なる2人

それから桃月学園を出た2人。

「えばの学校は制服で、どこか寄り道しちゃっても大丈夫なの?」

「本当はあんまり良くないけど、みんな色々寄り道してるし問題ないよ。」

「そうなんだ。じゃあボクの学校と同じだね。」

アズが桃月のブレザーで、エヴァが栗ノ木の学ラン。
着てる制服がそれぞれで異なっており、並んで歩いているとちょっぴり新鮮。
そんな2人が向かう先は、もちろん映画館なのだが、

「えへへ。ボクね、今日が来るのすっごく待ち遠しかったんだ。えばとの『でーと』すっごく楽しみにしてたから。」

「え!?」

その途中。アズがとんでもないワードを吐いたせいで、流石のエヴァも驚いて困惑を隠せなかった。



デートとは

「違う違う。遊びに行くだけだから、デートとかそんな素敵なことじゃないよ。」

「え、そうなの?違うの?」

これはデートと申すアズを否定するエヴァ。
まず色々とツッコミどころ満載だが、アズの中で『デート』は、どういう解釈をしているのだろう。

「おかしいな。てっちゃんから前に『好きな人と、どこかに出掛けること』だって教わったのに。」

もちろんそれにも色々と諸説はあるのだろうが、アズは徹夜から教わったことを信じていた模様。
なのでそれを否定されて、ちょっと機嫌を損ねる。

「確かにえばがボクのこと好きじゃないなら、でーとじゃなくなるけど。」

かと思いきや。

「エヴァはボクのこと、嫌いなの?」

相手はエヴァだ。彼はとても押しに弱い。
徹夜から教わったデートの定義を、自分の解釈のまま言葉で押しに押し込み、

「え!?いや、そんなわけ・・・っ。アズのこと好きだけど。でも・・・。」

「ならやっぱ『でーと』で決まりだね。」

強く言い張った結果、否定に確変が起きて肯定へ。
押しに負けたエヴァに『これはデート』だと思いっきり意識させたのでした。



開幕いきなり睡眠

そんなこんなで歩いて歩いて歩き続けて、ようやく目的地の映画館に到着。
エヴァが観たいと言っていた映画のチケットを2枚分購入して、指定された座席番号に着く。

「飲み物、アイスコーヒーでよかった?」

「え?買ってきてくれてたんだ。ありがとう、えば。」

「今日は付き合ってもらっちゃったわけだし、そのお礼を兼ねて飲み物ぐらい奢らせて。」

そうして上映時間を迎えると照明が落とされて真っ暗になった。その途端ー・・・。

「Zzz・・・。」

「・・・・・・・・・。」

オープニングをまだ迎えてないのに。
やっと冒頭が始まったばかりというのに。
エヴァの隣に座るアズ方向から、寝息がグーグーと聞こえてきた。
どうやら映画館のふかふかな椅子が気持ちよくて、本編前の告知映画で力尽きてしまったようだ。



上映中のアズ

さっそく上映中に寝てしまったアズ。

「・・・Zzz。」

エヴァの学ランがブランケットの代わりに。
エヴァの肩が枕の代わりに。
そのおかげでさっきよりも安心した表情でとっても気持ち良さそうに、スースーっと眠っている。
その為か、

「・・・Zzz。」

迫力があるシーンでも起きない。

「・・・Zzz。」

感動シーンでも起きない。

「・・・Zzz。」

いつまでたっても起きる気配がしなかった。



上映中のエヴァ

隣で寝てしまったアズに気づいたエヴァ。

「・・・・・・・・・。」

静かに学ランを脱いでブランケットとして代用。
アズの頭がコツンと肩に寄りかかってきたので、このまま寄せて枕として使わせる。
始めはどうしようか悩んだが、あまりにも気持ち良さそうに寝ていたので、そのまま起こさないでおいた。
なので、

(うわ!?)

迫力があるシーンも。

(あぁ・・・。)

感動のシーンも。

(すごい結末!こんな終わり方するんだ。)

最初っから最後まで全部、1人で観て1人で楽しんでいた。



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