≪ top ≪ main

CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
はじめから読むページから読むしおりから読む


Act.10 クロカル初合宿の話(後編)(2/3)
]  [目次へ]  [

制裁執行

そんな志摩に、グーのパンチが炸裂。

「い゛っ!?」

待ちに待ったはず(?)のツッコミなのに、そのグーパンには加減なんてものはなかった。
もちろん志摩を殴ったのは、

「そこまでにしようか?志摩くん。」

「「「てっちゃん!」」」

「あ、兄貴・・・。」

志摩の兄であり上司でもあり、クロスカルテットのプロデューサーでもある徹夜。
今の話をどこから聞いていたのだろう。

「アズもエヴァも気を悪くさせてごめんね?今この変態を始末するから、ちょっとだけ待っててね。」

「ちょ、兄きッ・・・ぐふっ!ギャーッ。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいいいいいい!!!」

ニコニコと顔は笑っているのに、殴られる拳には静かな怒りで満ちている。
そして容赦なく不純な弟に制裁を執行したのでした。



徹夜ようやく到着

焼きを入れられボロボロになった志摩は(作者側からの制裁として)、そのままクズゴミのように放置される。
そんなことよりようやく合宿二日目にて。南浦家、キィの別荘に到着した徹夜。

「てっちゃん、おそーい!」

「おはようございます!てっちゃん、皆待ってたよー!」

「いつもだけど遅くなって本当にごめんね。どうだった?皆で初めての寝泊まり合宿は。」

まずは遅れてしまったことに謝罪を。
そして志摩を椅子にしてドシッと体重掛けて座り、合宿の成果を聞き出す。
「稽古きつかった」とか「楽しかった」とか。それぞれの感想を一人ずつ聞いて「そっかー」と笑顔で返す。
その間、徹夜はもちろんのこと。クロスカルテットの四人も放置させた志摩に誰一人触れることはなかった。



お酒を飲んだら

「そういえばてっちゃん。もうお酒はいいの?昨日遅くまで飲んでたんじゃ?」

「あれ?エーチこの話、聞いてたんだ?」

徹夜が遅くなってしまった理由。
その話を唯一知っていたエーチは、気になったことを尋ねる。

「もちろんまだ残ってるよ。流石にまひるんほどの回復力ないし。」

「え!?じ、じゃあどうやってここに!?タクシー?」

「普通に会社の車だけど?」

「「「「!?」」」」

けろっとした口調で話すのも、徹夜にまだお酒が残っているせい?
ボロッと出てしまった言葉は飲酒運転を疑う台詞だった。



お酒を飲むなら

「ああ。そういうことは僕でもしないから安心して。『飲んだら乗るな、乗るなら飲むな』だからね〜。」

けれど本人の口から、それはやっていないと、緩い口調のまま主張。
流石の徹夜でも、人の道から外れるようなことはしないようだ。
それはそれで一安心。

「え?え?じゃあどうやって?」

さらに気になったエーチは、もっと詳しい話を聞き出す。

「アリカに運転してもらっただけだよ。」

「え?アリカ先輩?来てるの!?」

「でも今回ので誓うよ。いくら付き合いだったとはいえ朝まで残るほど飲むのは自重しようって。アリカの初心者運転、死ぬかと思った・・・っ。」

「人に無理矢理運転させといて文句言うなーーーッ!!!」

するとアリカは本当に徹夜に連れて来られたようだ。
自分の運転具合をボロクソに言われたのを聞いていたのか。
いきなり突然、前触れもなく怒りを露わにして現れた。



アリカも到着

「おー!アリカひっさしぶりー♪」

「おう。キィちゃんも相変わらずだな。けどちゃんと『先輩』付けろ?俺はいいけどさ、中にはそういうの気にする人いるから。」

徹夜に続いてアリカもキィの別荘に到着。

「あれ?エヴァは?何処行ったんだ、アイツ。まだアイツだけ帰ってないだろ?」

「エヴァならキッチン行っちゃったよ。でもアリカ先輩まで来てくれるって思ってなかったからビックリした。」

「まさか運転させられるとは思ってなかったけどな。」

「あー・・・うん。おかげさまで僕、別の意味でも酔ってて、すごく気持ち悪い。」

「だーかーらー。人に無理矢理運転させといて文句言うなって。」

どうやら今日はアリカ自身がオフらしく、ついでに後輩のクロスカルテットの様子を見学しに来たようだ。



まだ酔ってるせいです

そんな微妙な空気が漂う中、

「徹夜さん。あの、よければこれでも少し・・・。」

いつの間にか席から離れていたエヴァが戻ってくる。
まだお酒が残ってる徹夜に、しじみの味噌汁を別荘のキッチンで作っていたようだ。

「うん。ありがとう、エヴァ。」

そんなエヴァの味噌汁を飲んで一息つく徹夜。

「・・・うん。弟がごめんねエヴァ。そうだよね。エヴァがそういうこと出来るわけないもんね。」

「え?何をですか?」

まだお酒に酔っているのか。
まだ車に酔っているのか。
口走る暴走が止まらない。止まらない。止まってない。

「だってエヴァは寝ー・・・。」

「てっさん。その手の話、止めてくんねぇ?胸糞悪いわ。」

けどとんでもないことを言う前に、アリカが止めに入り強制終了させたのでした。



凍りつく空気

するとまた徹夜は、とんでもないことを口走る。
それはまだまだ放置中だった志摩への制裁の続き。

「あ、でも気を付けてね。志摩くんオス喰い狼だから♪」

「「「「「「!?」」」」」」

志摩の性癖をぶっちゃけカミングアウト。
漂っていた空気が一気に冷たく凍りついたのだった。

(ギャー!いきなりなんてこと言うの!このクソ兄貴ーーー!!!)



それぞれの反応

『志摩はオス喰い狼』
それを聞いたクロスカルテットのそれぞれの反応。

「・・・え!?」

エヴァは少し理解が出来たようだ?
でもそんなまさかという疑った目で志摩を見る。

「え?え?オス?え?狼???」

エーチは少しも理解出来なかったようだ。
ちんぷんかんぷんと、アホ毛の形もクエスチョンマークになるほど混乱していた。

「えー。しましまちゃん、そっち系ありなの〜?」

キィはやっぱり理解していた模様。
凄く嬉しそうな顏で興味津々と好奇心を旺盛にさせる。

「ふぁぁああー・・・。」

そしてアズは大きな大きな欠伸をしてそっちのけ。
眠たくて、話自体を聞いていなかったようだ。
彼が一番危ないと言うのに・・・。



ここまでが制裁でした

「最低だな。」

そして決め手はアリカの痛恨な一言。
言葉の凶器が思いっきり胸にグサリと刺さる。

「うぅぅ・・・。」

少しずつ積み上げてきた信頼も信用も、全てを失った瞬間。
これにて主人公(笑)である志摩への制裁は終了。
しかし彼にとって失ったものが大きすぎるお仕置きだった。

「あはははー。凄く面白かったよ志摩くん。いやぁ、愉快愉快♪」

「このクソ兄貴ーーーー!!!!」



]  [目次へ]  [
しおりを挟む



BL♂GARDEN♂BL至上主義♂
2015.05start Copyright ちま Rights Reserved.
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -