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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.59 志摩とリライトたちのお話(1/6)
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夕方の8月終わり頃

今年の夏も酷暑となり、もうじき8月も終わるというのに茹だるような残暑が続く日々。
熱中症で倒れた人の数も多く、注意喚起が毎日のようにニュースで報道されていた。
今日もそんな暑い日となった夕方頃。

「Hey,アリカ。相も変わらずスモールボーイデスね。」

「やーい。チビ助アリカ〜。」

「うっせぇ!来て早々、俺で遊ぶな!!」

事務所でアリカと出会したリライトのイブとユウ。
自分らもこれからスタジオに向かうこととなっているが、それまでちょっと時間あって暇な為、間にアリカを挟んで退屈潰しに遊んでいた。

「ところでアリカ。エヴァとのサマーアバンチュール、出来ました?」

「出来るわけないっしょ?ヘタレのアリちゃんに。」

「だからそれに関しても余計な口出しすんなって。」

クロスカルテットはオフ日だから今日いないけど、リライト2人とアリカ1人のおかげ?で、あの4人とは違った賑やかさがあった。



海旅行の後遺症?

その時、アリカと志摩、一瞬だけぶつかった視線。

(あ。)

けど海旅行の一件をまだ後引いているのか、あっという間にパッと逸らされてしまう。
そんな明らかな彼の様子に心が悲しくなる志摩。

(うぅぅ・・・。これは、さすがにグサッとくる。)

なんとかアリカに弁解?挽回?を試みたいところだが、ソロで活動してるのにアリカが1人だけになることはなく、なかなか機会に恵まれない。
だから遠くで彼らを見てることしか出来なかった。
けどおかげで、気付けたことも1つ。

(今日もリライトにいじられてるアリカだけど、真昼さん。こういうとき何も言わないんだな。)

アリカがリライト2人に遊ばれているのに(主に低身長やエヴァとのことで)、遠くにいる真昼は見て見ぬフリをして放置中。
間に入って注意しなくて大丈夫なのかな?と、たまに心配になってくる。
確かにリライトのが年上だけど、活動歴や売上げ面はアリカのが上なのに大丈夫なのか?これ・・・。



真昼が止めない理由

なので今日はこっそりと。
気になって仕方がなかったので、真昼のデスクへ行き彼らのことを伺う。

「最初の頃はそんなことありませんでしたが、今となっては今更と言いますか。言ってもキリがないので、言うだけ時間の無駄と言いますか。」

「えぇぇ・・・。」

しかし返ってきた答えは、真昼もお手上げ状態。
既にこの状況を諦めていた。が、まだ続いていたその答え。
トントンと手に持っていた書類を整えながら、彼はニッコリとした顔でこう述べた。

「まあ僕からしたら、自分のこと棚に上げて何やってんだか・・・って、感じなんですけどね。」

「へ。」

「「・・・・・・・・・。」」

それはこっそりだったはずなのに、イブにもユウにもしっかり届いてしまったのか。
その途端、ピタッと止まったリライトによるアリカいじり。
遠くにいながら、真昼はたった一言で2人を黙らせたのだった。

「「・・・・・・・・・。」」



倒れた真昼

「どうした?イブもユウも2人して急に。」

「なんでもないデス・・・。」

それから間もなくして、頃合いの時間を迎えたのか。
時計を気にして、整えた書類と共に荷物をまとめた真昼。
静かに席を立った途端、

「では、そろそろ僕らは・・・ッ!」

フラつかせた体が、そのまま倒れ込んだ。

「え、真昼さんッ!?」

近くに志摩がいて真昼を受け止められたから、幸いにもバタンッと床に落ちることはなかった。
自分のデスクにいた徹夜も直ぐに気付いて、血相を変えてこっちにやってくる。

「ちょ、大丈夫!?まひるん!」

そして額に触れた手。抱えている体。
どちらからでも分かったが、真昼から伝わる体温は異常を感じるほど熱を宿していたのだった。



無理は承知

そんな突然の出来事に騒つく周囲。

「まひるん、しっかり!」

「大丈夫ですか、真昼さん!」

「・・・ぁ・・・。」

倒れた真昼は呼び交う声で意識を取り戻したが、朦朧としており、瞳孔も変に揺れ動いている。

「大丈夫・・・ですから・・・っ・・・。これくらい。」

なのにそれでも立ち上がろうとした。
けどそういう彼を見て見ぬフリなんて出来なかった志摩は、抱えてる体を強くしてまで阻止する。

「ダメですよ、真昼さん!体調悪いなら無理しないで、ちゃんと休まないと!」

「無理は承知です!!」

しかし阻止を阻止する声は、それ以上に強く志摩を拒む。



譲らない意思

「無理は承知・・・です。これぐらい、本当に大丈夫ですから。離して下さい真島さん。僕如きのことで、リライトの仕事に傷を付けるわけにはいきません。そんなこと僕が許せるわけ・・・ありませんから。」

「真昼さん・・・っ。」

それはプライドなのか。覚悟の上なのか。
譲らない真昼の意思は、絶対に挫けようとしない。
その強さを止められないと察した志摩は、負けを認めるように止めた腕を弱くした。けど、

「はい、まひるんストップ。それ、僕らも迷惑だからやめてね。」

志摩には止めれなかった真昼を止めたのは徹夜。
他の社員が急いで持ってきた救急箱から冷却シートを1枚取り、発熱している額に貼り付ける。

「兄貴!」

「徹夜・・・先輩・・・。」

「体調不良でぶっ倒れた社員を働かせるって、普通に考えてヤバイでしょ?それこそリライトだけじゃなくて、チェリーストーンのアイドル・社員。全員の信用を損なうことになるんだからさ。」



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