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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.28 ご褒美遊園地の話(前編)(2/5)
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最初はジェットコースター

遊園地に来たら先ずはジェットコースター。
そう考える人は、とても多くいるだろう。

「アリカ、これ乗れる?身長足りる?大丈夫?」

「あのな、俺そこまでチビじゃねえから。アズが乗れるなら俺でもいけるだろうが。全然セーフだろ。」

彼らもその法則に基づいたかのように、さっそくジェットコースター乗り場へ到着。
並んでいた行列に続いて、自分らの番が来るのを待つ。

「え。何言ってんだよアリカ。アリカは俺らから見たらチビだろ?チービ。」

「アリカ。187−165はおいくつですか〜?」

「何でその数字だした!?二人して待ってる間、暇だからって俺で遊ぶのやめろ!」

その間でもイブとユウのオモチャにされるアリカ。
自分のコンプレックスをここぞとばかりにからかわれてしまう。



イブとユウの企み

GW合宿を頑張ったご褒美っと言うわけで、クロスカルテットの四人が連れられて来たのは分かる。
けどアリカはその合宿に参加してなかったどころか関わっておらず、自分の仕事に集中していた。
だから正直、自分がここにいるのは場違い。あまり関係ないのでは?という気持ちが、どうしても拭えない。

「で?二人して何企んでんだ?」

そして今回の遊園地を企画したのはイブとユウの二人と知れば、自分が呼ばれた理由が何なのか、思わず悪い方向で疑ってしまう。

「企んでるって失礼な。今日はヘタレのアリカのために俺とイブが協力しようとしてるんだから、少しは有難く思ってほしいね。」

「なッ!?バカやめろ、そんなこと!前から言ってるだろ!そんなんじゃねえって!」

けれどその予想は的中?
イブもユウもアリカ関連のことで妙なことを企んでおり、今も二人の手のひらの上で踊らされていた。

「じゃイブ。そこのヘタレ任せた。」

「Yes!任せてくださ〜いユウ♪」

それはもう息がピッタリすぎるほど、事が二人の思惑通りに進んでいく。
アリカが必死に止める声すらも届かず、無駄な抵抗となってしまうほど・・・。

「やめろ!アイツまで巻き込むなー!!」



イブとユウの企み 2

ユウにアリカのことを任されたイブは、そちらも気にしつつ、アリカが逃げないように逃さないように挑発を続けた。

「Hey、アリカ。『吊り橋効果』って、ご存知デスか〜?」

「は?」

「ジェットコースターと、とってーもピッタリだと思いませんか?」

吊り橋効果とは、危険によるドキドキを感じると、恋愛感情によるドキドキと勘違いして恋に落ちると言う効果のこと。
それをここ、ジェットコースターで致そうとしているのだろうか。

「だから違うって何回言わせんだ!いい加減にしろ!」

「なら是非、NOである証拠を示してクダサーイ。」

こうしている間もジェットコースターの順番は順々に進み、もうじき自分らの番がやって来る。



イブとユウの企み 3

それはもちろん一緒にいるクロスカルテットの四人も一緒。
けど、

「ごめん。俺、やっぱ乗るのやめておく。」

「え!?エヴァ乗らないの!?」

「そこらへんで待ってるから、皆で行って来なよ。」

その輪から一人抜け出そうとしているエヴァ。
ジェットコースターと決まった時からあまり顔色が良くなく、ここまで来ておいて改めて乗車を拒否した。

「まあ仕方ないか。エヴァ、こういうのダメだって言ってたし。」

「そうなんだ。ボク初めて知ったよ。」

しかし、その時。

「!」

イブ・アリカの元から離れたユウがエヴァの前に立ちはだかり、ワザとぶつかってまで行く手を遮った。

「・・・・・・・・・。」

「え。」



イブとユウの企み 4

「おい。何勝手にどっか行こうとしてんだ。」

ジェットコースターの列から逸れようとするエヴァを止めるユウ。

「お前が抜けたら誰か省けになるだろ。空気読めバカ。」

「え、あ、いや。だけど俺・・・っ!」

彼に弱味を握られたら最後。
それは拒否を拒否るように。
嫌がるエヴァの耳元でこう囁く。

「そんなに『真の羊好き』になりたい?」

「・・・・・・・・・・・・。」

その時のユウの表情はすっごくイキイキとしていて、それを目の前で見たエヴァは恐ろしさのあまり返す反論をなくす。
それはジェットコースターよりも嫌なのか。
エヴァはこの列から抜け出すことが出来ず、ユウに連れられて行く。



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