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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.7 勤務7日目の話(2/3)
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知ってる声と初対面

エーチとエヴァの勉強会。
それをどこから見ていたのだろう。
志摩の後ろから、どこかで聞き覚えのある声が。

「まぁ、エヴァが長文問題得意な方が驚きだけどな。」

その声を耳にした途端、

「!?」

体がビクッと並みならぬ反応を示し、心がドキッと高鳴った志摩。
聞き覚えのある、その声の持ち主。
でも実際に生で聞くのは初めて。
恐る恐るゆっくり振り向くと、そこにはー・・。

「アリカ先輩!」 
「アリカさん。」

当社、チェリーストーンの男性歌手として売上げの頂点に居座る青年、Alicaが立っていた。



Alica

Alica≪アリカ≫の本名は真中 ありか(まなか)。
7月生まれで身長168cm。趣味はギター。イメージカラーはピンク。
本名とイメージカラー以外は、最近アリカが受けた取材に雑誌に記載されていた情報。

(わぁぁあああーーーッ、生アリカ!!!)

所属事務所はココだから、いつかはご対面出来ると思っていた。
けれどこんな心の準備がない状態で会うとは思ってなかったので、志摩のテンション急上昇に跳ね上がり。

「誰?このおっさん?二人の知り合いなのは、さっきから見てて分かったけど。」

アリカは世間からも注目を浴びてる男性ソロミュージシャン。
品が自分と違いすぎており、ただ突っ立っているだけでも輝かしく見えた。



兄の弟の印象

「てっちゃんの弟さん。この人が前に話した志摩ちゃんだよ。」

「は!?マジで!?それをもっと早く言えって!!」

エーチから志摩の紹介を受けたアリカ。
徹夜の弟と知った瞬間に顔色が一気に変わる。
ちなみにアリカのプロデュースも徹夜が専属で担当。
きっと志摩並みではないが、徹夜のことを色々と承知しているはず。

「・・・て、徹夜さんにはいつもお世話されて頂いております。とんだご無礼をお許しください。知らなかったとはいえ、おっさん呼ばわりして。」

その為か。タメ口だった言葉遣いが急に丁寧になり、失言をすぐさま撤回し頭を下げて謝罪してきた。

(うわぁ・・・。)



初めまして

まさかあのアリカに頭を下げられるとは・・・。

(あのクソ兄貴!いったいアリカに何やらかしてんだ!)

「いやいやいやいや。頭下げられるほどのことじゃないからッ。てか俺は兄貴ほどじゃないし、てか一緒にされたくないというか、してほしくないというか。」

「え。」

「遅れたけど初めまして。真島 徹夜の弟、志摩といいます。」

「・・・初め、まして。」

もの凄く嫌な誤解をされるのは嫌だ。弟として嫌だッ!
だから慌ててフォローを入れてから、志摩は自ら自分の名を名乗る。

「なるほど。それで志摩ちゃん、か。さしずめ名づけはアズとみた。」

「ビンゴ!さすがアリカ先輩。」

ちなみにフルネームで名乗らなかったのはワザと。
アリカにまで『ましましま』という印象で覚えてほしくなかったようだ・・・。



アリカだこ

どうやらアリカは仕事の合間で、たまたま事務所に立ち寄ったらしい。

「アリカさん。今日の仕事はもう終わったんですか?」

「いや?曲出したばっかだから、まだこれから取材とかあるな。」

それで自分の後輩、エーチとエヴァが偶然いたから、つい話し掛けたと答えてくれた。

「っと、あんまりゆっくりしてる場合じゃなかったな。んじゃ、二人とも頑張れよ。」

「はいッ!勉強頑張ります、アリカ先輩ッ!」

「あー、うん。勉強のこと言ったわけじゃないんだが・・・。まぁ、勉強も頑張れよ?」

で、五分も経たないうちに颯爽と事務所からいなくなってしまう。
志摩を含めた三人は、そんなアリカを見送り、出て行ったドアをいつまでも見つめていた。



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