NOVEL GAME γ | ナノ

if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【1F フロント】
「006号室ですね」

ウィーンカタカタ、という音をさせて袖口からスッと一枚のカードキーを出した彼女。
アンドロイドならではですね。自分の中でカードキーを生成出来るらしい。

「突き当たって右側のエレベータよりB1、右奥から二番目のお部屋となっております」
「地下?」
「はい。何か御座いましたら1階フロントまでお願いします」
「.........了解しました」
「尚、お部屋の変更は何があってもご遠慮頂いておりますのでご了承下さい」

ええー何ソレ怖い。
パートナーだって説明を受けてないっていうのにチェンジ利かないとかタチの悪いキャ●クラか!
でも一応仕事だし、プレオープンイベントだし...頑張るしかないのね。うん。

「道中、足元にお気を付け下さい」

.........道中って、此処ホテルでしょ。
無機物かつ感情のないアンドロイドに見送られ(?)ながら進む。
見つけたエレベーターは普通の物だけど...開いた瞬間、顔を背けて項垂れた。
全面鏡仕様とベッタリ付けられた血糊手形...もうぶっちゃけ帰りたい。

――進まないと、大変なコトが起きちゃうよ?
開いたままのエレベーターから聞こえた子供の音声に、私は慌ててフロントを後にした。

006号室へ向かう





















if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【B1 006号室】
歩く度にミシミシ、ミシミシ...
酷く音を立てる地下の廊下を歩いて辿り着いた先は006号室。
道中、警戒に警戒を重ねてキョロキョロしまくったけど...不可解なものは無かった。
強いて言うなら窓とか鏡とかが多すぎる。あと暗すぎるっていうのが怖かっただけで。

ついでに言えば、BGMもまたホラー系演出でゾクゾクします。
今にも某曜日のキャラとか某ゲームの鋏男とかが出て来そう...

「あ!ユイ!イイトコに来たなァ」
「.........ポートガスくん?」

ポートガスくんだ。同期で同僚のエースくん。呼ばれてたんだ。

「今、部屋に入ろうとしてたんだけどよ、全然開かねェの」
「開かない?」
「あァ。もうずっとガチャガチャしててさ」
「フロントに聞いてみた?」
「聞いたけど返事は無かった」

あ、そうか。フロント嬢はロイドちゃんだった。
そこまでの対応はプログラミングされてない可能性が高い。

「えっと...007号室なの?」
「いや、006号室だ」
「........そこ、007号室だよ」
「.........あ、」

カードキーと部屋の番号を交互に確認してポートガスくんは笑った。
どうやら間違ったらしい。と、いうより私のパートナーってポートガスくんなの?

「あ、もしかしてお前が相方か?」
「あ...うん、そうみたい」

そうかそうか、と笑顔を見せるポートガスくん。
えっと、うん。何か色々と複雑な気持ちがある。でも、006号室へ......

続ける
リタイア





















if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【006号室 エース】
部屋の中は明るくはないものの、西洋のお部屋ってカンジだった。
家具なんかは結構凝ってるし、さっきのホテルらしいドアからは想像出来ないほどだ。

「.........暗い」
「確かに暗いけどよ、そういう企画じゃん」

ごもっともです。俯く私にポートガスくんは怖いのか?と問う。
当たり前です。基本的にこういう施設には入らないよう努力してる。
ポートガスくんは?と逆に聞けば曖昧な感じの返事が返って来た。
見たカンジ...別に苦手ではなさそう。だとしたら心強い。

「じゃ、確認してくか」
「え?」
「確認だ確認。いつまでもぼんやり出来ねェだろ」

はい。ごもっともです。しっかり者ですね。
仕事だけどちょっと怖いんだよ。凝ってるし、今だって誰か見張ってそうだし。
何とも言えない気持ちになりつつも荷物を床に置かせて頂いて、少しキョロキョロちょろちょろしてみる。

扉から真っ直ぐ進むと...まあダブルベッドがあって、その向こうにはカーテンがあるから窓かな?
ベッドの猫脚ドレッサーが置いてあって、まあメイクには困らないなーとか思う。
ただ、その三面鏡?だと思われるドレッサーの鏡を開ける勇気は無いけど。

それとは真逆の方向にはドアがある。おそらくトイレとかお風呂場だとか...そういうの。
最低限、そういう設備がないとホテルとは言わないから間違いないと思う。

「ほら、行くぞ」
「わ、分かったから押さないで」

足がうまく動かないでいる私をポートガスくんはじわじわ押す。
うん、行かないと始まらない。いや、始めなくてもいいけど仕事。でも...
真逆にある二つの場所を交互に確認ながら行く先を私が決めた。

ユニットバスを確認する
窓の外を確認する





















if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【006号室 ユニットバス】
ポートガスくんに促され、私はそろそろと歩いていた。
もう少し明るければシャキシャキ歩けるんだけど...そう思いながら。

「開けるぞー」

ポートガスくんは一応、声を掛けてから扉を開いた。
というか、そこは自分でやっちゃうんだ...と思いました。はい。

「.........」

洋風なユニットバスです。ええ、暗くなければ素敵なのに。
必要な設備機器だし...特に問題はないと思う。

「.........動作確認、いる?」
「しないとだろうなァ」
「じゃあ、シャワーお願いしていい?私はトイレ流す」

怖いからせーののタイミングで、と言ったらポートガスくんはちょっと笑った。
だって怖いから仕方ないじゃない。そして、私はせーの、と声を掛けた。

「「!!!」」

どちらの水も...赤い。き、気持ち悪いんですけど。
けど恐ろしいかな。どちらも酷くフローラルな香りをさせる水だ。
それが配慮だとしたら本気で怖いよ。赤いのにフローラルな香りとか。

「よし、問題なし」
「.........問題しかないよ」

排水溝に流れていく水を確認しただけでドッと疲れた。
でも、ポートガスくんは特に気にした様子はなかった。

戻って窓の外を確認する





















if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【006号室 窓】
今度はポートガスくんの後ろから私はそろそろと歩いていた。
本当に暗くて怖い。懐中電灯とかないのかな此処。

「ぶっちゃけさ、想像つくな。窓の外」

イエス。何となく想像つくから言わないでいいよ。
洋風の窓、そして洋風で素敵なカーテンレースをポートガスくんがゆっくりと開ける。
とりあえず...見える風景は、墓地、ですね。勿論、偽物の洋風墓地。
うん。想像通り過ぎて笑えないよ。不気味だよ不気味。

うん、特に仕掛けは無いみたいだけどゾクッとするだけの出来です。気持ち悪い。
窓の外なんか見るんじゃなかった、と後悔するくらいに気持ち悪いです。凝り過ぎです。
もうこれ以上、凝らなくていい。普通にそう思った。

ベッドルームへと戻る





















if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【006号室 窓】
ポートガスくんに促され、私はそろそろと歩いていた。
もう少し明るければシャキシャキ歩けるんだけど...そう思いながら。

「ぶっちゃけさ、想像つくな。窓の外」

イエス。何となく想像つくから言わないでいいよ。
洋風の窓、そして洋風で素敵なカーテンレースをポートガスくんがゆっくりと開ける。
とりあえず...見える風景は、墓地、ですね。勿論、偽物の洋風墓地。
うん。想像通り過ぎて笑えないよ。不気味だよ不気味。

うん、特に仕掛けは無いみたいだけどゾクッとするだけの出来です。気持ち悪い。
窓の外なんか見るんじゃなかった、と後悔するくらいに気持ち悪いです。凝り過ぎです。
もうこれ以上、凝らなくていい。普通にそう思った。

ユニットバスを確認する





















if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【006号室 ユニットバス】
今度はポートガスくんの後ろから私はそろそろと歩いていた。
本当に暗くて怖い。懐中電灯とかないのかな此処。

「開けるぞー」

ポートガスくんは一応、声を掛けてから扉を開いた。
勇気あるよね、何が飛び出して来るか分からないのに感心する。

「.........」

洋風なユニットバスです。ええ、暗くなければ素敵なのに。
必要な設備機器だし...特に問題はないと思う。

「.........動作確認、いる?」
「しないとだろうなァ」
「じゃあ、シャワーお願いしていい?私はトイレ流す」

怖いからせーののタイミングで、と言ったらポートガスくんはちょっと笑った。
だって怖いから仕方ないじゃない。そして、私はせーの、と声を掛けた。

「「!!!」」

どちらの水も...赤い。き、気持ち悪いんですけど。
けど恐ろしいかな。どちらも酷くフローラルな香りをさせる水だ。
それが配慮だとしたら本気で怖いよ。赤いのにフローラルな香りとか。

「よし、問題なし」
「.........問題しかないよ」

排水溝に流れていく水を確認しただけでドッと疲れた。
でも、ポートガスくんは特に気にした様子はなかった。

ベッドルームへと戻る





















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ミックスランダム/扉の向こう

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