▼ 03
「九条」
「あ!?」
「やっぱお前、変態だな」
だって、本気で抵抗してねぇもん。いくら俺の方が力が強いといっても、こいつだって一応男。本気で暴れたら抜け出すことくらい可能なはずだ。ってかそうなったら面倒なので俺も手離すし。
…でも、それをしないのは。
「期待してるのか」
「するわけねぇ!死ね!」
「死ねぇ?誰に向かってそんな口の利き方してんの?」
「い゛っ…」
ぐり、と膝で思いっきり奴の股の間を押し上げる。悲鳴が聞こえたが、そんなのはどうでもいい。
「やめ…っ、やめろ!いやだ!」
「お前が嫌かどうかなんて聞いてねぇんだよ」
「何でこんなこと、きもちわりぃっ」
「だから、お前の意見なんて聞いてないって」
「んぐッ」
うるさい奴。黙らせるためにその口へ指を突っ込んだ。
「誰にも言わなかったのは、俺にまたこういうことされたかったからだろ?」
「う、ぐ…んん!」
「言葉でどれだけ否定しても無駄だ。お前の顔見てりゃ分かる」
隠し切れてないんだよ。期待に滲んだ瞳で俺のこと見て、馬鹿じゃねぇの。
気付いてないとでも思ってたわけ?生憎こっちはこんな甘ったれの坊ちゃんに欺かれるほど鈍感じゃない。
「ふ、ん…ぐ」
「でもまぁ…きちんと学校にも来たし、授業にも参加したし、資料探しも言いつけ通りに手伝ったし…」
「あ…」
あっという間に唾液でべとべとになってしまった指を引き抜くと、奴は小さく声をあげた。何だその声。女じゃあるまいし。やっぱり期待してたんじゃねーか。
「この間よりは優しくしてやる」
「ひッ」
首筋に歯を立てながら、ぎゅっと制服の上から股間を掴む。
「あ、あ、いてぇっ」
段々と熱を帯びてくる九条の声。それに呼応するかのように、ペニスも緩く勃ち始めた。
「お、いっ、はなせ、はなせってば、こんなの、いやだ」
「いやなら絶対イくな。今から5分間我慢できたらもう二度とこんなことしない」
「5、分…」
「そう。5分間イかなかったら、お前を解放してやる。この間のことも忘れてやる」
どうだ、と耳元で囁きつつも下半身を刺激する手は止めない。九条はぶるぶると小刻みに震えている。
…まぁ、無理だろうけどな。こっちも手加減するつもりなんてないし。
忘れてやるわけがない。折角弱みを握ったのにわざわざ自分からそれを捨てるようなことをするなんて、それは馬鹿がやることだ。
こちらの考えなんて露ほども知らないであろう目の前の男は、涙目で何度も何度も頷いた。
「わかっ…た、絶対だな」
「あぁ、絶対だ」
絶対、お前をイかせてやるよ。
「じゃあ早速」
「あっ!?」
ズボンのベルトを外し、緩くなった隙間から手を滑り込ませる。直接触れるそこは、すでに硬く芯を持っていた。
「ん、んん…っ」
無言で好き勝手に扱く。竿を握り締めたり、少し張り出したカリの部分を指で擦ったり。俺のその動きを助長させるかのように、先端からはヌルヌルとした液体が零れている。
「はァ、っく、うんん!」
九条はビクビクと全身を痙攣させ、シャツに縋り付いてきた。指先が白くなってしまう程力を込められ、俺は心の中で舌打ちをする。おいやめろ皺になるだろうが。
「あぁッ、ん、ふっ、あっあっ」
「…びっしょびしょだな」
「ひぃぃっ、うる、うるさっ…あぁぁんっ!」
尿道口を刺激すれば、一層嬌声が大きくなった。ドプッと先走りの量が一気に増す。素直すぎるその反応に笑いが出てしまった。
そうか、お前はここが好きか。ならここをいっぱい犯してやる。
「いぁぁぁっ、ゆび、やめっ、くふぅぅんっ」
「まだ1分くらいしか経ってないぞ」
「あっあっあっ、うそ、やっ…はぁっあぁっんぁぁっ」
指を先っちょの穴にねじ込ませるように抉る。九条はもう立っていられないようで、俺にもたれかかるように身体を預け、完全にされるがままである。
何だ。つまんねーやつ。我慢できるって言ったくせにできてないし。耐え性のない馬鹿犬。
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