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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.31 アズとエヴァの映画館デート(1/3)
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中間考査真っ最中

リライトの新曲の収録が終わった後のこと。

『『ブラックラデッシュ(BlackRadish)』は大手の芸能事務所だよ。まあぶっちゃけなくても分かると思うけど、ウチとはライバル会社に値するよ。とは言ってもこっちのが弱小だから、向こうからは敵視どころか相手にもされてないけどね。』

アズはあの時に会ったあの2人のことが、あれからも気になっていたのか。
1番詳しそうな徹夜に尋ねていた。

『『ナギ(Nagi)』くんは最近入った新人の子だったかな。『アッシュ(Ash)』の本名は敦くん。彼は俳優業がメインだけど、ソロで音楽活動もしてるよ。今回はリライトと新曲発売日ダブってて運が悪かったよね。話題持ってかれちゃったから。』

『詳しいね、てっちゃん。』

『まあ・・・。あそことは昔から付き合いあるから。そうじゃなくても、そういう裏話的な情報は職業柄、自然と耳に入ってくるよ。』

けれど自分はナギというあの男の子といつ出会ったのか。
本名を聞いて思い出そうとしても思い出せなくて、モヤモヤとした気持ちをグルグルさせていた。

「西野ー。欠伸してないのはいいが、少しはテストに集中しろ。」

現在は中間テストの真っ最中。
なのにそれを一切気にすることなく・・・。



桃月で待つ栗ノ木生徒

「テスト終わったー!」

こうして長かった中間テストも本日で全て終了。
授業もテストだった関係で午前中でおしまい。

「なあ。栗の紋章が入った学ランって、どこの学校だっけ?」

「栗?それなら隣町の栗ノ木じゃないか?てか、お前先に帰ったんじゃなかったのか?」

「忘れ物したから取りに来たんですー。じゃなくて、その学ラン野郎が正門のとこにいてさ。風紀のメガネに捕まってて大変そうだった。」

部活動も今日までお休みの為、午後からは皆フリーフリーなフリーダム。
だからテストが終わった気晴らしに、どこか遊びに行こうと企てる生徒が多くいた。

「アズー!今日こそ暇?一緒にカラオケ行かない?」

「学ラン・・・栗ノ木・・・。はっ!」

そしてそれはアズも同じ。
クラスメイトの仲良い子から遊びに行こうと誘われる。が、耳に入って来たその他校生の話に何か心当たりがあったのか。

「それボクの知り合い!」

「なんだってー!?」

お誘いの返事をイエスもノーも答えず、その他校生を迎えに。
いつもはのんびりしてるアズもこの時ばかりは素早くて、荷物をまとめて急いで正門へと向かった。



桃月で待つ栗ノ木生徒 2

「栗ノ木の生徒が何故、桃月にいるんですか?偵察はお断りですよ。」

「あ、いえ、知り合いがこちらの学校にいるので、待たさせているだけです。お騒がせしてすみません。」

正門にいた他校生の男子生徒。
情報通りに栗の紋章が入った学ランを着ている。
その人を見た途端、アズはやっぱりと確証してその男子生徒の名を呼んだ。

「えば!」

「!」

もちろんその他校生の男子生徒というのは、エヴァのこと。
エヴァが通う栗ノ木高校も今日は半ドンで終わった模様。

「なんで?なんで?ボクんちで待ってて大丈夫だったのに。」

「思ったより早くこっちに着いちゃって。アズもまだ帰ってきてないと思って、桃月調べたら凄く近かったから、ついでに迎えにきたんだ。けどこんな騒ぎになるなんて思わなかったし、ちょっと軽率だった。 」

「ううん、そんなことないそんなことない!迎えに来てくれて凄く嬉しいよ!えば。」

エヴァもアズと会えてホッとした表情を見せたが、周囲にいる桃月の生徒はそれどころではない。
アズがエヴァを『えば』と呼び捨てたことで、それどころではない重大な問題点に固まる。



パワーワード

(アズが呼び捨てで呼んだだと!?)

アズは基本的に誰かを呼ぶときは、独自で付けたあだ名で『〇〇ちゃん』と呼んでいる。
だから誰かを呼び捨てて呼ぶなんて滅多になくて、たかがそれだけで。されぞそれだけで桃月の生徒にヘイトを生ませてしまったエヴァ。
ただでさえ完全アウェーなのに余計な敵意が集中し、理由が分からないまま、視線に気づき流石のエヴァも萎縮する。

「どうしたの?えば。」

「え、あ、なんでもないよ。」

一方アズは気がついてないのか、気づいているのか。

「西野 梓。その人はキミの知り合いかい?」

「うんっ。えばはボクの大事な人なの。だからえばに意地悪したらボクが許さないからね。」

とんでもないパワーワードを続々放ち、エヴァに敵意を抱いた桃月生徒から戦意ごと失わせた。



マジで10月upとなりました

(ボクの大事な人・・・。)

この間、車でアズを迎えに来た大人の男と訳が違う。
あの大人は謎の彼氏ヅラをしていたが、彼はしていただけで仕事以上の関係はなかった。
だけど今回はアズ本人の口から大事な人だと紹介されたら、きっとそれはその言葉通りの関係ででででで・・・。
敵意も戦意も喪失したアズファンクラブの桃月生徒は、力尽きたかのようにその場に崩れていく。

「それじゃあ行こっか、えば。」

「あ、けど・・・、いいの?」

「うん?うーん、うん!いいのいいの。えばは気にしなくていいから早く行こうよ。」

こうしてエヴァとアズで、謎の既成事実が出来上がり?
それはそれ、これはこれとして一先ず置いておき、今回はアズとエヴァで映画回。
マジのリアルタイムで10月upとなり、大変お待たせいたしました♪



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