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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.8 クロカル初合宿の話(前編)(1/3)
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稽古合宿

学校が週休二日制の現代。
今週は週末の土曜日から翌日の日曜日まで、泊りがけで稽古合宿を行うことになったクロスカルテットのメンバー。
けれど事務所から出せられる費用があまりないため、南浦家の別荘が合宿場所となった。

「おー♪見えてきたきた。マシマシちゃん、そこそこ。そこ左に入って。」

「ま、マシマシちゃん???」

運転手は徹夜の補佐、志摩。
ナビゲーターとして助手席はキィ。
他、エーチ、アズ、エヴァの三人は後部座席に乗り、現地へと向かっていた。



ブルジョア南浦家

自然が豊かな環境。
街中より離れているが、それほど山奥でもない場所に南浦家の別荘が建っていた。

「はーい、とうちゃーく!」

「「「・・・・・・。」」」

「はいはいはーい。遠慮せずに好きに使ってくれたまえ〜♪」

「「「・・・・・・。」」」

それはもう自分の予想をはるかに超えたスケール。
イタリアン仕様にこだわった最高級な別荘。
中も外も大変お洒落な建物で、ぐうの音も出ない。

(ブルジョワってすげぇー・・・。)

こんな贅沢すぎる場所を快く貸して頂いたキィのご家族には本当、感謝してもしきれない。



テンションマックス

とりあえず荷物を各自、割り当てた個室部屋に置き行かせ、一番大きな部屋に再び集合をかける。
そして第一回目の稽古合宿の内容を、クロスカルテットの皆に志摩が言い渡す。

「・・・あ、そうだ。ちなみに兄貴は、こっちに来られるのが夜になるそうだ。稽古してくれる先生も来訪してくれるようスケジュール組んでいるようだから、皆しっかり練習していこうな。」

しかし、

「イエーイ!合宿、合宿ーーーッ!!!」

「イエーイ、イエーイ!!」

賑やか組というか喧しい組のキィとエーチが、いつにもましてテンションがマックス状態。
非常に賑やかで煩く喧しく、人の話をちゃんと聞いてくれているのか少し不安になった。



厳しい特訓

そして徹夜が組んだスケジュールの予定通り、稽古の時間となり、稽古の先生方もキィの別荘へ招かれる。
いつも通りのレッスン内容が一つとなり、濃くて厳しい特訓の長い時間が始まった。

「まだまだそんなんじゃデビューは遠いよ!」

「全然成長してないじゃないか!」

どの先生もメンバー一人ずつに、キツく叱って当たっている。

「もう一度、お願いしますッ!」

真剣だったからこそ、叱られる言葉が強かった。
真剣だったからこそ、叱られる意味を履き違えなかった。
そんな皆を、ただ見ているだけの傍観者な志摩。
椅子にも掛けずに突っ立ったまま『頑張れ、頑張れ』と心の声で応援をし続ける。
この瞬間すらも、彼らクロスカルテットとしての夢の続きの道のりだった。



元気印のキィ



それから数時間後。
ようやく今日の稽古が終わり、稽古をつけてくれた先生にお礼を言い帰って行く姿を見送る。
結局、出来なかったところは明日の稽古までの課題に。
そして外はいつの間にか日が暮れており、夜になっていた。

「ハーイ!みんな、注目ーッ!!!」

「・・・え?」

あれだけ練習して、あれだけ叱られて。あまり空気がよくない中、唯一キィが元気なまま。
テンションは別荘に訪れた時と変わらず、いたって高いまま、皆の視線を自分に集中させる。

「今日の晩御飯は、なんとまだ用意されてませーん!なのでこれから僕らでクッキングバトルをしたいと思いまーす!」

「はァ!?今から!?」

そして勝手にクッキングバトルを開催させたのでした。

「ちなみに審査員、しましまちゃんね。」

ルールは簡単。
これからクロスカルテットのメンバー四人が、それぞれ一人ずつ『今日の晩御飯』を作るだけ。

「俺でいいの?」

「だって他にいないじゃん。てっちゃんまだ来てないしさ。だから一番おいしかった人を選んで!」

審査員は志摩一人のみ。
さてこの勝負、誰が勝つのかな?



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