今日は普通に、何の変哲もない平日だ。 エヴァも栗ノ木高の学ラン(制服)姿でいるから、きっとこれから学校へと向かうのだろう。 けれどその前に、なぜ朝からここへ? この疑問に何も見当が付かなくて、ちんぷんかんぷんな志摩。 でもエヴァはそれに構わず持っていた鞄から、ある物を取り出す。
「志摩さん、よければコレを。」
なんとそれは1つのお弁当箱。 ハイとニッコリした顔でエヴァから手渡され、思わぬ出来事が重なりに重なって志摩は驚きが隠せない。
「え!?これって、ひょっとしてお弁当!?もしかしてエヴァ、作ってきてくれたの!?」
「はい。今日の昼休憩の時にでも食べて下さい。なるべく志摩さんが嫌いなモノは入れないようにしましたから。」
「わぁ〜、ありがとう!今日も行く途中にコンビニ寄って、昼メシ買おうとしてたから凄く助かるよ。」
「駄目ですよ、志摩さん。確かにコンビニは便利ですけど、そればかりでは。体が資本なんですから気を付けて下さいね・・・って。以前、自分のこと見れてなかった俺が言うのもアレですが、志摩さんの体調が崩れたら俺らも困りますから。」
エヴァは何気ない会話の中から志摩の最近の食生活を知り、心配に思っていた模様。 だからお弁当を作ってくれたのは嬉しいが、年下の男の子に世話を焼かせてしまい、なんだか面目なくなる志摩だった。
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