「だと思った。てっさんたちより付き合い長いから、エーチの本音聞けて安心したわ。」
するとアリカは、そうボソッと口にしながらホッとした息を吐く。 わしゃわしゃとエーチの頭を撫でて、あの日からずっと萎れたままのアホ毛を元の位置に戻させる。 彼はどうしてもそれが気になっていたようだ。
「けどエーチ。リーダーとしての答え=クロスカルテットの総意として受け止めていいのか?」
「・・・・・・。」
けどクロスカルテットのリーダーはエーチだけど、メンバーは彼だけではない。 だからエーチはアズとキィに向かって頭を深く深く下げた。
「アズ、キィちゃん。ごめん!俺やっぱりエヴァを待ちたい。エヴァを待ってみんなで、4人でステージに立ってスタートを切りたい。本当にごめん。こんな寸前でリーダーの俺がこんなこと言って・・・。」
2人だってこの日のために、厳しいレッスンを一緒に越えてきた仲間。 エヴァを抜かされたバージョンで完成されたモノを水の泡にさせて、自分の発言が1人のために2人まで巻き込むのだから。
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