シュガーレス/ノンシュガー症候群と同夢主


「Buon compleanno,Giorno!」

「Tanti anguri,ナマエ!」

お気に入りのトラットリアでジョルノとナマエがテーブルを挟んでプレゼントを交換し合う。
ジョルノから渡された小さなショッパーを受け取って、嬉しそうに中を覗き込むナマエの肩をポンと叩いて「Ciao」とブチャラティが声を掛けてきた。

「二人でランチか?随分と仲がいいんだな」

「ゲッ!ブチャラティ!」

「ええ。ナマエとは誕生日が一日違いなので、お祝いも兼ねてランチを」

振り向いて反射的に出た声を抑えるように口を手で隠すナマエを見てジョルノが代わって説明する。
ジョルノの言う通り彼とナマエの誕生日は一日違いで、チームに加入した同期と言うこともあって一緒にランチをしてそこでプレゼントを交換しようと約束していたのだった。

「水臭いな。誕生日のパーティならまとめてやろうじゃあないか。オレにも祝わせてくれるだろ?」

「リーダーはいつも夜お忙しいでしょうから〜?」

横から顔を覗き込むようにして顔を近付けてくるブチャラティの頬を手で押し返しながらナマエがチクリと嫌味を言う。
そんなナマエの頬を指で突きながらブチャラティはニコリと笑った。

「なんだ、妬いてるのか?可愛いところあるじゃあねぇか。なァ、ズッケリーナ」

「誰がいつブチャラティのzuccherina(シュガー)になったのよ」

「キスでもすれば甘くなるか?」

「離れてください、マジで」

頬を押してくる手を払いブチャラティの肩を押すと、ブチャラティはわざとらしく肩を竦める。それがまたナマエの癇に障った。

「やれやれ、照れ屋だな」

「今の流れでどうして照れ屋だとかになるかなぁ!?」

「仲が良いんですね、二人は」

「ちょっとちょっとジョルノ!?今のどこら辺に仲の良さがあった?」

ブチャラティとナマエのやり取りをそれまで黙って見ていたジョルノが口を開く。それはナマエにとっては心外で手を顔の前で振るが、ブチャラティはそんなナマエの肩を抱いてきた。

「そうだぜ?オレとナマエは想い合ってるからな」

「へぇ、ブチャラティの本命はナマエでしたか」

「いつもの悪戯けだよ。それに私はブチャラティの事なんてなんとも思ってないし」

「それじゃあ僕が立候補しても問題ないですよね?」

「立候補?何に?」

「ナマエの恋人に。どうです?僕はあなたの恋人になれますか?」

「ひょわ……」

突然のジョルノの告白にナマエが驚くのも無理はない。

「なんだ、それが答えか?変わった返事だな」

「びっくりしたのとジョルノの顔が良すぎて変な声出た……。え、えぇ……?ジョルノ、本気なの?」

「冗談で言いませんよ、少なくとも僕はね」

「それはそうだね」

「オイ、誰の事を言ってる?」

「自覚はあるようで何より」

ジョルノはテーブルに置かれたナマエの手に手を重ねて、クスリと微笑んだ。

「それでどうです?一度、僕とデートしてくれませんか?」

「うん……そうだね。まぁ一回、出掛けてみようかな」

「イタリアで二人っきりで出掛けたら半分付き合ってるみてぇなもんだぞ。間違ってもその日のうちにセックスするなよ」

「するか、バカ」

上司でもあるブチャラティのありがた迷惑な助言にナマエが心底軽蔑する。

「ブチャラティはするんですか?」

「まァ……オレの場合は付き合おうとかそんなつもりはねぇからなァ」

「ドクズじゃん」

「ハハハ!よく言われる」

「褒めてないし」

「オレの顔好きだろ」

「ソレどういう感性で言ってるワケ?」

「オレは好きだぜ?ナマエの顔……とカラダ」

「サイッテー!」



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