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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.58 もうじき夏休みが終わるお話(3/3)
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水を差す着信

続けまして、第4問目。

「えっと、次はー・・・。」

「!」

4問目のクイズに入ろうとした途端、キィの携帯電話から着信音が。

「ごめんね。ちょっと出てくる。」

それはまるで水を差すかのようなタイミングで。
キィも電話が家の人からだと分かると、輪から離れるように席を外してしまう。
そして電話が終えたら戻ってきてくれたが、

「みんなごめん。僕、これから兄様のお店に行かなきゃいけなくて。予約してたの完全に忘れてた。」

「え!?キィちゃん、それって例の?時間大丈夫?間に合う?」

「そうそうそう。もう外で迎えが待ってるから大丈夫ー。」

早々に荷物をまとめ始めて、帰り支度を。済ませたら「ばいばーい」と言って、1人先に帰って行った。
だからアズとの言葉遊びクイズも、これにておしまい。お開きとなる。



アズ先生再登場

それからリライト2人も「もう時間だから」と言って、ここから去り、自分たちの仕事へと向かっていく。
おかげでさっきまであんなに賑やかだったのに、あっという間に静かに。

「ふぅ・・・。」

「ん、エヴァ。読書感想文終わった?お疲れ様。」

「はい、なんとか書きまとめられました。志摩さんもエーチの方は?」

「あー・・・、うん。こっちもなんとかって、ところかな。」

それはそれで宿題に集中出来て何よりだけれど、さっきまで騒がしくしすぎたからかな。
静かだけど静かすぎて、落ち着いてるけど落ち着きすぎていて、もどかしくなるような感覚がした。

「アズもエーチの宿題、手伝ってくれたおかげで。」

「えいちゃん、そこの問いはねー・・・。」

「うぅぅ。アズにまで数学教わるなんて、オレ、年上として情けない・・・。」



グループ内の年長者

そのとき、

「あのさ・・・。エヴァがさっき進路の話、ユウ先輩と少ししてたじゃない?それでちょっと気になったことがあって。」

エーチはキィが帰って行った後でも、その背中をまだ見ているのか。
ふとしたことを口にする。

「まだ進学するとかまでは決めてないけどな。」

「うん。それはオレも一緒だよ。そろそろ決めてた方がいいって周りに言われたりもするけどさ。オレやエヴァは、まだそこまでで。アズだって決めるのは、まだまだ後の話じゃない?」

「そうだね。」

自分とエヴァは、高校2年生。アズは高校1年生。
この3人にとって、それはまだ少し先のお話だけど、でもいつかは絶対に通る将来への道標。
だから余計に気になったのだろう。

「けどキィちゃんは、そんなオレたちよりも先で・・・。だから進学と就職。キィちゃん、進路どっちにしてるんだろうって、なんか気になって。」

「そっか。エーチの言うとおり。キィちゃんは、もう決めてなきゃいけない時期なのか。」

高校3年生であるキィの進路先を。



進学か就職か

進学なら受験勉強。
就職なら就職活動。
キィはどちらにせよ、もう手をつけていないといけない時期に差し掛かっている。

「お帰りなさいませ、桔平様。お兄様がお待ちですよ。」

「はいはい。いつもお迎えありがとね。」

確かにキィは少し変わった豪邸級の学校に通っているけど、そんな中でも、この選択肢は求められるはず。
しかし彼の今までの行動を思い返してみれば、どちらかに手を付けてる様子がない。

「2番目のお兄様の仕事も順調?」

「えぇ。お父様の後継者として、相応しい人材になられておりますよ。」

「・・・そっか。」

進学なら受験勉強。
就職なら就職活動。
キィは自分の進路を、いったいどっちに向けているのだろうか。



『CRO×QUAR』第58話を
読んでいただきありがとうございます

イブとユウが大学生なのを
紹介し忘れていたので(汗)
それの補足回ともなりました

そして今回のお話で、
ついにCRO×QUARも200ページ目達成しました


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