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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.44 Eva episode(5)(3/4)
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初対面から酷かった

「ね?大丈夫だったでしょ?志摩ちゃん。」

「エヴァってあんなに怒るときあるんだ・・・。」

そんなキィとエヴァを見るのが初めての志摩。
でもエーチからしたら、あまり珍しいことではない。
めちゃくちゃ慣れた目で2人を見ている。

「キィちゃん限定だけどね。あそこまでエヴァを激しく怒らせるのはキィちゃんしか出来ない芸当だから。」

「どういうこと?」

「初対面の時からあの2人は、あぁだったの。」

「初対面から!?」

キィとエヴァの初対面時の話を聞かせてくれた。

「でもその時のがもっと酷かったけどね。」



初めて聞くことだらけ

けど、それはもう初めて聞くことだらけ。

「きぃちゃんとえば。初めからすっごく仲良しだったもんね。ボクも知らなかったよ。」

「あれ?アズはその話、知らなかったのか。」

「・・・うん。ボクはまだ見てただけ、だったから。」

それを志摩が知らないのは当然だけど、アズまで知らなかったのは意外。
そういえばクロスカルテットの4人は、どうやって出会いどうやって結成されたのだろう?

(俺、これだけ4人と関わっておきながら、まだ何にも知らないんだな。)

わちゃつく2人を眺めながら、志摩は自分が知らないことがまだまだたくさんあることに、ハッと改めて気付かされた。



みんなになろう

「もうエヴァが悪いんだぞ。」

「え、何?急に???」

「何?じゃないよ。僕『みんなで』って言ったじゃん。何また自分だけナチュラルに抜けようとしてんのさ!」

自分いて、エーチ・アズもいるのに、エヴァがいない。
それじゃあ『みんなにならない』と、キィはブーブー文句を言ってくる。

「いや、だからそれはー・・・!」

「キィちゃんの言うとおりだぞ、エヴァ!エヴァいなかったら、みんなにならないよ!」

「えばもみんなだよ。」

そしてそんなキィに乗っかったエーチとアズ。
エヴァが動けないのなら、それならこっちから。
東、西の二方向が南と北に向かい、立ち上がらせた。

「・・・・・・。」



交わる四方向

「う〜っ。改めてってなると恥ずいよキィちゃん。」

「大丈夫だって。僕とエッチで作ったんだもん。ダッサイのだけは百の承知。」

「だからキィちゃん、エッチはやめて。それにダサくないから。ちゃんとカッコイイやつだから。」

もう一度コンパスで方角調べて、それぞれの方向に合わせて円陣を組む。

「えいちゃん、きぃちゃん。どうやったらいいの?」

「じゃあ右手をグーにして出して。」

「最後だけ僕に合わせて言うんだぞ。エ・・・ッ、エーチ頼んだ!」

「キィちゃんの呼ばれ方不安だな、もう・・・。よっし、いくよー!」

東はエーチ。西はアズ。南のキィ。北はエヴァ。
そしてそれぞれの方向から交わった4つの拳。
クロスカルテット、リーダー・エーチによる円陣の掛け声が放たれた。



円陣 クロスカルテットver

「これからオレたちに待ってるのは常に新しいことばかり。」

ずっと待ち望んでいた今日という日。

「だけどそれでも今日までにあったことは感謝して全部忘れずに。」

ここまでくるのに色んなことがあった彼ら。

「どんな暗闇がこの先に待っていても、オレたちは恐れない。」

その時間は長すぎて短すぎて、本当に色んなことがあった。ありすぎていた。

「越えた先でオレたちはオレたちで、誰よりもカッコ良く光輝くよ!」

だけどそれはそこで終わりじゃなくて、全部が彼らにとっての始まり。

「Here We・・・。」

「「「GO!!!」」」

だってクロスカルテットは今この瞬間から、やっと表舞台に降り立ったのだから。



掛け声はダサいぐらいがちょうどいい?

「・・・GO。」

エーチからキィに代わった最後の合わせ。
3人は揃っていたけど、エーチの掛け声に唖然したエヴァだけがズレてしまう。
けど、

「GOGOGO、GO!!!」

そこはすかさずキィがフォロー。
GO!を強く言い放って、綺麗に締めた。

「ね?ダッサイでしょ?」

「そんなことない!カッコ良かった!ね?志摩ちゃん、今のオレらカッコ良かったよね?」

そんなクロスカルテットを1番近くで見ていた志摩。
エヴァが遅れてしまったのも頷ける。
だって志摩も見とれて、思わず心を奪われていたから。

「うん、カッコイイ!すっごくカッコイイよクロスカルテット!」



クロスカルテットをもっと知ってほしい

でもそれは自分だけじゃ嫌だ。

「でももっとカッコイイ、クロスカルテットが見たいな俺。」

カッコイイ彼らの姿を。
かっこいいクロスカルテットを。

「いいよ、志摩ちゃん。」

もっと見てほしいから。
もっと知ってほしいから。

「オレたちの初めてのステージ。カッコ良く立つから、ちゃんと見ててよね志摩ちゃん。」

「ああ。」

だから彼らを楽屋からステージへと連れ出して、交わした約束どおり志摩も一緒についていく。



始まりと終わりへ

しかしそのとき、ステージへと向かうエヴァの足に違和感が。

「・・・ッ!」

観客から届く熱気がより強くなっているせいか。
エーチもアズもキィも、そして志摩ですら、エヴァが止まったことに気づかなかった。

「・・・・・・ぁ。」

今、目の前にある白いテープ。
エーチたちはそれが始まりだから、その先へ行ける。
でもエヴァにとってはそれが終わりになるかもしれない。

「・・・・・・。」

だからエヴァが行けるのは、ここまで。
あと1歩前に進めばこのテープが切れるのに、その直前で立ち止まってしまった。



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