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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.16 志摩とアズの二人の話(2/3)
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デパート到着

事務所から車を走らせて数分後。
ようやく目的地のデパートへと到着した。
一階は主に食品売り場。
二階は主に女性用の衣装売り場。
三階は主に男性用の衣装売り場。
四階は主に家具や玩具売り場。
屋上にはキッズアイランドもある極々、普通のデパート。

「アズ。どの階に行くの?」

「とりあえず一階から?」

「え!?」

「真っ直ぐ向かってもいいんだけど、それだと直ぐに終わっちゃうし。」

(どうしよう。俺、まだ勤務中なんだけど・・・、まぁいっか。アズとのデート優先で!)

アズの要望に逆らわない志摩。
彼の暇つぶしにも付き合うことにし、ゆっくり買い物を楽しむ。



一階 食品売り場

お昼過ぎの時間帯のおかげか。
一階の食品売り場は、まだそれほど混雑はしていない。
けれど夕方からのセールに向けて、準備や支度が着々と進められており、お総菜コーナーから美味しい匂いが漂う。

「ん〜、いい匂い♪お腹空いてきちゃうね。」

「そうだね。何か食べる?よかったら買うよ。」

「ううん。まだ後にしたいかも。」

「そっか。」

今日の晩御飯は何にしようかな。
そんなことを考えながら、ゆっくりと進む。

「アズの好きな食べ物って何?」

「カレーかな。すんっごい辛いカレーも食べられるよ!人参たくさんでもグリーンとか10ぐらい辛くても平気。」

「マジで!?意外だね?」

「うん。それよく言われるよ。」



四階 家電売り場

それから二階三階四階まで上がっていき、

「そうだった!」

ふと何かを思い出すアズ。

「ん?」

とててと走って向かったのは、家電売り場にあった時計コーナー。

「目覚まし時計、強く叩きすぎちゃって一個壊しちゃったの。だからまた新しいの買わないと。」

「全部でいくつ目覚まし時計あるの?」

「えいちゃんから誕プレで貰ったのを合わせたら4つだよ。ご臨終分も数えたら二桁余裕でいっちゃうけど。」

「マジで!?」

「寝ぼけてると力の加減って出来なくて。ついついベシベシ強く叩いちゃうから、あっという間に壊しちゃうの。だからえいちゃんに貰ったものだけは壊さないよう大事大事に使ってるよ。」

アズの目当ての物ではなかったが、1280円で売られていた目覚まし時計を一つ購入。
本当は志摩が買ってあげたかったのに、壊れていい用の時計が欲しかったということで断られてしまった。・・・残念。



五階 家具や玩具売り場

「はい、しまちゃん。この中から好きなの選んで。」

どうやらアズがデパートに来た目的の場所に到着したようだ。
家具の小物売り場に入って行き、数多く並ぶマグカップのコーナーで立ち止まる。

「え?」

不思議に首を傾げていると、アズはニコニコとした顔で答えてくれた。

「この中からしまちゃんが気に入ったマグカップをプレゼントしたいなぁって思って。ほら、しまちゃんもうじき誕生日なんでしょ?」

「!!」

それはそれは作者も忘れていた話。

「きぃちゃんから教えてもらったんだ。でも1000円範囲で買えるのって、これぐらいしか思いつかなくて。」

志摩の誕生日がもうじきなことをキィから聞き、自分の小遣いで買えるマグカップをプレゼントしたいとのこと。
そして皆と被らないようにと、先手必勝の戦法で志摩を連れ出したようだ。
もちろんそんな話を、アズから聞かされた志摩は、

(生まれてきてよかった・・・!)

至極な幸せを感じ、オーバーなリアクションをしてしまうのも無理がないだろう。



アズから志摩へ

赤に青に黄色に緑。
白に黒にピンクに紫に水色などなど。
デパートに来ただけあって、形も色も豊富なマグカップ。

「どれにする?しまちゃん。」

「待って!すごく待って!」

その中から一つ。アズからプレゼントをされるのだ。
この上ないほど悩みに悩め、買い物時間に時間をかける。

(うぉぉーッ!マジでこれどうしよう!?)

ただのマグカップ。
されどマグカップ。
一つのマグカップを選ぶだけなのに、これほど時間かけたのは生涯でもこの時だけだろう。



しまのマグカップ

「・・・アズならどれにする?」

結局、自分で選べなかった志摩は図々しくもアズの意見を参考に。

「ボクなら、このしましまかな?黒と白のやつ。しまちゃんにピッタリじゃない?しましまだけに。」

「・・・・・・。」

でもそれはあまり頷けれないようだ。
『ましましま』だから『しましまなマグカップ』がピッタリと言うのは、なんか嫌。頷きたくない。

「あれ?イヤ?しまちゃん。」

けどアズが数ある中から選んでくれたマグカップ。
自分にピッタリだと言ってくれたマグカップ。

「それにしますッ!」

「じゃあ、このしましまなマグカップ買ってくるね。」

その補正効果は、どんなマイナス思考も打ち消す。
悩んだ時間はほんの一瞬。ほぼ即決に近かった・・・。



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