NOVEL GAME γ | ナノ

if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【002号室 マルコ】
きちんと机の端に避けられた私物に触れないように、私は机に寝そべった。
懐かしい感覚、学生時代はよくこんな風に授業中に寝ていたなーみたいな。
程良く聞こえるシャワー音もあって、本気で夢へと誘われて.........

「そんなところで寝るヤツがあるかい」
「!!?」
「それにローブの裾、肌蹴てるよい」
「ぎゃっ!!」

夢を扉を今にも開けて飛び立とうとしていた時に響いた主任の声。
本当に現実も忘れて飛び立とうとしていたもんだから驚いて飛び起きた。

「び、ビックリしました...」
「それはこっちの台詞だよい。何たって机に、」

えっと...いや、普通にダブルベッドで共に就寝する仲ではないからです。
と、言えれば良かったんだけど、驚きで心拍数上がり過ぎて言葉が出なかった。

「そんなに狭いベッドじゃねェから邪魔にはならないよい」

いやいや、そういう問題ではないんです。
何をどうした時にこんなことになるのか...抱える頭はあっても回避案はもう浮かばない。
やっぱりあの時点で勝手にベッドで寝るべきだったと後悔してももう遅い。

「勝手に風邪ひかれても困るしねい。ほら、入った入った」
「.........りょ、」
「.........減給願い出しとくよい」
「あああ!すみません!もう言いません!」
「ならいい。さっさと寝るよい。おれも疲れてるからねい」

.........オフなのに?
そう言いたかったけど、私は口を閉ざした。減給されても困るし。
本当に、ほんっとうに悩ましかったけど壁側からベッドに入って窓に背を向けた。
それに確認してからか、主任も窓側からベッドに入って来た、ようだった。

就寝する





















if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【002号室 ベッド】
.........カチコチ、何処かの時計が響く。
まあ寝れませんよね!眠かったけど寝れませんよ!
こんな状況下、寝れるはずがないですよね!!(ヤケ)

大きなベッドなだけあって、本当に邪魔にはならないけど眠れない。
赤の他人で異性ですよ。そこそこ気になりますよ。

カチコチ、響く時計の音。
色々不安を抱えてる時に限ってこの音が大きく聞こえる。

カチコチ、ギギッ、カチコチ、パキッ、カチコチ、カタカタッ、カチコチ......

異音が混ざってる。異音が混ざってる。異音が、確実に聞こえる!
これは仕様、これは仕様、これは仕様...と脳内で唱えても余計に聞こえる。
目を開けても閉じても音は響く。怖いしうるさいし......辛い。

このまま無理やり寝た方がいいのか、このまま音が止まるまで起きとくか。
体は寝たいと言ってるけど脳は寝れないと言う。私自身は...

限界なので寝る
気になるので起きとく





















if...の扉 #10

ミックスランダム/扉の向こう
【002号室 ベッド】
異音が徐々に大きくなっているような感覚がする...
てか、カチコチに挟まって聞こえる異音が廊下から聞こえる、気がする。
誰かが這いずってるような音、何か重いものを引っ張ってるような......

「.........12時までだ」
「ヒッ!?」
「プログラムだからねい。12時で停止する」

てっきりお休みになられていると思った主任がそう言った。
現在の時刻は...まだ10時半。おおう...寝るには早いけど、寝たい。
それなのにあと1時間以上ある。システム停止まで。

「怖いのかい?」
「.........怖いですよ普通に」
「それはそれで面白いよい」

ムッカー!!恐怖より怒りに感情が傾きそうですけど!!
どうしようもなくイラッとして文句の一つでも吐こうと思って振り返った時、

ドンドンドンドンドン!!!

「ヒッ!!!」
「.........おい、」
「誰か、扉、叩いて、」
「あー...ちょっと、」
「もうダメもうダメもうダメもうダメ...」

怖すぎ、もう本当に怖い。死ねる。本当に死ねるやつ。
分かってる。今、思いっきり背中にしがみついてるのが上司の背中だって分かってる。
このクッソ上司が!と暴言吐きたくなるような上司だって分かってる。
けど無理だ。本当に誰かにしがみついて体温感じないと怖くて死ねるやつだ。

「.........ダメ、か。それはおれの台詞だよい」

指先からローブが離れて次に見えたのは、主任の顔。
よく分からないけど...何か、私に、跨っていらっしゃるような...

「よく分かった。もう限界だよい」
「.........ハイ?」
「自分がどんな状況下でどんな男の傍に居るのか...分からないらしい」
「え、えっと......主任?」
「説明は後でする。今は...大人しく組み敷かれとけよい」

な、何ですと!!?
意味も分からぬままに主任の顔が近付いて唇に触れる。
同時に私の体を這う手、これは......襲われてる!?

「ちょっ、待っ、」
「説明は後だ」

今まで見たことのない表情の上司が、ゆっくりと私のローブに手を掛けた。

★エンディング マルコ
続編のパスワードは【105】です。小説はこちらに置いています。

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