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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.52 志摩と朝陽の休日前夜のお話(1/4)
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待伏せ

それは8月の勤務表を初めて目にした時から、ずっとこの日のことを気にしていた。
7月は1日たりとも被らなかったから、余計に意識が高まったのかもしれない。

「それじゃあお先に上がります。まひるん先パイお疲れ様でしたー。」

「はい。朝陽くんもお疲れ様です。確か明日はお休みでしたよね?せっかくの休日ですから、ゆっくり体を休めて下さいね。」

「ハーイ。」

そして今日はその日の前日、終業時刻を迎えた今。
志摩は奴が事務所から出てくるタイミングを見計らい、ちょっと前から待ち構えていたのだ。

「お疲れ様ですね、朝陽さん。」

「あれ?ましクンまだ残ってたんだ。ましクンもお疲れ様ー・・・って言いたいとこだけど、何してたの?こんなところで。そんな怖い顔して。」

「待ってただけです。朝陽さんが事務所から出てくるのを。」

朝陽が出てきたそのタイミングを逃さないために。



たった1日だけ重なる休日

なんと明日は志摩も休みで、朝陽もお休みという2人の休日が見事にダブった日。
7月で被った日は1日たりともなかったけど、8月もこの日以外は被らないから、2人にとってとっても貴重な1日。

「え?なんで?なんかオレ、ましクンにそんな怖い顔して待たれるほどのこと、何かしたっけ?」

「その逆。」

「逆?」

しかし朝陽は気づいてないのか。
見当もついてないようで、首を傾げてしまう。
だから志摩から朝陽へ改めて、

「朝陽さん。明日、俺とデートしませんか?」

デート?の申し込み。
けどそれは生まれて初めて使うこの言葉に緊張して強張ったせいで、ムードもロマンもマロンも何もなく、まるで決闘を申し込むような言い方になってしまっていたのだった。

「ましクン誘い方、ヘタクソ?そんな怖い顔して言うセリフじゃないよ?それ。」

そんなわけで今回は久しぶりに、この2人のお話です。



志摩朝陽の馴初め

「デートって、え?なんでオレとましクンで???」

しかし本当に久しぶりとなった志摩と朝陽のカップリング話。
忘れちゃった方もいるかもしれないので、ここらで少々おさらいを。

「まさか忘れたなんて言わないですよね?朝陽さん。」

「・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・。」

「わぁー・・・。忘れてた、そんな『設定』。」

朝陽が志摩を酔わせちゃって、豹変した志摩が朝陽を喰っちゃったのが馴初めの始まり。

「設定じゃないから!事実だから!!」

「随分とご無沙汰されたから、気が済んだのかと思ってた。」

「気が済むわけないだろ!酔ってて覚えてないとはいえ・・・、やらかしたわけだし。」

『何かしでかした』あれからのそれからで『何かあった』ではなく、『何もなかった』が正解な2人のご関係。
けれど今回でどうなることでしょうか。



休日は、とっても貴重

「デート・・・ねぇ。明日とか急に言われても、オレ困るんだけど。」

「そこをなんとか。」

「ムリムリ。」

志摩から朝陽へ。
このお誘いは本当に急で、志摩自身も申し訳なく心苦しいと思ってた。
でもこのまま何もないままだと付き合ってるという事実が風化してしまう。
その思いは意地なのか、責任感なのか。朝陽のことが好きかどうか、志摩の中でも未だにハッキリとしてないくせに。
きっかけは朝陽にやらかされたこととはいえ、それは嫌だという気持ちだけで行動に移している。

「だって貴重なお休み、ましクンなんかで潰されたくないしー♪」

「いいから俺とデートしやがれ!こんちくしょう!」

「えー。そんな乱暴な誘い方ある〜?」

一方で朝陽は、そんな志摩に対してニコニコと笑顔満点でお断り。
「明日はこの間、買ったゲームの続きをラスボスまで突っ走りたい」とかなんとか続けて言葉にして、志摩よりもゲームと休日を過ごしたい様子。



いつか裏で書きたいネタ

自分よりもゲーム。
その天秤に負けた志摩は、ズーンと言葉が出ないほど落ち込んでしまう。
すると、

「・・・あ。なるほどね。」

と。
そんな志摩を見て、何かを察した朝陽。
そしてポンッと閃いた彼は、嫌々だった態度が一変。急に志摩の肩を組んだ。

「仕方ないな。じゃあましクン行こうか?」

「へ?は?どこへ?」

「男子トイレ♪てっとり早く済ませるには、そこの個室がベスポジでしょ?」

が、それは妙な方向で発想されただけ。

「はぁ!?違ううううう!俺は朝陽さんとそういうことがしたいんじゃなーい!!!」

「え〜?だってそういうことじゃなかったの〜?」

気づいた志摩は連れ込まれる前に、彼からバッと離れて回避。

「だってオレとましクンって、セフr「じゃない!あとそういう発言、ホントに気を付けて!話どころか存在消されるよ?!」

ストレートすぎる朝陽のシモ発言と共に、そういうことじゃないと、強くお説教したのだった。



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