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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.40 Eva episode(1)(2/3)
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不調の2人が気になる

それから目的地途中にあった道の駅にて、いったんトイレ休憩を挟む。

「トイレ行きたい子行っておいで。飲み物も買ってもいいけど何か買うならそれぐらいにしといて。荷物になるといけないから。」

「はーい。」

トイレ行きたい人はトイレに行き。
飲み物が欲しい人は飲み物を買いに向かう。
そして自動販売機の所にエーチが1人いるところをちょうど見かけたので、アリカは追うように声を掛ける。

「エーチ。」

「あ、アリカ先輩・・・。」

どうやら彼もエーチのアホ毛具合が気になるようだ。
だからエーチが1人になるタイミングを見計らって、こっそりと事情を訊ねた。

「お前、エヴァと何かあったのか?2人ともいつもと様子がおかしいからさ。喧嘩でもしたのか?」

「・・・・・・。」

けど訳を語ろうとしない。
口をごもらせて、言いたくない素振りを見せる。



喧嘩出来る羨ましさ

「珍しいな、エヴァと喧嘩って。」

「・・・・・・。」

「まあ・・・、俺に出来ることあれば協力するから、さ。早めに解決させとけよ?デビューまでもうじきなんだからさ。」

無理矢理訊いたって、それはエーチを追い詰めるだけ。
なのでこれ以上問いただす真似はしない。
けど彼がより気にする材料にもなってしまう。

(アイツらでも喧嘩ってするんだな。)

そしてほんのちょっとの少しだけ。
良くないことだけど、喧嘩出来ることに羨ましく思った。



ライブ会場

こうしてトイレ休憩は終わりを告げ、再び走らせた車は数十分の時間を経てようやく目的地へ。
とあるライブ会場へと到着した。

「え?ここが目的地?」

「こんな時間から来ちゃっていいの?開いてる?」

「こんな時間じゃないと許可もらえないからな。今日は軽く下見する程度だけど。」

そう、この会場こそがアリカバースデーライブの開催地。すなわちクロスカルテットの出発点となる場所だ。

「えば、えば。着いたよ?」

「・・・ん、ごめん。寝てた。」

「うん。えば、すごくグッスリだった。大丈夫?」

「うん・・・。平気。」

寝ていたエヴァも起こして、車から降りた一同。
客席側の入口ではなく、スタッフ用の入口から中へと入っていった。



下見見学

「みんな、ちゃんとついてこいよー!」

「わー、待って待って。」

会場を裏から入るのは初めてな経験が多い人数の中で、慣れているのはアリカと徹夜のみ。
2人が先頭となり、合流した案内役のスタッフさんと一緒に、スイスイと奥へと進んでいく。
そして徹夜と志摩、アリカとクロスカルテットの4人に分かれて別行動。

「ここが楽屋。当日はここで仕度したり休憩したりする場所だ。」

「わー!これが楽屋!」

「テレビとかでたまに映るけど、生で見ると全然違うね!」

アリカが4人を連れて、楽屋の位置を把握させたのはついで。

「凄いね!思っていたより広い!」

「ね!」

本来の目的であるメインはこれから。ここから。



下見見学 2

楽屋の次は、大本命。ライブ会場のステージへとやって来た。

「わぁ・・・、すごい。」

「今はまだ何にもないけど当日はもっと凄いぜ。あっちの隅からそっちの隅まで、ずらーっといる観客の前で、お前らもここで今まで積み重ねてきたモノを披露するんだから。」

観客席から見るステージと。
ステージから見る観客席。
同じ建物内にいるのに、それぞれで視点は違うから抱く感想も勿論違って、それがまた何とも言えないぐらい不思議な感じを覚えさせられる。

「お前らの出番は中盤。俺の後輩グループとしてメンバー紹介のパフォーマンスあるから、しっかり盛り上げてくれよ。」

「オレたちもアリカ先輩とここで。」

「まあ客は全部俺ので俺が目的だから。観客の熱を冷ます真似はしてほしくないが、気軽にやってくれ。」

「っと言われても難しいよ。今からめっちゃ緊張してきたぁ〜っ!」

そして改めて気合いを入れさせるとてもいい機会となった。



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