それは8月の勤務表を初めて目にした時から、ずっとこの日のことを気にしていた。 7月は1日たりとも被らなかったから、余計に意識が高まったのかもしれない。
「それじゃあお先に上がります。まひるん先パイお疲れ様でしたー。」
「はい。朝陽くんもお疲れ様です。確か明日はお休みでしたよね?せっかくの休日ですから、ゆっくり体を休めて下さいね。」
「ハーイ。」
そして今日はその日の前日、終業時刻を迎えた今。 志摩は奴が事務所から出てくるタイミングを見計らい、ちょっと前から待ち構えていたのだ。
「お疲れ様ですね、朝陽さん。」
「あれ?ましクンまだ残ってたんだ。ましクンもお疲れ様ー・・・って言いたいとこだけど、何してたの?こんなところで。そんな怖い顔して。」
「待ってただけです。朝陽さんが事務所から出てくるのを。」
朝陽が出てきたそのタイミングを逃さないために。
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