「どうして?」
予感していたとは言え、簡単に頷くわけにはいかない。 エーチだって、この合宿が始まってから今まで頑張っていたんだ。 そんな彼がどうしてこんなことを言い出して来たのか。 志摩はその理由を聞き出す。
「キィちゃんは始めから凄いし、エヴァも結構やってるし、アズだってやっと成果に繋がったのに、なのにオレは・・・。」
「そんなことないよ。エーチだって三人に負けずに、ちゃんとやれてるよ。」
「でもリライトのバックダンサーに選ばれるのって、オレたちの中で二人だけでしょ?」
それはエーチが今まで不調だった原因の種だったのもしれない。 覚えられた振り付けが曖昧だったり自信なかったり、思えば彼が抱えていた不安が見え隠れしていた。
「だからオレよりも、オレ以外の三人から選んでほしくて。」
仲間を思う分、本領が発揮出来なかったのかもしれない。
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