【001号室 景吾】
きちんと机の端に避けられた私物に触れないように、私は机に寝そべった。
懐かしい感覚、学生時代はよくこんな風に授業中に寝ていたなーみたいな。
程良く聞こえるシャワー音もあって、本気で夢へと誘われて.........
「そこで寝ても構わないが、翌日に差し支えるぞ」
「!!?」
「それにローブの裾が肌蹴てる。誘ってんのか?」
「ぎゃっ!!」
夢を扉を今にも開けて飛び立とうとしていた時に響いた跡部氏の声。
本当に現実も忘れて飛び立とうとしていたもんだから驚いて飛び起きた。
「び、ビックリしました...」
「それはこっちの台詞だ。何たって机に、」
えっと...いや、普通にダブルベッドで共に就寝する仲ではないからです。
と、言えれば良かったんだけど、驚きで心拍数上がり過ぎて言葉が出なかった。
「これだけ広いんだ。お互い邪魔にはならねえよ」
いやいや、そういう問題ではないんです。
何をどうした時にこんなことになるのか...抱える頭はあっても回避案はもう浮かばない。
やっぱりあの時点で勝手にベッドで寝るべきだったと後悔してももう遅い。
「勝手に風邪ひかれても困る。黙って入れ」
「.........了解しました」
「言っとくがな、襲うつもりはねえ」
「そ、そんな心配はしていません!」
「ならいい。さっさと寝ろ。俺も疲れてる」
.........まあ、ご多忙みたいですし、そうですよね。
本当に、ほんっとうに悩ましかったけど壁側からベッドに入って窓に背を向けた。
それに確認してからか、跡部氏も窓側からベッドに入って来た、ようだった。
就寝する