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バニーボーイにご用心!

『今すぐぼくの家に来い。いいか、今すぐにだ。』

露伴先生から高圧的なメールが届いた。
なんだか急ぎの様子なので、とりあえず岸辺邸に向かう。

こんにちはー、と声を掛けながら入ったリビングで、私は自分の目を疑うことになる。

犬耳のついた仗助くんと、羊のツノがついた康一くん。それから猫耳がついた由花子。

それと、猫じゃらしを持つ楽しげな露伴先生と、難しい顔で図鑑を眺める承太郎さん。

なんだこの状況は。

「だからやめなさいって言ってるでしょう岸辺露伴!」

「ぼくは何もしてない。君が勝手にじゃれついてくるんだろう?…しかし本能ってやつなんだなあ。」

露伴先生は笑いながら手に持った猫じゃらしを揺らす。由花子は怒りながらもその猫じゃらしをぱしぱしと叩いている。

露伴先生の隣には漫画の資料だったのだろう分厚い動物図鑑が置いてある。そのうちの1冊を承太郎さんが読んでいるらしい。

「あ、ななこさん!スタンド攻撃っスよ!スタンド!」

仗助くんが尻尾をばたばたと振って手招きする。
話を聞くべく近づけば、康一くんがびくりと身を固くした。

「動物になる…?」

「あぁ、以前エジプトで会った『子供にするスタンド』と似たようなもんだろうな。」

スタンドに接触すればするほど身体は変化して、最終的に動物になってしまうんだろうと承太郎さんは説明してくれた。

下校途中に攻撃を受けたけれど、すぐに気づいたおかげで耳と尻尾くらいで済んでいて、そもそも露伴先生と承太郎さんは無事みたいだった。何度も接触するとマズイしみんなは顔が割れてしまったため、無事な二人で倒しに行く計画らしい。

「そういえば、億泰くんは…?」

下校途中なら当然一緒のはずの彼は、なぜかここにいない。

私の問いに、みんなが申し訳ないといった様子で笑いを堪える。露伴先生だけはさも楽しげに笑い出した。

「億泰はなぁ、怖いんだってよ。犬も猫も羊も!」

「へ?…億泰くん、なんの動物なの?」

「ウサギだよウサギ!いやー面白い!」

露伴先生が声高にそう言えば、仗助くんまで
「あれはねーよなぁ…」なんて失笑している。

「じゃあ、億泰くんはおうちに1人?」

「んー、まぁそうなるっスねぇ。」

「ウサギかぁ。ストレイキャットの面倒とか見られないよね。…私行ってくる!露伴先生承太郎さん、早くなんとかしてくださいね!」

そうお願いすると、私は億泰くんの家に向かった。

*****


「億泰くーん!」

相変わらず廃墟のような家に入りながら、彼の名前を呼ぶ。あってないような玄関から、階段を上がって2階へ。

「…ななこ!?」

ドアの向こうから驚いたような声。どうやら自室に籠もっているようだった。

「露伴先生から聞いたの。…大丈夫?」

「…帰れよ…」

ドアに伸ばしかけた手が止まる。帰れなんて、どうして。

「…うさぎさんだって気にしないよ?」

トントンとドアを叩きながらそう声を掛けるけど、億泰くんはドアを開けてはくれない。

「俺は大丈夫だから、いーから帰れって!」

「大丈夫なら顔くらい見せて。開けるね。」

鍵の掛からないドアで良かった、なんて思いながらノブを回す。
億泰くんは壁のほうを向いて、ベッドの上に背中を丸めて座っている。一目でウサギとわかる耳が、ぴくりとこちらを向いた。

「…ななこ…だから、帰れって…」

「怖くないよ。…億泰くん、大丈夫?」

側に近づいて、彼の背中に問いかける。
億泰くんは相変わらず帰れとしか言わない。
私は犬や猫みたいにウサギの捕食者じゃないから、大丈夫なはずなのに。

「ダメ、だから…早く、」

「…私、うさぎさん食べたりしないよ?」

安心させるように撫でた手を突然捕まれ、驚いている間にベッドにうつ伏せに組み敷かれる。破り捨てるように服が剥がされていく。

「…だからッ、帰れっつったろ…」

熱に浮かされたような、しんどそうな声。
顔を見たいけど、ベッドに押さえつけられていて叶わない。

「億泰くん、どうしちゃったの…」

「ななこッ…ごめんな、俺…」

カチャカチャとベルトを外す音がして、億泰くんの熱いモノが擦り付けられる。

「やっ、億泰くん…!?」

「ごめん…ッ…ごめんな…」

そのまま慣らしもせずに無理矢理身体を割り開かれる。億泰くんは荒い吐息の間にひたすら謝罪の言葉を混ぜ込みながら、ぐいぐいと腰を進めていく。

「…っく、あ…ッ痛…いよ、億泰く…」

「…ななこッ、ごめ…俺、止まんね…」

いつもは私が少しでも痛がったらすぐに止めてくれるのに、今日は違う。
奥まで挿入ってホッとしたのも束の間、すぐに抽送が始まる。

「やっ、あ、やだっ、や…」

「ッななこっ、ななこッ」

内臓を引き摺り出されちゃうんじゃないかって言う程激しく突かれて悲鳴しか出ない。
けど、私の名前を呼ぶ億泰くんも十分辛そうで、なんだか身体だけじゃなく心まで痛い。
程なくしてぎゅうっと抱き締められ、億泰くんは私の奥で達した。
やっと解放されるんだと安堵の溜息をついたものの、中の億泰くんは一向に萎える気配がない。

「…億泰くんっ!?」

「…マジ、ごめんなななこッ、俺、」

鼻をすする音と背中に零れる水滴。どうやら彼は泣いているらしい。それでも止められないようで、再び抽送を開始されて驚く。
億泰くんが放ったモノのおかげで、先程よりは痛くない。

「…や、あっ、なんで…こんな…っ」

「俺もわかんね…けど、なんかッ、ダメなんだ…腰が、止まんねー…」

首筋に噛み付かれて、身体が跳ねる。
ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が聞こえてくるのは、億泰くんだけのせいじゃない。

「…っあ、ッん、」

悲鳴だったはずの声に、色が混ざるのが自分でもわかる。穿たれる度に何かが弾けそうになって、いやいやと首を振った。

「…ななこッ、ななこ、ななこ…」

「…億、泰…く…んっ、!」

何度も何度も激しくされて、目の前が真っ白に弾けた。

*****

「…っん…あれ…」

「…ななこっ、良かった…ごめんな、俺ッ…」

気がつくと、目の前に平謝りする億泰くん。彼の頭にはもう耳なんて生えてない。

「スタンド使い、承太郎さんたちがやっつけたんだね。」

「…あぁ、戻ってほんと良かったぜー。」

照れたように笑うのはいつもの億泰くん。
うさぎ姿をちゃんと見られなかったのがちょっと残念だな、と思う。

「…いてて。」

「大丈夫か?」

起き上がろうとすると、身体が痛んだ。
億泰くんが心配そうに抱き起こしてくれて、「後で仗助に直してもらおうか?」なんて言う。

「大丈夫。…億泰くんは大丈夫?」

「あぁ、俺は全然。…ごめんな、ホント…」

しょんぼりする彼の頬にそっと口付ける。
億泰くんはスタンド攻撃されてたわけだし、制止を聞かなかった私も悪いよ。と、慰めの言葉を掛けるけど、彼はしょんぼりしたまま。

「大丈夫だからさ。ほら、みんな心配してるだろうし…元気出そ?」

「だってよォ…俺、ななこにあんなヒドイこと…」

話を聞けば、私が気絶した後も犯し続けていたらしい。全然覚えていないので、そんなに気にしなくてもいいのにと思う。

「…仕方ないって。由花子だってじゃれつくのを抑えられないみたいだったし。」

「…でもよォ、うさぎになったくらいであんなんなるワケなくねぇ?」

「…うーん…」

ふと、露伴先生と承太郎さんが見ていた図鑑のことを思い出す。それを見たら億泰くんも納得するんじゃないかと思って、痛む身体に鞭打って岸辺邸へと向かうことにした。

「億泰も戻ったんだな!」

嬉しそうに出迎えた仗助くんの後ろには、なくなったはずの尻尾が見える気がした。

「せんせー、図鑑見せて!」

億泰と二人で、動物図鑑を眺める。

『アナウサギは周年繁殖動物に分類され、年中繁殖することが可能であり、多産で繁殖力が高い動物である。 年中発情している獣はヒトとウサギくらいであるというイメージから、性的誘惑のシンボルとされる』

「なぁこれなんて読むんだ?」

「それは『はんしょく』。子供産んで増えるってこと。」

身体を寄せ合ってこそこそ話していたはずなのに、いつの間にか後ろから声がした。

「…バニーガールもそこから来てるらしいぜ。」

全部お見通し、みたいな顔をした露伴先生がニヤリと笑うので、私たちは仲良く真っ赤になるしかなかった。


萌えたらぜひ拍手を!


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bkm