罰ゲーム(綱塔・準備編)


「うちからの命令は…綱海!塔子!…明日二人でデート!!」
「「デ、デートぉ〜!?!?」
何故こんな話になったのかというと話は数十分前にさかのぼる。

ー数十分前ー
FFIも終わり、皆で円堂の家で打ち上げをしていたのだ。
「皆!!お疲れ様でしたーっ!!」
「「「お疲れーっ!!」」」

「にしてもホント世界は凄かったよな!!」
「その分俺達も強くなんなきゃだから練習辛かったけどな」

皆でわいわいと盛り上がっている時だった。
「なぁ!!せっかくやし、なんかゲームでもやらん?」
リカが大声で皆に言った。
「おっ!いいぜ!!じゃあサッカー「以外で」なんでだよ!!」
サッカーバカの円堂はサッカー以外と言われて不満げだった。
「サッカーはもうさんざんやったやろ!!それにサッカーやったらあたしや塔子はえーけど秋達は参加できへんやろ!!」
「うっ…」
確かに最初の内は大丈夫だろうが結局は皆本気になってしまうだろう。それに混ざるのはほぼ初心者の秋達にはキツい。
「んじゃ何すんだ?」
「ここは無難にトランプでどうや?人数多いからペアになって最下位の二人は一番最初に勝ったペアの命令をそれぞれ聞くんや!!ってゆーても実現出来る範囲内の命令やけどな」
「面白そうだな!!んでペアはどーやって決めるんだ?」
「このトランプ引いて同じ色、数字の人がペアや!その方が公平やろ?」
「よし!んじゃ引くぞ!!せーのっ!!」
ばっ!!
皆が一斉にカードを引き、各々が自分とペアの人を見つけた。
「おっ!!俺は豪炎寺とか!」
「俺は春奈とだな」
「頑張ろーね!お兄ちゃん!!」
「あたしは綱海とか。よろしくな!」
「おぅ!」

こうしてペアも決まり、ゲームが始まった。

結果から言うと綱海&塔子ペアが最下位でリカ&立向居ペアが一位だった。
「んじゃうちらが綱海と塔子に命令出来るって訳やな!!」
「言っとくけど変なのはダメだからな!!」
「分かっとるって!!立向居先命令してえーよ」
「は、はい!!…じゃあ綱海さん!!」
「しょーがねーか…よっしゃ!なんでもこい!!」
「えと、その…また一緒に俺のキーパー練習に付き合って下さい!!」
「!…ばっかだなー立向居、んなのいつでも付き合ってやるぜ!!」
綱海はもっと凄い命令かと思っていたので少し呆気にとられたがすぐに笑顔で快諾した。立向居の方も綱海に承諾されてほっとしていた。
「つまらんな〜もっと凄いの言ってもよかったんやで?…まぁええわ。うちからの命令は…綱海!塔子!二人でデートや!!」
こうして冒頭に戻る。

「ちょ、待てよリカ!!なんであたしと綱海がデートなんかしなきゃいけないんだよ!!」
「まぁ別に俺は構わねーけどよ」
「いやあたしも別に綱海とならいーんだけどさ、問題は何でそーなるんだよってことだよ!!また変なコト考えてるんじゃないだろーな?」
(デートには二人共抵抗ないんやな…よしっ)
「まぁまぁ落ち着いてーな。綱海とのデートは塔子!!あんたの為でもあるんやで!!」
リカはビシッと指で塔子を指した。
「あ、あたし!?」
「そうや!!…塔子…あんたも14歳やねんからちょっとは女の子らしくなり!!」
「え〜いーよ、そんなの」
「あかん!!そんなんやと嫁の貰い手がなくなるで!!」
「いーよ、そしたら独身でいるから」
「そんなのあかん!!…とにかく!!これは命令なんやから明日綱海とデートするんや!!」
「え〜…しょーがないな〜」
「まぁいーじゃねーか!細けーことは気にしねーで明日は二人で遊ぼーぜ!!」
「!!…そうだな!!」
リカに対して色々言っていたものの綱海の言葉を聞いてデート自体には文句がないし、綱海となら楽しそうだと思ったので塔子は明日は思いっ切り遊ぼうと思った。
「よっしゃ!!そーなったらさっそく夏未ん家行くで!!」
「へっ?リカ達ここに泊まらないのか?」
てっきり自分ん家に皆泊まると思っていた円堂は驚いてリカに尋ねた。
「ただでさえ人数多いんだから女子達は私の家に泊まることにしたの。いくら何でも男子達と一緒に雑魚寝って訳にはいかないでしょう?」
「そうなのか?…んじゃあまたな!!」
「「「またね!!」」」
他のメンバーも女子達に挨拶をした。
そんな中リカは綱海の袖を引っ張って耳元で囁いた。
「明日の待ち合わせ時間なんかは後で連絡するからちゃんと明日時間通りに来るんやで?」
「んぁ?分かったよ」
「明日楽しみにしててな〜」
そう言ってリカは手をヒラヒラと振りながら塔子達に追い付いていった。
「何考えてんだ?あいつ…」


「ホント…リカ何考えてんの」
「え?何って?」
「だから!!何でこんなに着せ替え人形みたいな目にあわなくちゃいけないんだよ!?」
そう言っている間も秋や夏未が塔子にこれが可愛いやらこれは似合わない等と言って色んな服をコーディネートしていた。
「アホやな〜塔子、これはデートなんやで?かわいーカッコするのは当たり前やろ!!」
「そうよ、塔子さん!!せっかくのデートなんだら綱海さんを驚かせましょうよ!!」
「何で秋達も張り切ってるんだ…?」
「だって塔子さんってせっかく可愛いのにいつも私服姿ってスーツなんですもん!!私塔子さんにメイクもしたいです!!」
「えぇっ!?」
「あらいいじゃない。塔子さん肌が綺麗だからメイクがはえるわよ。」
「い、いーって!!そこまでしなくても!!スーツがダメだって言うならちゃんと私服は着るから!!」
そう言って後退りしながら部屋を出ようとするが
「「「逃がしませんよ」」」
マネ達が許してくれなかった。
その後塔子は女子達に好き放題にさる、雷門邸に一人の悲鳴が聞こえたとか聞こえなかったとか。

ー同時刻ー
「にしても凄い事になったな〜。綱海とあの塔子がデートとはね」
男子達は秋達が雷門邸に行ってからもわいわいと喋り続けていた。
「んぁ?デートって言ったってそれは浦部が勝手に言ってるだけだろ?別に普通に塔子と遊んで来るだけだって」
「…少しは緊張とかしないのか?」風丸が尋ねた。
「遊ぶだけで何で緊張するんだよ?」
綱海は心底訳が分からないという顔で言った。
「まぁ…綱海はそうだろうな…」
「でも明日塔子さんに会ったら綱海君、びっくりするんじゃない?」
フフと不敵な微笑みを浮かべてで吹雪は言った。
「あ?何でだよ?」
「あのリカさんの張り切り様見たでしょ?塔子さん見た目は可愛いし、それにリカさんが色々手を加えたら凄い事になるかもよ?」
「凄い事にねぇ…まぁそんなの海の大きさに比べたらちっぽけな事よ!!」
と綱海は豪快に笑っていた。
「それ使い方合ってんのか…?」

ブブブ…
誰かの携帯のバイブ音が鳴った。
「っと…俺のだ…さっき浦部に言われた明日の事か?えーと…『明日10時に遊園地の入り口に集合。そこでもちょこちょこ指令出すから楽しみにしててやー』…って命令ってデートの内容も込みかよ…」
「まぁいいじゃないか。明日楽しんで来いよ」
「おー。サンキューな!!」

こうしてこの日の夜はあっという間に過ぎ去った。
 
 

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