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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.25 GW合宿の話 (4)(1/4)
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後半 二日目の出来事

それはGW合宿後半戦、二日目に起きた。

「どうしたの?急に呼び出して。」

レッスンの休憩中。エーチがこっそりと、皆の目を盗んで志摩を呼び出す。
その時点で志摩は嫌な予感がしていたが、それは物の見事に的中してしまい、エーチから語られる。

「志摩ちゃん。オレ、降りてもいい・・・かな。」

「え?」

リライトの新曲のバックダンサーを賭けたこの椅子取りゲームから降りたい、と。自らの口で放った。

「・・・・・・・・・。」

「・・・エーチ。」



自分よりも

「どうして?」

予感していたとは言え、簡単に頷くわけにはいかない。
エーチだって、この合宿が始まってから今まで頑張っていたんだ。
そんな彼がどうしてこんなことを言い出して来たのか。
志摩はその理由を聞き出す。

「キィちゃんは始めから凄いし、エヴァも結構やってるし、アズだってやっと成果に繋がったのに、なのにオレは・・・。」

「そんなことないよ。エーチだって三人に負けずに、ちゃんとやれてるよ。」

「でもリライトのバックダンサーに選ばれるのって、オレたちの中で二人だけでしょ?」

それはエーチが今まで不調だった原因の種だったのもしれない。
覚えられた振り付けが曖昧だったり自信なかったり、思えば彼が抱えていた不安が見え隠れしていた。

「だからオレよりも、オレ以外の三人から選んでほしくて。」

仲間を思う分、本領が発揮出来なかったのかもしれない。



一人も欠けてほしくない理由

「だからってエーチが降りる必要なんてないよ。」

GW合宿は前回の合宿と違い、普段から仲の良い彼らに設けられた争いの場だ。
それは小さな小さなこととは言え、一つ亀裂が入れば元に戻せなくなってしまい取り返しがつかないことになってしまう恐れがある。
だってリライトの新曲のバックダンサーに選ばれるのは四人のうち二人だけ。
引かれた側の二人を思うと、どうしても・・・。

「エーチだって皆だってこの連休中、ずっと頑張っていたじゃないか。」

「志摩ちゃん・・・。」

「俺は四人のうち誰かじゃなくて、四人に務めてほしい。だってクロスカルテットは四人でクロスカルテットなんだから。」

志摩はそれが不安だったから、平行線になりかけても諦めずに真昼と交渉しようとしていた。



平行線の話し合い

エーチの気持ちを知った以上、もう引き下がるわけにはいかない。

「真昼さん。今、いいですか?」

「・・・・・・!」

だからもう一度、真昼と話し合おうとした。
前半戦の頃からずっとずっと平行線にされてきたけど、もう残りは明日だけ。
志摩は自分が諦めることを諦めずに、後ろからエーチに見守られながら、再び交渉しようとした。
けど、

「Hey!まひるーん、ちょっといいデスか〜?」

後半戦になってからか。
この話をすると必ずリライトの二人が割って入るかのように真昼を呼ぶんだ。まるで彼を援護するかのように。

「ごめんなさい、真島さん。イブが呼んでいるので。」

「・・・ぁ。」

すると案の定、真昼はイブの方へと向かおうとする。
それでは交渉どころかロクに話も出来やしない。
そんな焦る気持ちが志摩を動かしー・・・。



交わらせる話し合い

「待って下さい、真昼さん!」

「ッ!」

志摩が真昼の腕を掴んで壁際に追い詰める。
逃げられないように、手を壁に突いてまで・・・。

「話を!俺の話を聞いて下さい!」

年下の上司相手に何やらかしてるのだろう。
その一瞬でイブとユウも顔の色を変えた気がしたが、それにすら構ってる余裕もなかった。
すると、その時ー・・・。

「まひるーん。休憩そろそろおしまいじゃないの?アズが冷めないうちにって、アレ?何してー・・・。」

向こうの部屋からキィがやって来る。



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