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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.58 もうじき夏休みが終わるお話(1/3)
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8月の終盤戦

7月20日にクロスカルテットがデビューしてからの活動は、今までどおりのレッスンはもちろん。
同じ事務所に所属する先輩アーティストのライブの裏方を手伝ったり、前座でステージに立たせてもらっていたりしていた。
そんな夏も8月後半となれば、高校生である彼らの夏休みももうじき終わり。
だから今日のレッスンや活動自体はオフだけど、学生としての本業を。
4人集まって事務所の1カ所を借りテーブル広げて、お茶やお菓子も食べながら夏休みの宿題を片付けていた。

「志摩ちゃん〜、数学。オレの数学手伝って〜。」

「はいはい。どれどれ?」

案の定でエーチの宿題(主に数学)がボロボロ。
志摩にとって、これも仕事のうちの1つなので、しっかりと。
夏休みが終わってしまう前に、彼や彼らの宿題を片付けてあげよう。

「いつも教えてくれてありがとう、志摩ちゃん先生。」

「ははは。お礼はいいから次の問い、いってみようか。」

5人ともお祭りで買った、お揃いのブレスレットを手首に付けて。



終わってない2人と終わってる2人

「エヴァもまだ宿題終わってなかったんだね。」

「はい・・・。読書感想文だけ残ってしまいました。」

夏休みの宿題が終わってないのは、エーチとエヴァのみ。
アズは夏休み入った直後に、キィも既に終えているようだ。

「アズ、もう1回。もう1回、今みたいな言葉遊びのクイズやって!」

「いいよいいよ。それじゃあ、きぃちゃん。ボクが何を言っても『アブラムシ』って答えてね。」

2人は宿題ないのだから、そのまま家でお休みしててもよかったんだけど「来たいから来ちゃった」とも言っていたので、そこは2人の自由で。
なのでテーブル半分は宿題終わってない子。もう半分は終わってる子。

「写真。」

「アブラムシ。」

「カメラ。」

「アブラムシ。」

「スマホ。」

「あ、アブラムシ。」

「フラッシュ。」

「アブラムシ。」

「アルバム。」

「アルバムシ!・・・ってあれ?」

「キィちゃん、アルバムシってなに〜!?」

2対2で分かれてる状態だけど、同じ場所にいてテーブルにも区切りはないので、終始賑やかだった。



7人いれば超賑やか

すると、

「おー、やってるー。やってるー。」

「ユウ先輩、イブ先輩!あ、おはようございます。」

「Hi!海旅行ぶりデス〜。」

たった今、事務所に着いたリライトのイブとユウの2人が邪魔をしに。文字通りに邪魔しやって来る。
まだ真昼が来てないから注意する人もいないので、登場してから、いきなり2人のやりたい放題。

「読書感想文?んなもん、ネットでテキトーなの拾って、ちょっとだけ自分らしく修正したら、あっという間に終わんじゃん。」

「ユウ先輩!そんなインチキ、エヴァにやらせちゃダメだよ!」

「数学もテキトーに答え埋めりゃーいいじゃん。宿題をやったという事実だけは評価されるって。」

「そんなズルも駄目!夏休み終わったら直ぐに学力テストあって、宿題も範囲になってるんだから。」

4+1に+2となった人数は、さらに賑やかな空間を生み出す。

「ところでキィ。さっきのアルバムシって、なんデスか?」

「言葉遊びのクイズだよ。アズが色々、出題してくれてたの。」

「いっちゃんもやってみる?2人一緒なら、引っかけクイズの方がいいかな?」



1冊のパンフレットによって

そんなわちゃわちゃが、さらにわちゃわちゃと。
収集つくか不安になるぐらいの賑やかさになってきた時、ユウがある事を思い出す。

「そだ。ほら、これ、頼まれてたヤツ。これでいいんだろ?」

「わざわざありがとうございますユウさん。」

「こっちも久しぶりだったから、顔出しも兼ねてちょうどよかったわ。」

そして持ってきていた鞄から、大学案内のパンフレットを1冊取り出して、それをエヴァに手渡した。
もちろんそれを見た途端、エーチは「えぇ!?」と驚き、宿題をそっちのけにさせる。

「ちょっと待って!エヴァ、大学に進学するつもりでいるの!?」

「いや、まだはっきり決めてないけど。だからこそ資料だけでも見たくて。」

「そ。エヴァが俺の学部気になる言ってたから、わざわざ教授にお願いして持ってきてやったんだ。つーわけでエヴァの第一志望、俺がいる大学で確定な。どの学部も倍率高いから気張れよー。」

「あの・・・、ユウさん。だから、まだはっきりとは決まってないのですが。」

けどそんなエーチよりも拍子を抜かしていたのは志摩。
宿題を教えていた手を止めて、驚いた声を上げる。

「ちょっと待って・・・。ユウって、大学生だったの!?」

だって今も今までも、ユウが大学生だったとは知らなかったから。



リライトは大学生

なので今さらになってしまうが、改めて。

「そだよー、シマちゃん。なんでそんなに驚いてー・・・って、あれ?俺ら学生なの知らなかった?」

「知らなかったよ!かなり初耳!っていうか『俺ら』!?今『ら』って言った!?まさかイブも?!」

「YES!ボクもデスよ〜、シマチャン。」

「な、なんだってー!?」

改めて教えて貰ったが、続けてイブも大学生と知り、びっくりにびっくりが重なって、志摩は更なる驚きが隠せない。
リライトが2人とも揃って、まだ学生。大学生だったとは、おみそれいりました。

「・・・とは言っても、俺は休学中だから。ちゃんと通ってるのはイブだけになるけどな。」

「な、なるほどー?」



リライトを改めてご紹介

リライトの活動時間は、クロスカルテットよりも開始が遅い。
夏休み中のクロスカルテットは、早い始まりだと朝8時から。夜は遅くても21時前まで(アズの眠気が限界につき)。
リライトは、だいたい夕方あたりから夜遅い時間に始まるスケジュールになってて、日付が変わっても終わらない時が、ほとんど。
アリカとのwithを計画していた時は、外が明るくなった頃に、ようやく終えてたんだっけ?真昼や朝陽曰く。
なので朝とか昼間とか明るい時間帯でリライト2人と会うことは基本的になかったから、てっきりアリカと同様。志摩は彼らも社会人だと思い込んでいた。

「活動時間は、まあ俺らが学生だからとかじゃなくて、まひるんによる嫌がらせだけどねー。アリちゃんとの時は特に。」

「し・・・、知らなかった。」

「俺なんて前期の必修単位、海外ロケあったり、その後も新曲やらで忙しくて、ほとんど出てないからさー。おかげで休学した方がいいってなっちゃって大変だった。まあ金なら足りなきゃボランティアすればいいだけ話のだから、別にいいんだけどさー。」

「あれ?ちょっと待って。その海外ロケは、キミら2人が言い出したことだって、真昼さんから聞いたけど。2日後よろしくの件、未だにめっちゃ怒ってるけど。」

「まひるんは怒ると、しつこいデスから。」

イブが現在、大学2年生。国際関係の学部に所属。
ユウも今は休学中だが、本来なら彼も2年生に値するとのこと。
今さらながらの自己紹介となってしまったが、今まで謎だった部分がやっと解明されたのだった。



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