それからもゆっくりとした時間があっという間に過ぎていく。 あんな事故があったばかりだというのに・・・。 でもいつまでも目を逸らしてはいけない。
「エヴァ。ライブの件なんだけど、さ。」
だから志摩はエヴァと現実を見つめ合う。
「ごめん。兄貴から連絡あって予定は変えられない、らしい。」
「どうしてそこで志摩さんが謝るんですか?」
「いや、だってアリカのライブにはクロスカルテットのデビューも関わってんだ。なのに兄貴は予定を変える気なくて、エヴァ抜いて3人だけでって話になって。本当にごめん。」
「・・・俺の怪我を招いたのは俺自身のせいであって、徹夜さんを責めるのはお門違いです。」
アリカのバースデーライブ。クロスカルテットのデビューを飾る場にエヴァが立てないことを伝えた。 あれだけずっと頑張ってきたのに彼だけ立てない。 目の前まできた白いラインのテープを、メンバーと共に切ることが出来ないのだ。
「3週間・・・ですから。仕方ないです。」
けれどエヴァはその現実にショックを見せることなく、聞く前から受け入れていたようだった。
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