NOVEL GAME γ | ナノ

if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【1F フロント】
「007号室ですね」

ウィーンカタカタ、という音をさせて袖口からスッと一枚のカードキーを出した彼女。
アンドロイドならではですね。自分の中でカードキーを生成出来るらしい。

「突き当たって右側のエレベータよりB1、右奥のお部屋となっております」
「地下?」
「はい。何か御座いましたら1階フロントまでお願いします」
「.........了解しました」
「尚、お部屋の変更は何があってもご遠慮頂いておりますのでご了承下さい」

ええー何ソレ怖い。
パートナーだって説明を受けてないっていうのにチェンジ利かないとかタチの悪いキャ●クラか!
でも一応仕事だし、プレオープンイベントだし...頑張るしかないのね。うん。

「道中、足元にお気を付け下さい」

.........道中って、此処ホテルでしょ。
無機物かつ感情のないアンドロイドに見送られ(?)ながら進む。
見つけたエレベーターは普通の物だけど...開いた瞬間、顔を背けて項垂れた。
全面鏡仕様とベッタリ付けられた血糊手形...もうぶっちゃけ帰りたい。

――進まないと、大変なコトが起きちゃうよ?
開いたままのエレベーターから聞こえた子供の音声に、私は慌ててフロントを後にした。

007号室へ向かう





















if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【B1 007号室】
歩く度にミシミシ、ミシミシ...
酷く音を立てる地下の廊下を歩いて辿り着いた先は007号室。
道中、警戒に警戒を重ねてキョロキョロしまくったけど...不可解なものは無かった。
強いて言うなら窓とか鏡とかが多すぎる。あと暗すぎるっていうのが怖かっただけで。

ついでに言えば、BGMもまたホラー系演出でゾクゾクします。
今にも某曜日のキャラとか某ゲームの鋏男とかが出て来そう...

「.........志月先輩?」
「えっ、」
「何ですのん。その態度...」

同じスーツ姿の同期同僚がそこに居た。
忍足侑士、私と同じ...別のグループリーダーをしている。
私が再就職だから年齢が上だということを何故か異様にこだわっている。

「忍足も此処に呼ばれてたんだね」
「ええまあ。遅刻せんと来ましたけど」

そうかそうか...嫌味か。
けど此処で喧嘩を買っても仕方ないので「優秀ね」とだけ言っておく。
これでも本当に同期で同僚なんだけど、どうも仲が良くない。
同じプレゼンを任されて競う仲だった所為もあるけどさ。

「それで?パートナーは誰だったの?」
「さあ?007号室としか言われてへんので」
「.........007号室?」
「.........先輩がそうなんですか?」

何故だ。誰だ仕組んだのは...俺様か?
お互いに持つカードキーの番号が同じだということを確認。
もうお互いに会話をすることはない。ただただ呆然と007号室へ......

続ける
リタイア





















if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【007号室 侑士】
部屋の中は明るくはないものの、西洋のお部屋ってカンジだった。
家具なんかは結構凝ってるし、さっきのホテルらしいドアからは想像出来ないほどだ。

「.........」
「.........」
「.........提案なんやけど、此処では仲良くやりません?」
「.........うん。仲良くしたいね」

部屋が何とも言えず暗い中、私たちの間を漂う空気も暗かったら洒落にならない。
何となくお互いがそれに気付いているから...お互いに顔を見合わせた。

「ホラー系、得意ですか?」
「全然ダメ」
「俺もです」
「仲間です」

これは...少々マズイことになった気がする。
多少相手任せに過ごしてやろうかと思ってたけど...同じ穴のムジナでは難しいときた。

「部屋の確認...一緒にしてくれる?」
「ええ。俺も置いてかれても困りますし」

どうしよう...お互いがお互いに役に立たないとか。
何とも言えない気持ちになりつつも荷物を床に置かせて頂いて、少しキョロキョロちょろちょろしてみる。

扉から真っ直ぐ進むと...まあダブルベッドがあって、その向こうにはカーテンがあるから窓かな?
ベッドの猫脚ドレッサーが置いてあって、まあメイクには困らないなーとか思う。
ただ、その三面鏡?だと思われるドレッサーの鏡を開ける勇気は無いけど。

それとは真逆の方向にはドアがある。おそらくトイレとかお風呂場だとか...そういうの。
最低限、そういう設備がないとホテルとは言わないから間違いないと思う。

「.........ほな、行きます?」
「.........本当は行きたくないけど」

行かないと始まらない。いや、始めなくてもいいけど仕事。
真逆にある二つの場所を交互に確認ながら行く先を私が決めた。

ユニットバスを確認する
窓の外を確認する





















if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【007号室 ユニットバス】
忍足の後ろから私はそろそろと歩いていた。
もう少し明るければシャキシャキ歩けるんだけど...そう思いながら。

「開けますよ?」

忍足は一応、声を掛けてから扉を開いた。

「.........」

洋風なユニットバスです。ええ、暗くなければ素敵なのに。
必要な設備機器だし...特に問題はないと思う。

「.........動作確認、いる?」
「せんとやろーな」
「じゃあ、忍足がシャワー出して。私はトイレ流す」

怖いからせーののタイミングで、と言ったら忍足は微妙な反応を示した。
だって怖いから仕方ないじゃない。そして、私はせーの、と声を掛けた。

「「!!!」」

どちらの水も...赤い。き、気持ち悪いんですけど。
けど恐ろしいかな。どちらも酷くフローラルな香りをさせる水だ。
それが配慮だとしたら本気で怖いよ。赤いのにフローラルな香りとか。

「.........問題や」
「.........うん、問題しかないね」

排水溝に流れていく水を確認しただけでドッと疲れた。
それは多分、忍足も同じだろうと思うようにした。

戻って窓の外を確認する





















if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【007号室 窓】
再び、忍足の後ろから私はそろそろと歩いていた。
本当に暗くて怖いよママン。懐中電灯とかないのかな此処。

「.........想像つくんやけど。窓の外」

イエス。何となく想像つくから言わないでおくれ。
洋風の窓、そして洋風で素敵なカーテンレースを忍足がゆっくりと開ける。
とりあえず...見える風景は、墓地、ですね。勿論、偽物の洋風墓地。
うん。想像通り過ぎて笑えないよ。不気味だよ不気味。

うん、特に仕掛けは無いみたいだけどゾクッとするだけの出来です。気持ち悪い。
窓の外なんか見るんじゃなかった、と後悔するくらいに気持ち悪いです。凝り過ぎです。
もうこれ以上、凝らなくていい。普通にそう思った。

ベッドルームへと戻る





















if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【007号室 窓】

忍足の後ろから私はそろそろと歩いていた。
もう少し明るければシャキシャキ歩けるんだけど...そう思いながら。

「.........想像つくんやけど。窓の外」

イエス。何となく想像つくから言わないでおくれ。
洋風の窓、そして洋風で素敵なカーテンレースを忍足がゆっくりと開ける。
とりあえず...見える風景は、墓地、ですね。勿論、偽物の洋風墓地。
うん。想像通り過ぎて笑えないよ。不気味だよ不気味。

うん、特に仕掛けは無いみたいだけどゾクッとするだけの出来です。気持ち悪い。
窓の外なんか見るんじゃなかった、と後悔するくらいに気持ち悪いです。凝り過ぎです。
もうこれ以上、凝らなくていい。普通にそう思った。

ユニットバスを確認する





















if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【007号室 ユニットバス】
再び、忍足の後ろから私はそろそろと歩いていた。
本当に暗くて怖いよママン。懐中電灯とかないのかな此処。

「開けますよ?」

忍足は一応、声を掛けてから扉を開いた。

「.........」

洋風なユニットバスです。ええ、暗くなければ素敵なのに。
必要な設備機器だし...特に問題はないと思う。

「.........動作確認、いる?」
「せんとやろーな」
「じゃあ、忍足がシャワー出して。私はトイレ流す」

怖いからせーののタイミングで、と言ったら忍足は微妙な反応を示した。
だって怖いから仕方ないじゃない。そして、私はせーの、と声を掛けた。

「「!!!」」

どちらの水も...赤い。き、気持ち悪いんですけど。
けど恐ろしいかな。どちらも酷くフローラルな香りをさせる水だ。
それが配慮だとしたら本気で怖いよ。赤いのにフローラルな香りとか。

「.........問題や」
「.........うん、問題しかないね」

排水溝に流れていく水を確認しただけでドッと疲れた。
それは多分、忍足も同じだろうと思うようにした。

ベッドルームへと戻る





















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ミックスランダム/扉の向こう

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