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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.29 ご褒美遊園地の話(後編)(3/5)
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羊=素材

遊園地が苦手なエヴァ。

「本当は今日、来る予定なかったんです。来ても俺ほとんど乗れませんし、明日からテストなので勉強したかったので。」

「まさか、また断れなかったわけじゃないよな?」

なのにどうして今日来てしまったのか。
アリカの尋問により、その理由が把握。

「・・・実は。」

「実は?」

「ユウさんから来ないと『真の羊好きにさせる』と。ラムやらジンギスカンやらウールやら、羊を素材としてしか見れなくさせてやるって言われてまして・・・。」

「いじめっ子か!アイツは!!」

ジェットコースター同様、ユウに脅されていたから。
ちなみにユウはいじめっ子じゃないです。いぢるのが好きなだけです。

「確かに俺は羊好きですけど、そこまで好きにはなりたくないです・・・。」



ホラーNG

絶叫系、メルヘン系などの乗り物系は全却下となってしまった今。残されたアトラクションも、わずかの一握り。

「アリカさん。お化け屋敷なら俺、大丈夫ですよ。」

「それは俺が却下。」

けどそれさえもアリカがパス。

「アリカさん、ホラー苦手でしたっけ?」

「・・・絶対、イブやユウに言うなよ。アイツらに知られたらマジでウザいほどからかって来るから。」

誰にも苦手なことがあるように、彼にだって苦手なことがある。
その中でもホラーは特にダメらしい。

「大丈夫ですよ。もしアリカさんに何かあれば、俺がアリカさんを守りますから。」

「・・・・・・・・・。」

よって、

「パス!まともにジェットコースター乗れない奴が、そういうこと素で言うな!!」

「えぇ!?」

エヴァのフォローがあっても全力でパス。
パンフレットをペーンッと投げつけてまで必死に断った。



小さな小さな動物園

ふとその時、

「動物ふれあい広場・・・?」

パンフレットへ掲載されていたある施設に目がとまる。
そこは身近な動物と触れ合える小さな小さな動物園。

「へえ。遊園地ってアトラクション以外にも、こういう施設あるんだな。」

「アリカさん。ここ行ってみませんか?」

あれもダメ、これもダメ、それもダメでジェットコースター以外のアトラクションを未だに利用してない彼ら。
その案内を見た途端。興味を示したエヴァが、凄く行きたそうにしている。

「行きたい、のか?」

「はい。」

「フリーパス不可だから、自腹になるけどいいのか?」

「はい。」

凄く凄く行きたいそうな目で、アリカを見ていた。

「分かった分かった。そんなに行きたいなら行ってみるか。」

「はいっ!」

ので、そんな彼の表情に負けたのか
微笑しながら了承したアリカ。
エヴァの要望通りに動物ふれあい広場へと向かうこととなった。



ふれあい広場

動物ふれあい広場は園内でも奥の方にあり、歩いて歩いて数分後、ようやくご到着。
今日は日曜日ということもあり自分ら以外にもファミリーやカップル、友達同士で訪れている客が数組いる。
そして身近な動物であるうさぎとモルモットに触れ合っていて、遊具のアトラクションとは違った賑やかさがあった。

「羊いないみたいだな・・・。」

しかしここにはエヴァの好きな羊はいない。
彼が行きたいと言った理由も、きっとそれを期待してたからに違いない。
だから到着して初めて知った案内が、彼の期待ハズレになってしまってないか不安に思ったが、

「アリカさん、うさぎ凄くほわほわです!」

「羊いなくても大丈夫みたいだな・・・。」

そんな不安も心配も一切不要。
スタッフに手渡された小麦色のうさぎを抱っこしていたエヴァは、生まれて初めて体験する感触に凄く驚いていたが凄く幸せそうだった。



ふれあい広場 2

「アリカさん見てください!人参、この子人参食べました!」

「あー、そうだな。うさぎだもんな。そりゃ食うだろ。」

エヴァとうさぎは瞬く間に仲良しに。
無理矢理ジェットコースターに乗せられた時は、あんなに顔色が悪かったのに。今ではうさぎのおかげで、すごくすごく幸せな表情をしている。

「エヴァってホントそういうの好きだよなー・・・。」

「ほわほわしてますから。」

「ほわほわしてたら何でもいいのか?」

けれどアリカは対称的で冷静。いや、エヴァがあまりにも幸せにしているから、正反対に見えるのかもしれない。

「・・・って!そんなんじゃないからな?俺は別に好きでも何でもないっつーか。と、とにかくそういうのじゃないから!勘違いすんなよ。」

「アリカさん、うさぎキライでした?」

自分が言ったセリフを己で否定して必死に誤魔化すが、これでもエヴァよりは冷静。
何でもないとか、好きじゃないとか、そうじゃないとか。
必死に色々と強く言って、エヴァが理解出来てないまま話を終息させる。



遊園地といったら

それからどれぐらい時間が経ったのだろう。
エヴァはまだまだうさぎと仲良くしていたが、アリカは飽きたのか。つまんなそうな顔で暇している。

「なあ・・・、エヴァ。」

「はい?」

「いい加減、何か乗らないか?」

ので、アリカから次の案が。
仲良しな一人と一匹を引き離すのは心苦しいけれど、せっかく遊園地に来たのだ。
おまけだったり無理矢理だったりした二人だったけど、何か一つぐらいは乗りたいと言い出す。

「・・・そう、ですね。せっかくのフリーパスも何も乗らないままは勿体無いですし。」

「まあ、すでに勿体無いかもしれないが0よりはマシだろ。っというわけで、アレに乗ってみないか?」

そして指で示した方向にあったアトラクションは、ここから場所が離れていてもよく見える乗り物。
遊園地と言ったらジェットコースター並みの目玉に匹敵する観覧車だった。

「アレならエヴァも平気だろ?」

「・・・・・・・・・。」



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