動かせれなかった理由は、寝てる朝陽の抱き枕にされていたから。 裸なのに温かった理由は、朝陽の体温が肌を通してダイレクトに伝わってくるから。
(ぎゃあああ!?なんでこっちも裸なのー!?)
これは現実?それとも悪夢? 相も変わらずデッドラインを越えた3杯目からの記憶が抜け落ちてしまっており、何も思い出せない志摩。
(こ、これは夢!夢ならさっさと覚めてくれ!覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ。)
願わくは、越えてはいけない一線を越えてませんように。
(さめてさめてさめてさめてさめて。)
願わくは、朝陽(この人)と何事もありませんように。
(サメテサメテサメテサメテサメテ。)
まるでホラーゲームのように同じ言葉を繰り返す必死の祈り。 それは無情なことに天に届かず、
「ん・・・、あ。ましクン起きてたんだ。おはよ。」
「起きるのはアンタじゃなくて俺だー!」
朝陽に届いて、これは夢ではなく現実だと思い知る。
|