っというわけで、アリカの発言により動物ふれあい広場から観覧車へ移動した二人。 順番もあっという間に自分らの番となり、向かい合わせに乗せた二人のゴンドラは、ゆっくりと高く上がって外はいい景色。
「エヴァさーん、ダメだったならダメだって言えよー。」
「・・・ごめんなさい。」
「なんでちゃんと言わなかった?」
なのに一切眺めないどこか、車内の一点を見つめたまま視界を動かさないエヴァ。顔色の雲行きが怪しくなり、さっきまでの幸せだった表情は完全に過去のモノとなった。
「俺のせいでアリカさん、ほとんど乗れていなかったので。なので観覧車ぐらいはと思って・・・。」
「だーかーらー、そういう気づかい要らないって前から言ってるだろ。」
「・・・ご、ごめんなさい。」
観覧車乗りたいって言った時も順番を待っていた間も、エヴァから「いいえ」も「NO」も出なかった。 だからこれなら大丈夫。二人が乗れる唯一のアトラクションが結局ダメで、流石のアリカも怒ってしまう。 もちろん観覧車がダメだったことではなく、それを言わずに黙っていたことに対して強く叱った。
「あ、でも観覧車は他と比べたら、まだマシな方ですよ。今日は風も少ないですし。」
「けど限りなくダメに近いならダメだろ?」
「だ、大丈夫ですよ・・・?今日はホント風も少ないので。」
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