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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.44 Eva episode(5)(4/4)
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悩み抜いた先で得た答え

けれどそれは辞めると言ったあの日から覚悟していたこと。

「・・・・・・っ。」

自分はもうこの先には行けない。
テープを切ったあとエヴァに出来ることは、もう見送るだけ。

「・・・・・・。」

それを覚悟していたはずだったのに、なんということだろ。
先に行ってしまう3人に伸ばしていたこの手が。
今日という日まで悩んで悩んで、散々悩んだその先で見つけたエヴァの答えだった。



みんなで1歩ずつ

自分が困っていたときに雇ってくれた堀北食堂を。燐之助を裏切れない。
その気持ちは今も変わらない。
けどそれはクロスカルテットにも言えること。
始まりこそは酷かった。
辛いことだってあったし、ムカつくときだってもちろんあったけど、楽しくて笑ってた自分もちゃんといたんだ。最近は少なかったけれど・・・。
自分の隣には必ずみんながいて、みんなの隣には自分がいて、一緒に1歩ずつ前に歩いていたんだ。

「あれ?エヴァ?」

伸ばした手を下ろしたそのとき、エヴァの異変にエーチが気づき、彼の方から戻ってくるかのようにやって来た。

「エヴァ大丈夫?」

「・・・エーチ?」



始まりへ一緒に行こう

「足痛む?」

「多分・・・、平気。」

「そっか、よかった。」

けどそれはエーチだけじゃなかった。
同じタイミングでアズもキィもエヴァに気付いて、ちょっと先で2人が来るのを待っていた。

「オレもエヴァもやっとステージに立てるんだね。アリカ先輩と一緒の世界に。」

そしてエーチは立ち止まったエヴァに手を差し伸べ、

「エヴァ、オレたちはここで終わりじゃないよ。ここから始まるんだよ。」

「・・・・・・。」

「ほら、エヴァも一緒に行こうよ。オレたちの始まりに。」

下げたはずのその手でエヴァはエーチの手を掴んだ。

「・・・・・・うん。」



そしてステージ上へ

エーチとエヴァの2人は待ってたアズとキィの2人に追いつき、そこからはクロスカルテットが4人揃ってへとステージに向かう。

「Boo・・・。クロスカルテット遅いデース。」

「あとどんだけ待たせたら気が済むんだよ、クロスカルテットは。」

「ご、ごめんなさい。」

ステージ脇にはリライトのイヴとユウの姿が。
アリカより先に衣装替えで楽屋に下がるはずなのに、戻らないでクロスカルテットが来るのを待っていた。
けどそこにはリライトだけじゃなく、真昼もいて朝陽もいて徹夜の姿もあった。

「いい?今アリカが歌ってる曲が終わったら、その次からクロスカルテットの出番だから。」

クロスカルテットがやっと4人揃って来たから、プロデューサーより最後の指示を。

「・・・志摩。」

「あぁ。観客はアリカとリライトのファンしかいないけど、クロスカルテットはクロスカルテットして。クロスカルテットのカッコイイ姿を皆に見てもらおう!」

徹夜は自分ではなく。ずっとクロスカルテットのそばにいた志摩に、ステージ上へと向かう4人の背を押させたのだった。



紹介パフォーマー

そうしてステージに立ってるアリカから。
自分の後輩としてデビューを果たすクロスカルテットの紹介が始まった。

「クロスカルテット、リーダー!A・c・h・i、エーチ!」

「初めましてクロスカルテットです!今日は精一杯、頑張ります!」

リーダーのエーチから順に。
アリカに呼ばれて、ステージの中央へと向かう。

「クロスカルテット、2人目!A・z・u、アズ!」

「えへへ、よろしくね。」

「クロスカルテット、3人目!K・e・y、キィ!」

「超初めまして!今日はアリカのファンを奪う気で来ました!超よろしくお願いしまーす!」

「んな簡単に渡さねえよキィちゃん。んじゃ次で最後ー・・・。」

それと共にみんな一言。
それぞれの言い方で『よろしくお願いします』と観客に向かって言っていた。が、ここでまさかのハプニング。

「クロスカルテット、4人目!E・v・a、エヴァ!」

「・・・・・・・・・。」

エヴァのマイクパフォーマーが入らなかった。



不束な者ですがよろしくお願い致します

ステージの向こうには、あっちの隅からそっちの隅までずらーっといた観客。
そんな景色をここから見渡すのは初めてで。初めてすぎて、とんでしまうほどエヴァは圧倒していた。

「こら、バカエヴァー!何か一言ないの?」

「え、あ・・・。」

けどエーチに呼ばれて我に返り、ペコッとお辞儀して改めてご挨拶。

「えっと・・・。不束な者ですがよろしくお願い致します。」

「固い固い!エヴァ固すぎるって!」

丁寧すぎて『こちらこそ』状態な空気になったが、掴みはOK。
ここからアリカは下がり、クロスカルテットだけがステージに残された。

「それではクロスカルテット。オレたちのデビュー曲を、どうぞ聞いてください!」

そして自分たちのデビュー曲を披露する。



晴れ舞台に立ったクロスカルテット

あっちの隅からそっちの隅までずらーっといる観客の前で。
ステージ脇にいる先輩アイドルや社員スタッフに見守られながら。
7月20日の本日をもって。


クロスカルテットはデビューを果たしたのでした。




『CRO×QUAR』第44話を
読んでいただきありがとうございます

クロスカルテットのデビュー回に合わせて
クロカルっぽいページに模様替えしました!
そして公開始めた第1話から今の今まで
彼らのデビューがリアルタイムの日付と合うよう
計画立てて、ずっと鬱憤がたまる調節の日々を
過ごしておりました
かなり疲れましたがずっと書きたくて
溜め続けていた話なのでとっても楽しかったです

いちおエヴァエピソード編はこれにて終結ですが
あと2話ぐらいエヴァメインの話があります
もうちょっとだけお付き合いくださいね


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