DOG | ナノ


▼ 04

…しかしまぁ、存外いい眺めだ。生意気な奴が自分の手で従順になっていくのは、何とも気分が良い。

「もうイくんじゃね」
「ひぃあっあっ、ちがっ、むりぃ、いやだっ」
「さっきまでの威勢はどうした。死ぬほど嫌いな相手にこんなことされて、悔しくないのか」
「うぐ…っ、てめ、あぁぁっ」

ぼろり。九条の瞳から一筋涙が零れる。おそらく快感によるものだろう。俺を睨む濡れた瞳の奥に、ゆらゆらと怒り以外の感情が燻っているのが手に取るように分かる。

「甘いんだよ、九条」

いくらお前が今まで周りの人間の上に立っていたとしても、それはお前の力じゃない。所詮親の力だ。お前一人だけじゃ、こんなにも脆い。

「あ、あ、いやだ、いやだいやだいやだぁぁっ」

ガクガクと奴の身体が痙攣し始める。ふと腕時計を見れば、すでに4分が経過するところだった。…ちょうど良い時間だな。

「残念。俺の勝ちだ」

指で輪を作り、ぐちゃぐちゃになっているペニスを根本から一気に擦り上げる。それと同時に強く強くその白い喉元に噛みついた。

「ひ…っあぁぁぁッ!」

途端に掌にかかる生ぬるい液体。犬歯をさらに肌に食い込ませれば、びしゃびしゃと断続的に漏れるそれ…もちろん精液だ。

あーあ、イっちゃった。

「いっ、あ…いたい、いたいっ」

痛い?イイの間違いだろ?

お前のここは、俺が痛いことをするたびに悦んで液体を垂らしてるけど。

「…ふ、く、あはは!」

堪え切れずに声をあげて笑った。九条は顔を伏せたままじっと動かない。

「お前やっぱり最高だな!」
「…」
「今噛まれた瞬間イったろ?なんで?痛いんじゃねぇの?なぁ九条、答えろよこの変態」
「…っせぇ!」
「おっと」

殴ることねーだろ。気持ちよくしてやったのに。寸でのところで拳をかわす。

無理矢理掴んで頭をあげさせれば、奴の顔は涙でぐしゃぐしゃだった。汗で額に前髪が張り付いている。

「くそっ、くそっ、くそ…っ」
「は、悔しいか」
「なんで、なんで俺なんだよ!死ねこのクソ教師っ、お前なんか、お前なんか」
「俺なんか…なに?」
「っ」

ぐっと距離を縮め、舐めるような視線で九条を見つめる。奴が声を喉の奥に押し込めた音がした。

ほら、何も出来ないくせに。吠えてんじゃねぇよ。馬鹿の一つ覚えか。この単細胞。

「今更逃げても無駄なんだよ」
「…」
「っていうか、」
「あぁッ!」

悲鳴が上がる。

「なんでここ、まだ勃たせてんの?」

散々出しただろ。人の手に遠慮なくきったねぇ液かけやがって。それでもまだ足りないのか。

「ちが、ちがう…これは」
「うるせぇよ。黙れ。言い訳なんか求めてない」

残念だったな九条。大人しくしてればこんな目に合わずにすんだのに。喧嘩を吹っ掛けるなら、もっと相手を選ぶべきだった。

俺みたいな男に捕まって…同情するよ我ながら。

「さっきの約束、覚えてんだろ」
「…」
「たった5分も我慢できねぇのか」

今更忘れてなんかやらない。こんな面白い玩具、誰が手放す。

「この、駄犬が」

仕方ないから、俺が責任もって躾けてやるよ。

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