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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.42 Eva episode(3)(1/4)
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6月の終わり

どんなことが起きようとも、時間の流れはとても無情だった。
朝と夜を繰り返して1日ずつ進んでいく日は、気付けばもう6月が終わろうとしていた。
そして今日、クロスカルテットはライブの衣装合わせの日。

「わぁっ!きぃちゃんカッコイイ!」

「でっしょ〜?アズも凄くいい感じ。似合ってるよ。」

「ありがとう!きぃちゃん。」

黒主体で、みんなお揃いのデザイン。
けどそれぞれアクセントとしてイメージカラーが使われている。
赤はエーチ、青はアズ、黄はキィ。

「アズもキィちゃんも大きさ大丈夫?苦しいとこない?」

「うん、平気だよ。えいちゃん。」

「このあとすぐダンスレッスン入ってるから今日も頑張ろうね。」

けど緑だけ誰からも合わされることなく、ソッと畳まれたまま。
全て1からやり直しとなった歌もダンスも、3人バージョンとして完成されていった。



エヴァの我が儘

そして『辞める』と口にしたエヴァはというと、あれからも変わりなく、志摩が寝泊りする形で一緒にいた。

「志摩さん、ごめんなさい。」

「あ、いや、大丈夫だよ。それはエヴァが謝ることじゃないし、気持ち分かるから。」

「けどこれは俺の我が儘ですから。」

「エヴァ・・・。」

だいぶ慣れたエヴァとの生活。
おかげで色んなことをお互いに知っていき、以前よりも近く、2人の距離は確かに縮んでいた。
あまり我が儘言ってこないエヴァの口から我が儘聞けるなんて、凄く新鮮。
けど、

「お風呂入りたい・・・です。」

「うん。ごめん。まだ包帯取れない状態だから我慢してね。気持ち凄く分かるけど。」

それとこれは別。
足を捻挫してる身の願いを叶えるにしても限度あるし、無理させるわけにもいかないからお預けさせた。



エヴァと蒸しタオル

「蒸しタオルで我慢してね。」

「お風呂に入れないのがこんなに辛いことだって思ってもいませんでした・・・。汗臭くて志摩さんに本当申し訳ないです。」

「大丈夫だって。頭はなんとか洗面所で洗えてるわけだし。」

エヴァは綺麗好きというか、汚いのがあまり好きじゃないらしい。
それでお風呂も好きで、普段は30分以上余裕で浸かってるとお喋りしてた話題の中で教えてくれた。
だから毎日毎晩。お風呂に入れない代わりに、こうして蒸しタオルで体を拭いている。

「志摩さん。背中、またお願いしてもいいですか?」

「あ、あぁ・・・。」

そして届かない背中を毎回お願いされるのだが、その度に志摩は彼のセクシーな無防備っぷりにドキッドキ。
いい感じに筋肉が引き締まった男の子の裸もいいなぁっと、介抱のどさくさに紛れて、ついつい思えてしまっていた。

(ついに俺、見境なくなってきたか?酔ってもないのに。いや、でもエヴァもいいしなー。)

もちろんこのことは、アリカに内緒にしてていただきたい・・・。



バスケ辞めた理由

「前にエーチから聞いたんだけど。バスケ部だったんだ?」

「はい。でもそれ中学までの話で、今は部活自体何も入ってないです。」

もちろんエヴァに背中を任されている最中も、他愛ない話を続ける。

「・・・エヴァの場合、高校入って直ぐに一人暮らしだったんだもんね?部活とかやってる時間なかったよね。家のこととか全部自分でやらなくちゃいけないし。」

「それもありますけど、でもきっと恐らく生活環境が変わらなくてもバスケは中学までで辞めてたと思います。」

「どうして?」

「突き指するのが嫌だったので・・・。」

「超初歩!辞めた理由超初歩!!」

でもその間、志摩はホッとしていた。
クロスカルテットを辞めると言ったあの日から日が経ち、まだ何も進んでいないけど。
思っていたよりエヴァが笑ってくれていて、元気でいたから安心していられた。



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