!!attention!!
男主×露伴。
短く暗いです。
OKな方のみどうぞ。
*****
何か思い出したくなるような青い空。
天気はいいのに気分はセンチメンタル。
お気に入りの曲を聴いてみたけれど、昔の感傷が蘇っただけだった。
あぁ、この歌はまるで僕たちみたいだな。
「なにシケた顔してるんだよ。僕といるのがそんなにつまらないか。」
「露伴。」
「こんなに快適なぼくの家で、あまつさえぼくの隣で!そんな顔されちゃあこっちまでつまらなくなるじゃあないか。」
ぶすくれた表情。せっかく側にいるんだからぼくに構え、って意味なんだろうと思う。
「ごめんな、あんまり天気がいいからさ。」
「…理由になってない。」
隣に座る恋人は相変わらず不遜な態度で、長い足を持て余し気味に組み替えた。
「あんまり天気がいいと、死にたくならないか。」
「はぁ?」
驚いたような、軽蔑するような、それでいて憐れむような。露伴はなんとも形容しがたい表情をした。
「なんだよそれ。」
「ぼくを置いて死んだりしたら、末代まで祟ってやる。」
「それ僕死んでるから意味ないし。…それに、僕が末代だからさ。」
どう考えても、露伴以外と一緒にいる未来が見えない。
本当のことを言うと、露伴と一緒にいる未来すらあやふやだ。
だって僕たちの間には、何もないんだから。
「随分と感傷的だな。」
頭をぐしゃぐしゃと掻き回される。
短い髪が露伴の手を擽って、最後に彼は頭にひとつ口付けをくれた。
「露伴こそ、今日は優しいんじゃないの。」
「ぼくは何時だって優しいさ。」
にやりと唇の端を持ち上げる恋人は、僕を慰めてくれようと内心では必死になっているに違いない。
この家に来るまで聞いていた曲を思い出す。
『禁断の書物を開き結末を読み上げる』賢者はきっと露伴なんだろう。
「じゃあ、このまま側にいて。」
手を引いて、露伴を引き寄せる。
なんの抵抗もなく、彼は僕の胸に収まった。
『僕は君を抱き締めている
罪の領域に身を委ね』
聞きなれた曲のフレーズが頭をよぎる。
振り払うように、そっと露伴に口付けた。
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bkm