アリカとエヴァの2人の出会い。 遡る月日は1年前の春。入学式が終わって4月が終わる頃のこと。 当時のアリカは3年生、エヴァは1年生。どちらも栗ノ木高校に通う男子生徒。 この頃からアリカは自身の音楽活動に熱を入れており、学業よりもそっちを大優先にしていた。 だから成績はボロボロ。定期テストなんて赤点の常習犯。 授業どころか学校すら登校せずサボってばっかだったから、生徒指導の教員には追いかけ回され、教頭先生には怒られる始末。卒業の頃には出席日数がかなりギリギリだったとか。 そんな学校生活だったが友達関係は良かった方? 男女共に友達と呼べる仲の良い奴がいたが、類は友を呼ぶという諺があるように。アリカの友人も男はチャラく、女はギャルく。模倣に出来る生徒は誰一人いなかった。 そしてある日の昼休み。
『キャハハハ!1学期からさっそく補習受けるなんて流石ありか!ばーか、ばーか。』
『うっせえ!俺をバカにする暇があんなら、担任が寄越してきた大量のプリント手伝えよ〜!』
『ヤでーす。』
『応援はしてあげるから、さっさと片せよ。』
友人と戯れながら学校の図書室で補習の課題をやっていたが、アリカも含めて全員大はしゃぎ。『図書室では静かに』というルールもガン無視。大きな声で喋ってばっかりで、机に座ってる者も多くいる。 普通に図書室を利用してる生徒から迷惑そうな視線を向けられたが、彼らが3年生というのもあって下級生は勿論、同級生も自身の受験や就職活動の大事な時期で、彼らと関わりたくないから誰も注意出来ずにいた。
|