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「#幼馴染」のBL小説を読む
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お姉さんは耳年増。

確かに、なんか変だなーってことが、いま思えばあったのかもしれない。

「…ねぇ、ななこさんはさぁ…初ちゅーの思い出とかある?」

「えー、なにそれ急に。」

例えば、なんともなしに聞いたファーストキスの話。
別に俺に意図はなくて、ただふと、ななこさんも今は大人だけどきっと俺くらいの時はキス一つでドキドキしたんだろーな、って思ったから。自分に余裕がないのは年齢のせいだって、確認したくて。

「他の男の子とキスした話、聞いたら燃えちゃう?」

なんて、俺を煽るから。
確かに、そんな話聞いても妬けるだけだよなーって思い直して、グロスでつやつやと濡れた唇に食いついた。あのときのキスは、たしかイチゴの味がした。

いつも余裕な顔してて、大人ぶってるっつーか包容力があるっつーか。
だから思いもしなかった。

「ね、ななこさん。」

「…なぁに、仗助くん。」

「そろそろ、させてくれても良くねぇ?」

「…18歳未満としたら、私が捕まっちゃうじゃない?」

軽く誤魔化されるたびに、欲望は膨らんで。
ぐっちゃぐちゃにしてやりたいとか、そんなに余裕ならアレもコレもしてやろうとか、そんなことばっかりが積もって。

別に童貞なわけじゃないし、正直言って、相手だけ探すなら困ったりしない。でもなんでかわかんないけど、俺はななこさんが好きで、彼女を暴きたくて仕方なかったんだ。

「…俺、もー我慢できないっス!」

俺に寄りかかって体育座りでテレビを見ていたななこさんは、びっくりして目をぱちくりさせた。

スカートから伸びる白い太腿は、無防備にソファに折り畳まれていて。
俺がいるっていうのに、暑いからってパンツが見えそうな格好で呑気にして。そのくせ背中はぴったりくっつけて。
俺を試してるんじゃないかって、なんかもう、子ども扱いすんなよって。

「…いーかげん、いいでしょ。付き合ってどんだけになると思ってんスか。」

回り込むようにくるりと移動すれば、寄りかかっていたななこさんの身体はソファに落っこちる。
立て膝で寝転んだ、その脚の間に割り込んで口付ける。

「…っん…!?」

不満の声は聞こえない。唇を塞いでいるから。どうにかして離そうともがいているみたいだったけど、舌を絡めて吸えば、次第に失われていく抵抗。

「ね、ななこさん。俺さ、アンタとしたいこと…いーっぱいあんだよね。」


*****


「…ななこさん、好き。」

耳許で囁いて、首筋に口付ける。
きつく吸い上げて痕を残しながら、手をそっと服の裾から差し込んで。

「…っや、仗助くんっ…」

くすぐったいのか身を捩って僅かな抵抗を見せる。別に未成年だからって、好き同士なら問題ないし、何よりこの場合俺がしたくてしてるんだからいいでしょ、と思う。

「ね、ななこさん俺のこと嫌いなの?」

これを言ったら、いつだって絶対にななこさんは折れてくれる。伝家の宝刀ってやつ。

「…そんなこと、ない…すき…」

毎回同じ答えでもって、ななこさんが許しちゃうのを俺は知ってる。
これで俺に気持ちがなきゃあ、詐欺師かイカサマ野郎かってとこなんだろうなと思う。
正義感の強い家族からは考えられないそんな才能、誰から貰ったのか。

「俺だって好きっス。…そしたらなーんも、問題ないっしょ?」

はい、もうその話はオシマイ。そう笑って、肌の感触に集中する。柔らかくて白い肌は、思わず食べてしまいたいほどに魅力的だった。

「ひゃあ…ッ、」

脇腹に軽く歯を立てると、ななこさんはなんだか間抜けな声を上げる。面白くて噛み付いたままくすくす笑うと、くすぐったいのかびくりと身体が跳ねた。

「…脱がしちゃお。いーっしょ?」

スカートのホックを外すと、慌ててウエストを押さえる手。指先をぺろりと舐めるとびっくりして引っ込んだので、そのままスカートを脱がす。スカートの下の薄い桃色の下着は、大人なななこさんのイメージと違って、逆にエロい。

「…っあ…見ないで、よっ…」

「…意外とかわいー趣味してんスね。…」

脚を開かせて、内腿のななこさんからは見えない位置に紅い鬱血を残した。これは俺の自己満足。痕がついたことを確認して、ちょっと勿体無いけど下着を下ろす。

「…っは…仗助くんっ…やだやだっ…」

戸惑うような声。脚をばたばたと動かして、抵抗される。まぁ舐められるのが嫌な子だっているし、と諦めて唇を離した。

「やだじゃないでしょ?ななこさん。…散々待たせたんだから、もっと楽しませてくれなきゃあ。」

胸に唇を落とす。ぷくりと膨れた先端を含んで、舌で転がすと、ななこさんは唇を噛んで、小さく吐息を漏らした。

「…っふ…ぁ…」

「…舐められるの、好きじゃないの?…きもちいーと、思うんだけど。」

指先をそっと這わせれば、既に濡れていて。
くるりと縁をなぞるように撫でれば、可愛らしい声が聞こえた。

「…やっ、仗助くんッ…」

「…だったらさ、どんなのが好き?ちゃんと教えてよ…ねぇ、ななこさん?」

意地悪したいのと、ちゃんと気持ち良くしてあげたいのと、半分半分。
指をつぷりと差し込むと、ななこさんはあろうことか、涙を零した。

「…や、だ…怖いよ、仗助くんっ…」

「え、怖いって、俺…なんかした?」

慌てて手を離して、彼女を見つめる。
そりゃあちょっと強引つーか意地悪かったかもしんないけど、普通にしてるつもりだし、怖がられる意味がわからない。何かいけないことでもしただろうか。

「ちがう、…わ、たし…ッ、」

涙の間に告げられた言葉に、耳を疑う。
まさか、いつもあんな余裕ぶってたななこさんが。

「へ?はじ、めて…?」

経験豊富だと思ってた俺が間違ってた、ってコトっスか…!?
思わず頭の中の言葉がそのまま出てしまう。

彼女は涙をぽろぽろ零しながら、俺にごめんなさい…なんて力無い言葉を投げかける。

「…やっぱり、怖…くてッ…」

「ごめ、俺ッ…初めてだなんて、思わなくてっ」

もっと優しくだって、できた。
ちゃんと目を合わせながら好きだって言って、愛し合うって単語がぴったりのセックスだって、できたはず。だけど少しくらい大丈夫だろうなんて、子供じみた甘えと決めつけで、結果泣かせる羽目になってしまった。
心が痛むけれど、その泣き顔に唆られてしまうのも事実で。

どう軌道修正したらいいのかわからなくて、困ってしまう。

「…きらいに、なった…?」

戸惑う俺に不安になったのか、涙目のまま視線を上げるななこさん。
思わず生唾を飲む。すげー、色っぽい。

「そんなわけないっす。…むしろななこさんの初めてとか、すげー嬉しい。」

涙の浮かぶ目尻に口付けると、ぎゅっと抱き着いてくる。いつも余裕で大人びたななこさんのこんな姿、初めて見る。

「じょーすけ、くん…」

ホントは、怖がって泣くのなら、止めなきゃいけないんだと思う。けれど火がついてしまった身体は、そんなこと到底無理だと主張していて。

「…ななこさん、ごめんね…続き、してもいい…?」

なんてワガママなんだろうと思うけれど、俺はどうしようもなくガキで、泣きながらも意を決したように頷くななこさんはやっぱり大人だった。

「…ん、…」

「…仕切り直させて。ちゃんと、優しくするから。」

先程までの謝罪と、精一杯の愛を込めて口付ける。ななこさんの唇はほんのりと涙の味がした。

「…っう、…」

「痛い?…そんなにキツくはなさそーっスけど…」

指を一本、ゆっくり差し込む。
ななこさんは不安げにしがみついて、息を荒げている。

「…だいじょー、ぶ…」

「…ね、ななこさん。…俺さ、ほんとーに大好きなんスよ。」

抱き締めたまま、慎重に中を探っていく。
ななこさんは時折眉間に皺を寄せながら緊張した様子で、身体を預けるには俺じゃ頼りないのかな、なんて不安を一蹴したくて、言葉を紡いだ。

「…ね、泣かないで。心配しないで。たまにはななこさんが甘えてさぁ…俺に、自信つけさせてよ。」

伏せられていた瞼が、ゆっくりと持ち上がる。未だ涙に濡れた瞳が俺を見つめた。

「…っじょ…すけ、くん…」

きゅ、と中が蠢いて指先に絡みつく。
ななこさんはふるりと身体を震わせて、恥ずかしそうに再び瞳を伏せた。

「…好きっスよ。」

「…っあ…」

吐息と共に、身体の力が抜ける。
そっと指を増やしていく。眉間に寄っていた皺もいつの間にか消えているし、痛くはなさそうだ。

「…まだ、怖い?」

本当はこんなこと聞くのは野暮なんだけど、ちゃんと言葉で大丈夫だって聞かないと不安で、俺はやっぱりガキなのかなって、ちこっとだけ反省した。

「…も、だいじょぶ…っ、きもち、い…かも…」

とんでもなく恥ずかしそうに、とんでもない台詞を吐かれて、腰がずくりと疼いた。

「…ッ、ななこさ…俺ッ…もう、挿れたい…」

あぁもう、もっとちゃんと、してやんなきゃいけねーってのに。

「…ん、…いーよ…」

思考とは裏腹に身体はななこさんをただ求めていて。可愛らしく頷かれてしまっては、もう余裕なんてない。せめてこれくらいはちゃんとしようと、慌ただしくゴムを探し当てる。俺の身体が離れるのを不安げな瞳が追うけど、こればっかりはななこさんのためだから。

「…力、抜いて…だいじょーぶだから…」

「…ふ…っ、く…」

一気に貫いてしまいたいのを必死で抑えて、少しずつ腰を進めていく。
ななこさんはぎゅっと瞳を閉じてシーツを握りしめて、しんどそうに浅い呼吸を繰り返している。

「…ななこさん、好き…」

両手を捕まえて、指を絡ませる。
うっすらと開いた瞳と視線が絡んで、なんだか全部こんがらがってしまいそうだと思う。
もうこのまんま二人、解けなくったっていい。

「…じょ、すけ…く、…すき…ッ…」

ぎゅっと手を握って、吐息の間に唇を動かすななこさんが堪らなく可愛い。

「…もーちょっと、我慢して…ッ…」

「ぅ、やぁ…ッ!」

ぐ、と最後まで押し込むと短い悲鳴が上がる。
無理をさせてしまったと、額に張り付いた髪をそっと退かして口付けた。

「…全部、入ったっス。…大丈夫…?」

「…っは、…ッ…う、ん…」

ななこさんはそれどころじゃない様子なのに、俺に心配かけるまいと頷いてくれて。
俺だってぐっちゃぐちゃに突き壊してやりたいのを必死で思い止まってるけど、そんなのよりずっとしんどいんだと思う。

「…好きっス。…すげー、幸せ…」

しんどくても泣いてても、嫌だって言われないのは、アンタも俺と繋がりたいんだって自惚れていいっスよね。
だって、わたしも、って、唇を動かしたのを俺は見たから。

「…っあ…ぅ、…ッは…」

「…ななこさん、好き…」

なるべくゆっくり、って思っていたのは最初だけで、いつの間にか本能の赴くまま。

「…やっ、あ、あっ、じょ、すけ、くっ…」

泣きながら俺を呼ぶななこさんが堪らなく愛しくて、何度も名前を呼びながら腰を打ち付けた。

「…ななこッ、…好き、ななこ…!」

ぎゅっと抱き締めて、びくびくと腰を震わせる。頭ン中が真っ白になって、ただななこさんのあったかさに包まれて溶けてしまいそうだと思った。

*****

「…だいじょーぶ…?」

心配そうに声をかけるけど、ななこさんの瞳は伏せられたままで、不安になる。
冷静に考えたら、気持ち良かったのはもしかして俺だけかも、なんて。
でも返ってきたのは、思いもよらない反応。

「…は、ずかし…い…」

ぽつりとそれだけ零すと、ななこさんはくるりと背中を向ける。動作はかなり緩慢で、しんどそうだ。

「…今更遅いっス。…すげー可愛かった。」

背中を向けたななこさんの、赤く染まった首筋に口付ける。

「…言わないで…!」

イヤイヤと首を振るので、髪が俺の頬を掠めてくすぐったい。恥ずかしがる姿があまりに可愛くて、思わずニヤけてしまう。

「…俺、ななこさんの初めて貰えてすげー嬉しい。」

素直にそう告げると、ななこさんはびっくりしたようにこちらを振り向いた。

「…え…!?」

「…え?だって初体験って一生残るじゃないっスかぁ。…それ、嬉しーな、って。」

離すつもりは更々ないけど、もし万が一別れるようなことがあっても俺が一生残るとか、男冥利に尽きるってもんでしょ。
そう言うと、ななこさんは恥ずかしそうに笑った。

「…じゃあ、私は…仗助くんの『最後の女』になりたいな…。」

「そんな言葉どこで覚えてくるんスか。ななこさんてば…耳年増、ってやつ?」

初めてだったくせに、と揶揄ってやればあっという間に真っ赤に染まる頬。

「じょーすけくんのバカ…ッ!」

飛んできた腕を捕まえて、胸に抱き留める。
こんなに可愛らしくなってしまうなら、もっと早くに組み敷いてしまえば良かったなんて。

「…でも好きでしょ?」

耳元でそう囁けば、茹で蛸みたいになりながらもななこさんは小さく頷いた。


萌えたらぜひ拍手を!


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bkm