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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.21 冷徹サド眼鏡青年の話(2/2)
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アリカの答え

「どう?このとっておきなチラリズム。自家発電のお供にピッタリで最高でしょ?」

「消せ!今すぐに消せ!!」

「にしても悲しいよね。こんな憐れのない姿、撮られてるっていうのに全部イージー。難易度低すぎて逆に俺が萎えた。」

真っ赤な顔で必死になってるアリカと、そんな彼を見ても顔色一つ変えないユウ。
正に対称的な色を示している。

「アイツらマジで大丈夫?騙されちゃう前に先に騙した方が勉強にもなってよくない?面白そうだから協力しようか?」

「そんなことしたらリライト潰すからな。ってか、そんなんじゃねえって前から言ってんだろ!」

けどユウの取引は平行のまま。アリカは応じるのか応じないのか、答えをハッキリさせない。



一致すればお互いに幸せ

「で?買うの、買わないの?どっち。」

「・・・・・・。」

いつまでも答えないアリカ。
イエスでもなければノーでもない曖昧な態度を続けていた。
ユウはそんな彼に残念なため息を吐き、過ぎていく時間が無限ではないことを知らせる。

「要らないなら別にいいんだけどね。他に高値で買ってくれそうな人に売り付けるだけだから。」

「待て待て待て待て!誰も要らないなんて言ってないだろ・・・ッ!」

そして挑発までして上手に焦りを誘いながら脅す。
すると必死なアリカが見事なまでに乗ってきて作戦大成功。

「買えばいいんだろ、買えば。」

「そんな言い方じゃ売ってあげれないな〜。」

あんなに渋っていたのが嘘かのように、その取引をスッと承諾。

「・・・カワセテクダサイ、オネガイシマス。」

「はいはい、良くできました。アリカちゃんはお利口さんだね。」

「うっせぇ!!」

これにて二人の意見は一つに一致。
アリカは写真をゲットして幸せ。
ユウは小遣い荒稼ぎ出来て幸せ。
お互いWIN―WINに交渉が成立し、ハッピーエンドに幕を閉じた。



購入理由

「データ諸々、全部寄越してから全部消せ。」

「それは倍額サービスで承っております。」

「払えばいいんだろ、払えば!」

「お買い上げ有難うございます!やっぱカモリカさんは違うな〜♪あ、足りない分は今日中に俺の口座に振り込んでおいてね。」

「誰がカモリカだ!!」

アリカとユウ、二人はお互いが望んだ通りに取引成功。
求めたモノが、それぞれの手に渡った。

「・・・必死だね。」

「だーかーらー、そんなんじゃねえから!いくらなんでもそんな風に悪用されたら、アイツだって嫌に決まってるだろ!」

「自分は悪用するくせに?」

「しねえっつーの!!」

そして今はこの二人しかいないことをいいことに、ぶっちゃけた話をぶちまける。



ぶっちゃけトーク

「いい加減、認めたら?・・・好きだって。」

「だ、だから違ー・・・っ!」

ここでも二人の顔色は正反対。
いや?片方が必死すぎているから、そう見えるのかもしれない。

「お、俺は別に?アイツのことなんて?好きでも何でもないし。」

「ふーん。じゃあ嫌いなんだ?」

「・・・・・・・・・。」

「アリカって本当、分かりやすい性格してるよね〜。」

「煩い!だからそんなんじゃねえってば!」

何故なら、ユウの色はずっと変わらず無関心。
アリカの反応で遊んでイキイキとしていたが、アリカのそれはどうでもいいようだ。



ユウの目的

「あ、そうだ。ちょっと前に帰ってく志摩チャンに、アズの見せたら喜んで全部買っていったよ。」

「は?」

「めちゃくちゃ感謝もされた。売っておいてアレだけど、給料日まだ先なのに大丈夫かな。こっちとしては新しいカモ出来てラッキーだけど。」

「何やってんだよ、あの人・・・」

自分の手に渡った札の束。
ひーふーみーっと一枚ずつ丁寧に数え、懐の財布にしまう。

「まあ、そんなこともどうでもいいけどね。おかげさまの様々で欲しかった水槽買えそうだし。」

「お前、本当サイテーだな。」

そしてそれらは全て彼の趣味の為に使うお金へと化していく。



冷徹サドの眼鏡青年

「さてと。じゃあ次はアリカの番だね。」

「はい?」

そこでユウの荒稼ぎが終了かと思いきや、本人はもう一稼ぎしたかったようだ。
今は自分とアリカの二人しかいないこの都合を利用して、ピンッと閃いて企てる。

「だってまだ撮ってないのアリカだけだし。ホラ、一人だけ仲間外れってやっぱ良くないし。」

「やめろバカ!俺の上に乗んじゃねーーー!!!」

そして行動に移す早さはあっという間の瞬間。
ソファーに座っていたアリカに言い寄って迫るユウ。
被写体の彼を逃さないよう上に跨がって乗り、パシャパシャとスマートフォンのカメラで撮影を勝手に開始。もちろんフラッシュも気にせず構わず、強い光まで当てまくる。

「大丈夫、大丈夫。前もアリカが一番売れたから今回もきっといけるって。やっぱ世界を目指すアリカさんは違うな〜。」

「はァ!?前っていつだ!いつ撮った?いつ売った?勝手に人をお前の小遣い稼ぎに使うんじゃねー!!!」

掛けてる眼鏡が逆境していたが、なんだかすごくイキイキとしていた。



鬼の肘鉄

その時、だった。

「いい加減にしましょうね、ユウ。」

「!」

「まったく・・・。目を離したら、直ぐコレなんですから。」

ユウの企みのせいでアリカのピンチに訪れた救世主?
彼は二人の話をどこから耳にしていたのだろうか。
いつの間にか事務所に戻っていた真昼が、二人の元にやって来てユウの頭上に、容赦ない鬼の肘鉄をゴンッと落とした。
その必殺級の一撃でユウは撃沈。キュ〜・・・と目をグルグル回す。
おかげで持ち運びしやすかったのか。
真昼にヒョイと簡単に抱えられて、アリカからユウを退かした。

「ごめんなさいアリカ。ユウが何か迷惑かけていたみたいで。起きたらちゃんと叱っておきますから。」

「あ、いや、その・・・。」

「では僕らはこれで帰りますので、アリカも取材気を付けて行って来てくださいね。」

「まひるんもお疲れ様・・・でした。」

その様子は、さすがリライトの専属プロデューサー・まひるんっと言ったところ?ユウへの扱いが慣れてるのか雑なのか。
二人は呆然としてるアリカに見送られながら事務所を後にし帰って行った。



複雑な気持ち

まひるんが来てからユウ連れて帰るまでのやり取りはあっという間。
突然現れて去った救世主にありがとうだったのか、恐ろしかったのか。その気持ちの天秤で揺れていたせいでアリカは呆然としていた。

「・・・・・・・・・。」

けど次第にゆっくりと我へ返り、今この場には自分しかいないことをキョロキョロ確認してから、買わされた映像を一人で静かに眺める。

「・・・・・・・・・。」

買わされたとは言え、あの値段で売られただけはあったが、これは何というかー・・・。撮った方も撮った方だが、撮られた方の撮られた方だ。

「・・・・・・・・・。」

ラッキーだったのか、そうじゃないのか。
微妙で複雑な気持ちがアリカの中に自己嫌悪を生ませ落ち込まさせた。

(・・・何やってんだろうな、俺。)



背後からこんにちは

その時、

「ユウ先輩、まひるんともう帰っちゃった?」

「どわッ!?」

背後から話しかけられた声に、ビックリ驚いたアリカ。
振り向くとそこにはエーチがいて、大敵な油断を突かれて異常な反応を示す。

「さっきユウ先輩にいっぱい写真撮られて、何だったんだろう?ってエヴァと話してて。」

「・・・・・・。」

「気になってユウ先輩追ってたらアリカ先輩と話してたから。だからアリカ先輩ならユウ先輩が何してたのか分かるかなって思って。」

「・・・・・・見た?」

「何を?」



勝てなった罪悪感

あれからもユウの行動が気になっていたエーチだったが、アリカはそれどころではない。
慌てて自分の携帯電話を隠したが、エーチにどこから見られていたのか。注意深く(?)確認したが、

「いや。見てないなら、いいんだ。何も聞いてないならそれでいい。」

「え?え?何、何?何を?何のこと?」

「いやいや、何でもない。ほんと、何でもないから。」

『見てない』『聞いてない』と言われても安堵の息を吐けなかった彼。

「ごめん、エーチ。マジでごめん・・・。」

「え?え?え!?だから何が?何のこと!?何でいきなりアリカ先輩が謝ってるの!?」

自己嫌悪に囚われたまま、謝罪を繰り返す。
そしてこの罪悪感にすら勝てなかったようで、あんな高額で買わされたのに取材先に向かう車内で、誰にも見つからないうちに消したのでした・・・。



『CRO×QUAR』第21話を
読んでいただきありがとうございます!

今回はリライトのユウが主役のお話でした
ユウはクールというよりも冷めた性格なので
表情を動かしにくいというより下手に動かせれない
ニッコリ笑うことがあるとしたら、それはきっと
誰かをイジってる時ぐらいじゃないでしょうか

そして、ここでもユウのカップリングの話を・・・
彼は冷徹なSっ子だから基本は左側?
(コイツの右側が私の妄想では不可能なので)
ドまでいかないSなので、逆にタチが悪いかもしれません


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