それは今日も学校があった平日の日。 夕方からいつものレッスンスタジオで稽古があるのに、珍しく1人で事務所に訪れたエヴァ。 お客様を待ち合わせる席のソファーに座り、一緒にいた徹夜と向かい合って何かを話している。
『じゃあ何?エーチだけに押し付けるつもり?』
『いえ!そんなことは・・・。ただ俺は俺で返させてほしいだけです。このままだとリンを・・・。』
だけど、
『ただいま戻りましー・・・。』
『あ、お疲れ。志摩くん。』
『・・・お疲れ様、です。』
外回りから志摩が戻ってきて、そこで途絶えてしまったのだ。
『それじゃあ僕は、もう行かないとだから。』
『待ってください!徹夜さん、まだ話が・・・!』
それはチェリーストーンに入社してから間もない頃の話。 けれど未だに根があるとは知らず、忘れてしまった出来事だった。
『志摩。エヴァのことよろしくね。』
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