本日のクロスカルテットの活動はオフ、お休みの日。 だから事務所に彼らが来る用事はないのだが・・・。
「だからその問いは、ここの公式使って。」
「え?え?え?ごめん、もっかい。もっかい今の教えて?」
お客様を待ち合わせる席のソファーにて、同い年組のエーチとエヴァが制服姿のまま向かい合わせに座っていた。 テーブルに、それぞれ自分の教科書とノートを広げている。
(勉強中なのかな?)
そんな二人の様子を見ていると、
「あ、志摩ちゃん。お疲れ様ー。」
「お疲れ様です、志摩さん。」
「え、あ、お疲れ・・・様・・・。」
向こうからこっちに気づき、声を掛けてきた。
「勉強中?」
「うん。オレ数学苦手でサッパリだからさ。ちょうどよかった。志摩ちゃん、ここの問い分かる?」
そしてエーチが広げていた数学の教科書を見せて、ナチュラルに誘ってくる。 教職を目指してた人間だけあって、これは頼られどころの見せどころ?
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