≪ top ≪ main

CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
はじめから読むページから読むしおりから読む


Act.3 アホ真面目な前向きアホ毛男子の話(1/2)
]  [目次へ]  [

新学期スタート!

昨日で春休みは終わり。
今日からまた学校で授業が始まる。
この春から高校二年生へと進級したクロスカルテットのリーダー、エーチこと東森 英一。
新学期だけあり気分も一新としていて、何もかもが新鮮に感じて上機嫌。
彼の特徴であるチャームポイントのアホ毛も、いつも以上にピコピコピコピコ、犬の尻尾のようにあらぶっているのであった。

(へへへへへへ♪)



アホ毛男子

今日は入学式および始業式開始の日。
学校の授業もロングホームルームのみで、午前中のうちに終了。

「英一、またなー。」

「おうっ!また明日―っ!」

荷物をまとめて、同じクラスの仲の良い友達と別れ、教室を後にする。
それからすぐに二つ折りの携帯電話のメモ帳ツールで今日の予定を確認。

(今日はダンスレッスンか。)

「頑張ろう、よしっ!」

そして両手に拳を作り、ピコピコあらぶるアホ毛もピーンッと張るほど気合を入れたのでした。



エーチとエヴァ

そのままの足でレッスンスタジオへと直接向かうエーチ。
すると、

(あ・・・。)

自分の前に見覚えありまくりの背中が。
学生カバンに一匹だけはみ出てる羊のストラップを付けた男子生徒に気が付き、急ぎ足で追いつく。

「枝葉はっけーん!」

「!!」

その男子生徒というのはクロスカルテットの四人目のメンバー、北宮 枝葉ことエヴァ。
エーチは文系クラス。エヴァは理数系クラス。
クラスは違うが同じ学年で、同じ栗ノ木高校に通っているのだ。



エーチとエヴァ 2

「あ、間違った。エヴァだった。つい癖で枝葉呼びしちゃったよ。」

「どっちでもいいだろ?たいして違いないし。」

「バカエヴァ!どっちでもいいわけないだろ!発音だって、ほら。枝葉にエヴァ。若干違う、全然違う。ちゃんと間違えないように寝ないで練習したんだからなオレ!」

「・・・アホか。」

クロスカルテットはまだ結成されたばかりで、デビューも満たない駆け出しアイドルグループ。
なので基本的に稽古場所は四人一緒。予定だって当然同じ。

「エヴァもこれからレッスンスタジオだろ?一緒に行こうぜ。」

「まぁ・・・、嫌でも必然的に向かう場所は同じだからな。」

「『嫌』とか言うなよ!つれないなー。」

なのでエーチは合流したエヴァと、このまま一緒にレッスンスタジオへと向かった。



エーチとキィ

学校から歩いて歩いて徒歩で歩いて駅に向かう。
そこから電車に乗って隣町で降りて、また歩いて歩いて、ようやくレッスンスタジオへと到着。
受付を済ませてから中に入るとさっそく、

「お。」

クロスカルテットのメンバー三人目、南浦 桔平ことキィが先にジャージ姿で待っていた。

「やっと来たか。相変わらず卑猥な名前してんなエッチ。」

「だ・か・ら、エッチじゃなくてエーチだって!そこだけは絶対に間違えるなって言ってるだろ!キィちゃん!!」

「えー。だってエーチもエッチも似たようなもんじゃん。エーチはエッチ〜♪」

「全然似てないし同じじゃないし変態だって勘違いされるからやめて!エーチだから、エーチ!!」

元気ありまくりのエーチとキィ。
あっという間に煩く騒がしく、そして賑やかになるのでした。



エーチとキィ 2

「まったく・・・。キィちゃん志摩ちゃんの時といい人の名前でおちょくりすぎなんだよ。あの時、オレマジで焦ってたんだからな。」

「え〜?そうだったの?」

人の名前をふざけ呼びするキィに注意するエーチ。
そこは一歳差の年上相手でも遠慮はなし。
真面目にリーダーとして叱るべきところは叱って、きちんと役割を果たす。

「じゃあ次からは気を付けるわ、エッチ。」

だが、

「だーかーらー、エーチだって言ってるだろうがーッ!!!」

あまり反省の色を見せないキィに苦戦するリーダーなのでした。



エーチとアズ

レッスンスタジオにエーチ、キィ、エヴァの三人が揃ってから10分後。
ゆっくりと扉を開けて中に入ってきた一人の男の子。

「おはよ〜・・・、みんな。」

「お、やっと来たか。ちょっと遅いぞ、アズ。」

「ふぁぁあああ〜・・・。」

それはクロスカルテットのメンバー二人目、西野 梓ことアズ。
とてもとても大きな欠伸。
それはキィやエヴァの二人にも移り、三人で欠伸の大合唱。

(うぅ・・・。)

そんな中、我慢していたエーチも耐えきれずに、大きな大きな欠伸をしてしまう。
やる気満々に満ちてピコピコしていたアホ毛も、シオシオ萎れていく・・・。

「アズの欠伸は凄い、ね。」

「えへへ。ありがと、えいちゃん。・・・ふぁ。」

「いや、褒めてな〜〜・・・っ、移るからやめぇぇええっ!!」



エーチとアズ 2

「とりあえずジャージに着替えてくるね。」

アズはそう皆に伝えてから、男子更衣室へと向かって行く。
それから一分後、三分後、五分後、七分後、十一分後。

(あれ、アズが帰ってこない?)

なかなかアズが戻ってくる気配がない。
心配になったエーチはアズを迎えに、男子更衣室へと向かう。

「アズー?」

すると、

「Zzz・・・。」

「コラーッ!アズ、こんなとこで寝ちゃダメだ、起きろーーーッ!!!」

「むにゃむにゃ。えいちゃん、あと五分ー。」

「だめー!起きるのー!!稽古の先生来ちゃうってばー!!」

案の定、着替え途中で眠っていたアズを無理矢理にでもペシペシ叩いて起こす。
ここでもアズの面倒を見るのに苦戦させられるリーダーなのでした。



]  [目次へ]  [
しおりを挟む



BL♂GARDEN♂BL至上主義♂
2015.05start Copyright ちま Rights Reserved.
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -