( ブルーベリーは不可 )



「おーい、こぼしてんぞ」
「んー」
「とまれよバカ」
「れーちゃん」
「なんだ」
「あーん」
「あーん」

登校中、一ノ瀬祐樹はクレープを食べていた。その隣には零原桐斗。ぼたぼたと生クリームをこぼしながら歩き食べる一ノ瀬に注意をする零原。そんな零原にあーんとする一ノ瀬。自然な流れで差し出されたクレープを口にする零原に嬉しそうに笑う一ノ瀬。

「うまい?」
「うん。でもチョコじゃなくて苺も食いたい」
「じゃあ食いにいこっか」
「おう」

学校に向かっていた足をUターンし、先ほどのクレープ屋へと戻る一ノ瀬と零原。この2人はさっきもチョコか苺かでさんざん迷いすでに遅刻は決定となっていたのだが、普段から遅刻欠席当たり前の2人にとってそんなんはどうでもいい。

「俺一口でいーわ。口ん中甘ったるい」
「俺やっぱサラダ系にしよっかなあ」
「おい苺だっつってんだろ」
「じゃあ両方」
「そーしろ。俺サラダ半分な」

その2人の連んでいる姿をみた曖昧高校の生徒らはなんの天変地異かと思った。

「おい零原、なにやってんの?」

そんな2人に声をかける者が一名。

「ん?赤城じゃん。なしたの」
「なに子守やってんの」
「屋上に繋がれてたから連れてきた」
「ええ?」
「屋上にいた。だから俺のもん」
「え、俺ってれーちゃんのものなの?」
「そーそー。お前は俺のものなの」

口の端についてるクリームをとってやる。その様子を赤城は呆けてみていた。

「まーじで。やったあ」
「いいのかよ」
「れーちゃんこの人誰」
「俺の下僕」
「ともだちでしょっ」
「そーなの?」
「さあな」
「零原っ!」
「れーちゃんクレープやっぱいらん」
「だなあ。学校いくか」
「れーちゃん行くなら行こうかなあ」

再度Uターンをし学校へと向かう2人と1人。赤城は未だに目の前の光景を信じられずにみていた。



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