≪ top ≪ main
CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]
登場人物紹介
はじめから読む │ ページから読む │ しおりから読む
Act.3 アホ真面目な前向きアホ毛男子の話(2/2)
[←] [目次へ] [→]
レッスン | ようやくクロスカルテットのメンバーが集まったところで、稽古の先生が到着しダンスレッスン開始。 デビューを控えた彼らは、ひたすら汗まみれになりながら練習、練習。 言葉の鞭を手厳しく打たれながらも、動きをより上達させられるよう体で覚えていく。
「はい、今日はここまで。クロカルの皆、お疲れ様ー。」
「つ、疲れた・・・。」
稽古が終わる頃にはあっという間に外は真っ暗。日が暮れている。 疲れもどっぷりたっぷりヘトヘト状態。今日のレッスンもお疲れ様でした。
|
帰りも一緒 | 本日のクロスカルテットの予定はこれにて終了。 ダンスレッスンが終わり、メンバーそれぞれ帰る支度を済ませる。 アズとキィとは、現地でお別れ。
「ほいじゃあまたなー、お二人さん。」
「またね〜。」
でもエヴァとは途中まで帰り道も同じ。
「忘れ物はないか?エーチ。」
「ん、ヘーキ。多分、大丈夫。」
なのでエーチはエヴァと一緒に帰って行った。
|
ポジティブスイッチ | 「ハァーッ、今日も付かれた〜〜〜・・・。」
エヴァと帰宅中のエーチ。 ぐーっと身体を伸ばして、疲れを少しでも癒す。
「この間、志摩ちゃんは褒めてくれてたけどさ。てっちゃんは何も言ってこなかったってことは、やっぱりそういうことなんだろうなって今日のレッスンで改めて思ったよ。今日も失敗しまくったしさ。」
疲労のあまりか。エーチはボロボロとエヴァに愚痴を零していたが、
「でもデビューするからには、もっともっと頑張らないといけないよな。うん、よしっ!」
いつまでもくよくよせずに前を向く。 またアホ毛をピーンとさせるほど強く気合を入れ、直ぐにポジティブスイッチをオンにした。
|
母子家庭 | 「それじゃあなエヴァ。」
「・・・あぁ。またな。」
帰り道。途中まで一緒だったエヴァとも別れ、一人になるエーチ。 エヴァの後ろ姿が見えなくなるまで見送り、振っていた手をゆっくり静かに下した。
「・・・・・・。」
そして重たくなった足で自宅へと帰宅。 木造で出来た古き良きアパートの一室が彼の家。 エーチは幼い頃に父親を病死で亡くし、母親の女手一つで育てられ今も一緒に二人で暮らしている。
「・・・ただいま。」
|
アホ真面目な前向きアホ毛男子 | 外はもう暗いのに、まだ部屋の中も真っ暗。 電気を付けて家に上がり、リビングに向かうと、
『これで何か食べて』
と書かれた紙切れと、お金が食卓のテーブルに置かれていた。 母親はまだ帰ってこない。 そう確信が持てたエーチは、そのお金を母親が使ってる化粧棚の引き出しにある給料袋の封筒へこっそり返す。 そして冷蔵庫に余っていた食材で炒飯をつくって、一人で食べた。 こんなときすら彼は頑張り屋さん。 いつだって前向きに、そしてポジティブに。 正直なアホ毛センサーからも目を逸らし、背中合わせにさせた思いと向き合わないまま眠りへとついたのだった。
(また明日も頑張ろう。・・・うん、よしっ。)
|
『CRO×QUAR(クロカル)』の第三話を 読んでいただきありがとうございます!
今回はクロスカルテットのリーダー、エーチのお話でした 作者的にはエーチみたいなアホアホキャラは いざっていうときに動かしやすくて大好きです とりあえずアホなこと言わせておけばOKなときありますし
エーチのカップリングは、まだあまり決めてません というよりこっちも青ノ葉と一緒でフレンド寄り なので確定も固定もしにくい・・・ でも基本右側になるんじゃないでしょうか? アホなこと言わせてやらせてハメさせて とりあえずアホなことさせておけばOKなので
|