海に行こう!!(綱塔)


「てな訳で海に行こうぜ!!」
「待て待て円堂。何がてな訳なんだ」
ミーティング後いきなり握り拳を振り上げてそう告げた円堂に鬼道の冷静なツッコミが入った
「いや最近練習ばっかだから息抜きも必要だろうって監督が明日休みにしてくれたんだ」
「成る程、珍しいこともあるんだな。だからといって何故海なのかは分からんがな」
「細かいこと気にすんなって!てな訳で海に行くぞ!!」
「「「「(よく分かんないけど)おー!!」」」」

次の日
「いーっやっほーい!!」
「流石綱海。はしゃいでんなー」
さっそくサーフィンしている綱海の姿を塔子は少し呆れながらも笑って見ていた
「どや〜。やっぱ海の男はええんとちゃう〜?」
「何言ってんだリカ?んなことより早く泳ごうぜ!!」
「そんなことちゃう!!やっぱ塔子には綱海みたいな男が「もー。そんなのいいから早くいくよ!!」
「あ、ちょっと塔子!」
塔子はリカの話を遮るとリカの手を取って一目散に海へ駆け出しって行った

十分後
「あかん、もう無理…」
リカが息絶え絶えながら言った
「だらしないな〜。たった十分しか泳いでないじゃん」
対する塔子はけろりとしていた
「十分もや!!なんで塔子はヘーキなん!?」
「いや普通だろ?リカが体力ないだけなんじゃん?」
「あんたが有りすぎんや!!そもそもせっかく海来てるのに何が悲しくて女二人で遠泳なんかしてるんや!!」
激昂しているリカに対して塔子は
「海っていったら普通泳ぐだろ?」
何言ってんのという顔で言った
「何ゆーてんねん!!あ〜こんな時ダーリンが近くに居てくれたら…」
「あーはいはい。あたしもうひと泳ぎしてくるから」
いきなりリカの一之瀬話が始まり、塔子は付き合ってらんないという風に手をヒラヒラと振りながら海へ向かって行った
「あっ!ちょー塔子ー!!」

(泳ぐ以外に海ですることってあるのか?あっ!リカの奴ビーチバレーがしたかったのか!?でも二人でか?)
おそらくリカが思っていたのとは違うことを思いながら塔子はただひたすらに泳いでいた

そんな時だった
塔子に異変が起きたのは
(っ…ヤバいっ足つった…どうしよっ…このままじゃ…)
深い海にだんだんと沈んでいき焦る塔子を力強く引っ張ったのは少し黒ずんだ見覚えのある腕だった
「ぶはっ!!大丈夫か塔子!!」
「ぶはっ!!ハァハァ…綱海…?」
そう、助けてくれたのは綱海だった
「ありがと、助けてくれて…でもなんで気が付いたんだ?綱海ずっとサーフィンしてただろ…?」
「んー?まぁ普通こんなとこまで泳いでこねーからな〜どんな奴だろってちょっと見てたんだよ。そしたら塔子だったって訳」
「そっか…ホントにありがと。もう大丈夫だから放していーよ」
そう、今塔子は綱海に抱きしめられている状態なのだ
綱海は器用にも片手で塔子を抱きしめながらも、もう片方は自身のサーフボードに手を置いていた
「おぅ…」
「綱海?」
放そうとした綱海が少し思いとどまり、塔子を見つめた
不審に思った塔子がもう一度綱海に声をかけようと
「つ…」

ぎゅっ
「わっ!?何すんだ綱海!!」
綱海はいきなり助けた時よりも強く塔子を抱きしめたのだ
「何なんだよ!?あたし放していいって言ったんだけど…」
「ん〜なんとなく?」
「ハァ?なんだよ、それ…」
実は塔子自身はヘーキなふりをしていたが綱海に触れている塔子の手が震えていたのだった
無理もない
誰だって海に溺れることは怖いことだ
綱海は相変わらず塔子を抱きしめ、塔子の頭をポンポンしていた
(あ…震えが止まってる…もしかして綱海の奴…)
綱海はまだ同じ体勢をとり続けている
「ありがとな、綱海!!」
塔子は満面の笑みを浮かべながら勢いよく綱海の大きな背中に手を回した
綱海は一瞬驚きながらも
「おぅ!!」
と笑い返してくれた



オマケ
二人が浜辺に戻ってきた後
「何何?なんで海で二人抱き合ってたん!?やっぱあんたら付き合ってたん!?」
「なんで知ってんだ!?あそこ浜辺から結構遠かった「やっぱそうなん!?皆聞いてー!!綱塔と塔子が付き合っ「違うから」



さらにオマケ
(なんで塔子に気付いたかって?ずっと見てたからに決まってんだろ!!しかも塔子の奴抱きついてくるし…俺のこと男だって分かってんのか…?)
先が思いやられる綱海だった

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