そして徹夜が組んだスケジュールの予定通り、稽古の時間となり、稽古の先生方もキィの別荘へ招かれる。 いつも通りのレッスン内容が一つとなり、濃くて厳しい特訓の長い時間が始まった。
「まだまだそんなんじゃデビューは遠いよ!」
「全然成長してないじゃないか!」
どの先生もメンバー一人ずつに、キツく叱って当たっている。
「もう一度、お願いしますッ!」
真剣だったからこそ、叱られる言葉が強かった。 真剣だったからこそ、叱られる意味を履き違えなかった。 そんな皆を、ただ見ているだけの傍観者な志摩。 椅子にも掛けずに突っ立ったまま『頑張れ、頑張れ』と心の声で応援をし続ける。 この瞬間すらも、彼らクロスカルテットとしての夢の続きの道のりだった。
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