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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.6 クールなオトメン草食紳士の話(2/2)
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エヴァとキィ

エヴァたちやアズよりも先にレッスンスタジオに到着していたクロスカルテットのメンバー三人目、キィこと南浦 桔平。
そんなエヴァとアズを見ていたキィは黙っていられなかったのか。

「エヴァ、ほらタオル。なんで今日も必死に走ってきたんだ?」

「あぁ。ありがとう、キィ。」

自分が使っていたタオルをエヴァに渡し、汗を拭かせる。

「あのさ前から思ってたんだけど。エヴァってアズに甘いよな?」

「うっ。」

「てか弱い?弱すぎ?」

「・・・そこまで言うことないだろ。」

そして鋭いところをついて来た。
とは言え、エヴァはアズに言い寄られる度に毎っ回たじったじに負けるものだから、それは誰の目から見ても分かってしまうことなのでした。



エヴァとキィ 2

「ふむ。」

そんな押しの弱いエヴァに一言二言三言以上にモノ申す。

「じゃあさじゃあさ、エヴァが誰かに甘えたくなったときは、迷わず僕のとこに来なしゃーい。」

「はぁ!?」

「だって僕までエヴァに甘えたら、エヴァが甘えられる奴いなくなるじゃん。」

「いや。別にいなくて結構なんだが・・・。」

「いやいやいや。そういう時こそお兄さんに頼りなさいな。エヴァが潰れたりしたら大変だろ?」

「潰れるってなんだよ。」

最年長の年上風を誇らしく吹かしたキィなのであった。



歌のレッスン

本日は歌のレッスン。
以前、志摩に披露したあの曲を細かなところまで指導を受ける。
もちろん厳しい鞭を撃たれたのはメインで歌うエーチとキィ。

「キィは最後まで集中しろ!!エーチは歌いだし絶対に遅れるな!!」

コーラスがメインのアズとエヴァにも二人ほどではないが鋭いチェックが。

「アズ、ちゃんと腹から声出してるか!?エヴァお前はもっと自分を前に出せ!!」

こうしてデビューの日を迎えるまで、厳しい厳しい特訓が続くのでした。



二人の帰り道

長く続いた歌のレッスンもようやく終わり。
皆一息休憩してから荷物をまとめて、それぞれ帰宅して行く。
エヴァの帰り道はエーチと途中まで一緒。
アズとキィの二人とレッスンスタジオで別れた後、二人揃って同じ道を歩く。

「はぁー・・・、つっかれた〜・・・。」

「エーチ、のど飴いるか?」

「いる!めっちゃいる!助かるよ〜。」

主に愚痴を零すのはエーチ。
聞き手のエヴァは静かに彼の話を耳にしていた。



二人の帰り道 2

エーチは自分が思っていることを素直に口に出す。
それは時に自身の思いと重なることがある。

「クロスカルテットを結成してから暫く経つけど、オレたちのデビューっていつなんだろうね。てっちゃんも詳しい話全然してくれないしさ。」

「・・・・・・。」

「アズとキィちゃんはまだ分かるけどさ。オレとエヴァはそもそもが違うから、ちゃんとやっていけられるのかな。」

「・・・さぁな。」

不安なことや、不穏なこと。そして不甲斐ないことまでも・・・。



二人の帰り道 3

けど、

「まっ、いつまでもくよくよしてないで、しっかりしないといけないよな!オレたちだって始まったばかりなんだし。うん、よしっ!」

「・・・!」

グッと両手に握り拳をつくったエーチ。
疲れで萎れていたアホ毛をピンと立たせ、ポジティブに前を向く。
そんな頑張り屋の彼を見て、改めてエーチを見直す。

「これからも一緒に頑張ろうな、エヴァ。」

「・・・そう、だな。」

自分と思って重なったマイナス思考を、くるっとひっくり返される。
エーチにつられて、エヴァも元気を取り戻したのだった。



クールなオトメン草食紳士

そして自宅へと帰宅したエヴァ。
朝に仕込んでいた食材をササッと調理して夕飯を一人で食す。
それから使用した食器類を洗って乾かして片付けて、明日のご飯の仕込みを済ませる。
洗濯物を洗濯機にかけ、乾いた衣類にアイロンがけして綺麗にシワのばし。
部屋の掃除は休日にまとめてやっているようだが、

「・・・よし。」

カラーボックスの上に積まれた複数の羊のぬいぐるみのホコリ叩きだけは毎日欠かせない。
一匹一匹ぽんぽんぽんぽん叩いては、もふもふにつられて抱っこしてから元の位置に戻すのでした。



お疲れ様でした

そんな一連の家事が一段落してから、やっと宿題に取り掛かる。
レッスンで疲れているとはいえ、本来の学業を怠ると学校側から事務所にキャンセルを入れられてしまうので、それだけは避けなければいけない。

(・・・・・・。)

そして時間は夜を更かしていくにつれ、エヴァは無意識に時計を気にしだす。
眠くなってきたのだろうか?
『今日はもう大丈夫だろう』と口にして、宿題を終えてから戸締り確認してベッドに入り就寝。
部屋の明かりを全部消して、眠りへとついた。


今日もお疲れ様でした。




『CRO×QUAR(クロカル)』の第六話を
読んでいただきありがとうございます!

今回はクロスカルテットのメンバー四人目、エヴァのお話
エヴァは青ノ葉の明人とはまた違ったオトメン型
男の子っぽいモノより可愛いモノが好きだったりします
見た目は普通にさわやか系の男の子ですが・・・

さてさてここでも少しエヴァのカップリングのお話を
エヴァは某方と固定でほぼ確定
誰とかは、これからの話で察していただければ幸いです
(※主人公とではありません)


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