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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.57 志摩と4人で夏祭りに行ったお話(2/4)
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気が付けば・・・

しかしその時、

「それとー・・・わっ!?」

まだ志摩が説明していた中、すれ違って行く人盛りにドンッとぶつけられた背中。
完全に油断していたせいもあって前によろけてしまう。

「!」

すると、ハッと誰よりも先に動いたのはエヴァ。
自分の大きな身体で、志摩を紳士的に受け止める。

「大丈夫ですか?志摩さん。」

「あ・・・、ありがとう。エヴァ。」

「いえ。志摩さんが転けなくて、間に合ってよかったです。」

そしてホッと微笑んだ顔を見せてくれたが、気がつけば志摩は、そんな彼の腕の中。
完全に抱かれてる状態だった。



夏祭りアバチュール エヴァver

(ちょちょちょッ?!エヴァさんんん!?!?)

いきなりの展開に、志摩は動揺が隠せない。
ドッキドキに心を弾ませ、思わず顔を赤く染めてしまう。

「ホント、これだけ人いたら逸れてしまいそうですよね。」

一方、エヴァは全然気付いてないのか。
志摩を腕の中にしまったまま、周りの人の多さに気を取られていた。

(あ・・・やばい。柔軟剤の香りなんだろうけど。エヴァから、めっちゃいい匂いする。)

こんなところアリカに見られたら、誤解が生まれそう。
でもエヴァと親しい仲になれたからこそ起きた(恋愛ゲームで例えればイベントスチルのような)お約束。
アリカには申し訳ないが、ここは譲らない。

「え・・・、エヴァ。その・・・もう、大丈夫だから、さ。離して、いいよ?」

「え?」

だからこの状況を改めて、エヴァに気付かせてみる。



夏祭りアバチュール エヴァver

するとー・・・。

「わ!?ごめんなさい志摩さん!」

やっと理解した途端、エヴァは顔を赤くして慌てて志摩を離す。
本当に気付いてなかったようだが、それでも抱いた事実は変えられない。

「す、すみません。ワザとじゃなくて、その・・・っ!」

「だ、大丈夫だよエヴァ。分かってるから!うん。エヴァが助けてくれたから、俺も助かったわけだし!」

「け、けど・・・。」

「と、とにかく謝らないで!何も悪いことはしてないから!」

その様子に志摩もつられ、お互いアワアワと。
慌てて、焦って、明かに動揺していた。

(俺のが年上なんだから、大人として。もっと余裕見せていたいのに・・・。しかも立場的に俺が守られてどうすんだよ。)

「嫌だったとか、そういうわけじゃないから。・・・ありがとうエヴァ。」

「はい・・・。」



続く思わぬハプニング

思わぬハプニングによって、みんなと一緒にいる前で、ついエヴァと2人だけの世界に入り込んでしまっていた。
それはそれで良いモノでしたが、そろそろ本題へ。
中途半端に途切れてしまった志摩の話を、もう一度、4人に聞かそう。

「みんなも待たせてごめん。えっと俺が言いたかったことはー・・・って、あれ???」

しかし気付いた時には、忽然と。エーチとアズとキィの3人がいなくなっていたのだ。

「え、ウソ!ほかの3人は!?3人とも、どこ行ったの!?」

「すみません。俺も目を離していたので・・・。」

言ってたそばから、なんてこったい!
説明も不十分のまま逸れさせてしまうとは、監督不行届きにもほどがある。
急いで見つけないと!

「志摩さん。俺、こっち捜しますので。」

「分かった。いたら連絡頂戴。俺はあっち探すから。」

こうして志摩はエヴァと一緒に、それぞれの方向に散って、逸れた3人を捜すことに。
幸いにも夏祭りの会場は、そこまで大きな規模ではない。
だから反対側はエヴァに頼って、自分は自分側をしっかり見回ろう。

(キィちゃんやアズは可能性ちょっとあったから注意しておきたかったのに、まさかエーチまでいなくなるとは。)



逸れたのはオレら

逸れた3人のうち、2人のその頃。

「わ〜。あっちもこっちも色んな屋台があって面白いね〜。」

「もー!勝手に行っちゃダメだってばキィちゃん!」

キィにとって、お祭りに来ること自体、今まであまり機会がなかったのか。
何もかもがキラキラで新鮮で、案の定で屋台の誘惑に負けていた。
そしてエーチは、そんな彼を止めようとしていたが、キィがどんどん進んで行っちゃうから、そのまま一緒に逸れてしまう。

「あーもー。キィちゃんが好き勝手行っちゃうから、志摩ちゃんたちどこ行っちゃったか分かんないよ〜。」

「えー。自分から逸れるなって言ってたのに、しましまちゃん僕らから逸れちゃったの!?なにそれ!?」

「違う!志摩ちゃんがじゃなくて、オレらが逸れちゃってんの!」



日焼けがないエーチの一部

ハラハラと不安そうにしているエーチ。
全然へっちゃらそうにしているキィ。
一緒にいて、一緒に逸れたのに、それぞれ違った反応をしている。

「それにしてもホントにエッチ焼けたね。日が暮れてきたのに焼けた肌分かるって凄いね。」

「まあね!オレの中では夏でこそ焼かなきゃって感じだし。てか、こんな所でもオレをエッチって呼ばないで!」

「紫外線って肌によくないから、ちゃんとケアした方がいいよ。1番上の兄様が継いでるエステ紹介しようか?」

「えー、別にいいよ。高そうだし。オレなんかには勿体無いよ。」

けど2人一緒だったから、いつもとあまり様子は変わらない。

「パンツの中も日焼けで真っ黒〜?」

「キャー!キィちゃんこんなとこで、オレのそんなとこ見ないでー!!」

煩くて、騒がしくて、賑やかで。
祭囃子の雰囲気に負けてないほど、わちゃわちゃ喧しくしてくれていたから、志摩は割と早い時間でその2人を見つけられた。

(あ、2人ともいた!)



夏祭りアバンチュール エーチver?

「ごめんね志摩ちゃん。キィちゃんと一緒に逸れちゃって。」

「でも2人一緒にいてくれて助かったよ。よかった、すぐに見つけられて。」

こうして揃った志摩とエーチとキィの3人。
ちょっとの間だったけど再び合流出来て、志摩とエーチはホッとした息を吐く。

「しましまちゃん、しましまちゃん。しましまちゃんにも面白いモノ見せてあげる。」

「面白いモノ?」

そして無事、見つけてくれたご褒美の報酬が。キィから志摩へ?

「ほら、見て見て。パンツの中までは日焼けしてなかったから、エッチのお尻、真っ白なの。」

「キャー!!だからこんなとこで、オレを脱がそうとしないでー!!キィちゃんのエッチ!!!」

「・・・・・・。」

エーチのズボンをペロンと捲り、唯一日焼けしてない白いお尻を、ぷりんっと見せてくれたのだった。
日焼けしてる人の日焼け出来なかった部分は、それならではの色っぽさがあり、不本意ながら見てしまった志摩は何も言葉を返せなかった。



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