なんで妹なんでさァ


「ひかる」
「ん??あ、総悟くんだ」

呼んだら全力の笑顔で寄ってきたこの女は、俺にとって可愛くて可愛くてしょうがねぇやつで。
そんでもって、

「おぃ、ひかる。必要以上にそいつに近寄るな。…アホが移る」

よりにもよって土方コノヤローの妹だったりする。

「なに仰ってるんですか兄様!!そのようなこと総悟くんに失礼です!!」
「そうですぜィ、土方さん。アンタのシスコンが移った方が大変でさァ。俺がちゃーんと守らねぇと」

そう言って俺がひかるを抱き寄せると、ひかるははわわとちょっと赤くなる。

「総悟ぉ…今なら怒らねぇから…すぐにその手を離しな」
「嫌だなァ、土方さん。アンタそんなこと言って、俺がひかるを離した瞬間に切りかかってくるんでさァ。わかってますぜィ、アンタの考えてることくらい」

俺がそう言ってやると土方さんのコメカミに血管が浮き出る。

「にっ、兄様!!そろそろ巡回の時間じゃなくて??!私、隊務を全うされる真面目な兄様が大好きです!!」

俺の腕の中でひかるが慌てたそうにそう言うと、最後の"大好きです"が効いたのか土方さんは"そうだな"とすんなり退いてった。
…まぁ"総悟、後で覚えとけよ"とかえらく物騒なセリフも置いてきやがりましたがねィ。

「…もー!!総悟くんどうして兄様を煽るようなこと言うの!!危なかったじゃん(私が)!!」

最後に余計なもんがついたよーな気もしやすが、まぁいいでさァ。
俺のこと心配してくれて、やっぱ土方さんとどこらへんの血が繋がってんのか全くわかりやせんぜ。

「土方さんのことなんてどーでもいいんでさァ。ただ、アンタがヤツの妹だってのが気にくわねぇだけですぜィ」
「…??なんで??」
「そりゃあ、将来土方さんをお義兄さんとか呼ばなきゃなんねぇからに決まってまさァ」
「なっ…」
「好きですぜ、ひかる」

この世にアンタが生まれてきてくれたことにはホント感謝しまさァ。
ただ…

「なんで妹なんでさァ…」

ヘドが出ても土方コノヤローをお義兄さんとは呼びたくありやせん。





おまけ(ならぬ懺悔)。

「なァ、そこの藍色」

へ、あ、はい。…なんスか

「なんでこんな短いんでさァ。もっと俺とひかるのラブラブな…」
「ちょっと総悟くん??!何いっちゃってんの??!…ごめんね、藍さん。気にしないで」

いや、はい、ありがとうひかるさん。でもあの…

心のそこからごめんなさい。
これが限界でした。



…アンタのしゃべり方が分かりにくいのがいけないんだわ、アホ総悟!!

「人のせいにするなんざ見苦しいですぜィ」

すみません。

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