いつもいつも、いっつも!
露伴先生は私に意地悪する。
年下だからからかわれてるんだと思うけど、唇の端を持ち上げて楽しげに私の反応を眺めている露伴先生。
怒ったところで「君がいけないんだからな」と何故か私のせいにされてしまう。
やられっぱなしも嫌なので、仕返しを考えることにした。
「ねぇ、せんせ。…今日は私にさせてください。」
上目遣いで見上げると、先生は楽しげに唇の端を持ち上げる。
「へぇ、君が誘ってくるなんて珍しいじゃあないか。」
「…たまには…お返ししたいと思って。」
そう言って挑発するように見つめれば、先生は瞬きを一つして、蠱惑的な笑みを浮かべた。
「へぇ…やってみなよ。」
*****
「手、出さないでくださいね。」
少し申し訳ないかなと思いつつも、露伴先生の腕を後ろ手に縛る。先生は少し驚いた様子だったけれど、私が慣れない様子で縛っていくのを興味深そうに見つめていた。
「…今日は君が全部してくれるってわけかい?」
「…そう…なりますね。」
「…ふぅん。」
後ろ手に縛られたことを意にも介さず、露伴先生は私に不躾な視線だけを送ってくる。
「上手くできるかわからないけど、頑張ります…」
そっと頬に口付けると、露伴先生が瞳を閉じるのがわかった。
そのまま何度も口付けていく。耳元に息を吹き掛けると、先生の身体がぴくりと強張る。
「耳、気持ちいーですか?」
囁いて耳朶をそっと噛む。
そのまま舐め上げて、耳の穴に舌を差し込む。舌を浅く出し入れすれば、露伴先生が小さく吐息を洩らした。
「…っう…」
気持ちいいのか逃げ出したいのか、眉間に皺が寄っている。
耳への愛撫はそのままに、指先をそっと首筋に這わせる。
触れるか触れないかの距離で、動脈の上を何度も往復すると、先生は擽ったそうに身を捩った。
「先生、気持ちいいみたいですね。」
「っ…くすぐったいん、だ…ッ…」
脇腹から胸に向かっても同じように撫でていく。露伴先生は逃げようとしているようだけど、上手くいかないみたいだった。
「くすぐったいだけなら…なんで勃ってるんですか…?」
勃ち上がりかけているモノを布越しに撫でる。まだ少し柔らかなそこは、撫でるたびに頭をもたげていく。
「…ッは…ぁ…う、るさいぞ、ななこ…っ…」
息を荒げる露伴先生はとても色っぽい。
ほんのりと染まる頬をそっと撫でると瞳を伏せたので、瞼に優しく口付けた。
「せんせ、咥えてあげましょうか?」
耳元で小さく囁いて、足の間にしゃがみ込む。
「…随分と、いい眺めだな…」
余裕ぶっているけれど、目の前にはきつそうなズボン。なんだか私が優位に立てている気がして嬉しくなってしまうけど、言ったら先生は怒ってしまうだろうから、黙っておく。
「…私も、「いい眺め」です。」
ズボンの前をはだけさせて、下着を強引に下ろせば、露伴先生モノが勢いよく飛び出した。見せつけるようにゆっくりと唇を近付けると、期待のこもった吐息が聞こえた。
「…ななこ…」
小さく名前を呼ばれたのを合図に、ゆっくりと口内に沈めていく。
「…ん、ぅ…」
形を確かめるように舌を這わせる。
視線を感じて瞳を上げると、こちらを眺める露伴先生。
「…ッは…、ななこ…」
「…せんせ、イくときは教えてくださいね。」
喉の奥まで差し込んで、唾液を絡めながら引き摺り出して。はしたない音を立てながら、扱き上げていく。
その度に先生は、ふっ、とかはぁ、とか小さく喘ぎを漏らした。
「…ななこッ、も、いいから…」
「…まだ、これからですよ?せんせ。」
止める声は聞かなかったことにして愛撫を続けると、亀頭がぐっと張り詰め、少しばかり腰が浮く。どうやらもう少しで達しそうになっているみたいだけど、先生は息を荒げるだけ。
「…っう、ぁ…、は…っ…?」
びくつく露伴先生から、唇を離す。
先生は刺激が止んだことに戸惑っている様子だった。
「イクときは教えてくださいって、言いましたよね?」
見つめてそう言えば、恥ずかしそうに視線を逸らされる。
「…っ、断る…ッ…」
「別にイきたくないならそれでいいですけど。」
先生の様子を伺いながら、愛撫を再開する。
イかせないように様子を伺いながら舐めていると、痺れを切らしたのか腰を揺らして突き入れようとしてくる。
「…っ、ななこ…」
「イかせてって言えない人は、ダメですよ。」
先走りと唾液でぐちゃぐちゃのソレを握ると、先生は唇をぎゅっと噛み締めた。
年下の彼女におねだりなんて、先生のプライドが許さないのだろうか。苦悶する視線と薄く開いた唇から漏れる荒い息に、私の方が負けそうになる。
「せんせ、早く言ってよ…私も、先生の…挿れたいな…」
耳許で誘うように囁けば、最後のプライドが陥落したらしい。
長い睫毛を震わせて、荒げた吐息とともに消え入りそうに先生は言う。
「…君の、中で…い、かせて…くれ…ッ…」
「せんせ、私…その一言だけで準備万端な感じです…」
性急に下着を下せば、触ってもいないのに糸を引いた。間違いなく露伴先生の痴態のせいだ。
ちゅ、と頬に口付けを落として、露伴先生の上に跨る。そのままゆっくり腰を落とした。
「…ッあ…ななこッ…」
「…せんせッ…」
奥まで納めるのを待たずに腰を使う。
後ろ手に縛られている先生はバランスが上手く取れないようで、私にされるまま揺さぶられている。
「…ッも、ダメ…だ…ッ!」
先生はいともあっさりと身体を震わせ、私の中に精を吐き出した。
「…イク時は教えてって言ったのに。」
ぽすりと後ろに倒れこむ露伴先生にのしかかるようにして、不満の声を上げる。
未だ中にいる露伴先生を刺激するように腰を揺らせば、イヤイヤと首を振った。
「っうぁ、やめ…ッ…」
「…せんせー、かーわいー。」
汗のせいか涙のせいか、目尻に張り付いた髪を指先で掬う。先生はこっちを睨み付けてくるけど、涙目で睨まれたってちっとも怖くない。
「やめ、ろって…」
「…ねぇ先生。大好き。」
「…ッ…!」
よく先生が私に「君がいけないんだからな」って言う理由がわかってしまった。
確かにこれは、先生がいけない。
「先生、このままもっかい…してもいい?」
返事を待たずに、口付けた。
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bkm